2025年2月11日火曜日

2025.02.11 東京大学音楽部管弦楽団 第110回定期演奏会

武蔵野市民文化会館 大ホール

● 三鷹に向かっているのだが。快速湘南新宿ライン逗子行きが,古河を過ぎたところで徐行運転。強風のためという。なるほど,畑から土ぼこりが舞いあがっている。
 こと時期の風物詩と言えば言える。もっと北ではもっと強い風が吹いているかもしれない。

● そんな中を東京まで出ていったのは,東大オケの定演があったからね。よほどのことがない限りは聴いておきたい楽団のひとつでしょ。
 開演は13時30分。チケットは2,000円。TEKET で購入。TEKET が普及してほんとに便利になった。ちょっと前までは,メールでのやり取りなんかをしてたんですよ。

● プログラムはオール・ロシア。何かと世界を騒がさているロシアだけれども,それはそれ,これはこれ。指揮は田代俊文さん。
 グラズノフ 祝典序曲
 プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」
 ラフマニノフ 交響曲第2番

● 生演奏がいいのはCDでは決して味わい得ない音量と音圧を感じることができることと,視覚情報があることだ。演奏している様をリアルタイムで見ることができること。
 その視覚を満足させるのに,この楽団の右に出るところはそうそうないのではないかと思っている。ピンと張りつめた緊張,過ぎない躍動,没頭している様。

● いずれも間然するところのない見事な演奏。結果を出してくる楽団だ。
 音大ではない一般大学の学生がここまでできることに驚く。何度も驚いているのだが,この驚きは何度味わっても新鮮だ。

● プログラム冊子も学術書かと見紛うほどに硬派なもの。これを読み通せる人がいるんだろうか。
 恥ずかしながら,ぼくは読み通せたことがない。脚注まであって,まるで論文を読んでいるような気分になる。

● にしても,今日は寒かった。風が強いから体温がどんどん奪われていく。
 三鷹駅構内の「いろり庵きらく」に避難して,天ぷらそば。590円。よくこの価格で抑えているとは思うんですけどね,この3年間でずいぶん高くなったねぇ。

2025年2月9日日曜日

2025.02.09 栃木県交響楽団 第116回定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● 栃響の定演。開演は14時。チケットは,当然,前売券を買っておいた。
 今回の曲目は次のとおり。
 ワーグナー 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
 J.ウィリムズ 「スター・ウォーズ」組曲
 ブラームス 交響曲第1番

● 指揮は三原明人さん。栃響との共演もだいぶ回を重ねている。指揮者にとってもオケにとっても,ずいぶんとやりやすくなっているのだろうと思う。
 ちなみに,次回はストラヴィンスキー「春の祭典」を三原さんの指揮で演奏する。コロナ禍でいったん保冷庫に入っていたもの。

● メインはブラームスの1番だし,楽しみにしていたのは「スター・ウォーズ」だった。
 が,実際に聴いてみたら「さまよえるオランダ人」が最も印象に残った。わりとありがちなこと。

● 指揮者の三原さんが発するエネルギーが迸る。ワークライフバランスなどと言っていてはこうはならない。音楽に憑かれた人という感じね。
 この世界にはそういう人がゴロゴロいるんでしょう。そうした個々の奏者の “献身” がこの世界を支えていると思うことはしばしばある。世界を支えようと意図してそうしているわけではないんだろうけど,結果として支えている。

● これだけの演奏をするのだから,録音して音源として残せばいいのにと思うのだが,CDがどれだけ売れないかは一応知っているのでね。正直なところ,自分でも買うかどうかわからない。
 ポップスやロックは知らず,クラシックのCDが売れなくなったのは,ストリーミングの普及より,CD自体が飽和状態になっているのが原因ですかねぇ。同一曲のCDを何枚も買い揃えて聴き比べる,という情熱の持ち主はそんなにいない(と思う)。皆さん(ぼくもそうだが),もっとライトな聴き方をしているでしょ。
 といっても,カラヤンのCDが売れまくっていた頃から似たような状態だったもんねぇ。やっぱ,インターネットが,ブツとして質量を持つCDを,ユーザーから遠ざけさせたんですかね。

● おそらく,次はライヴの飽和が現れる。少子高齢化で観客は減少するのに,ライヴは増える。目にはさやかに見えねども,というゆっくりした速度でそれが進行する。どの世界もそうだろうが,なかなかに明るい未来は描きにくい。
 未来などに視野に入れる必要がないほどに,現在に没頭しているのがステージ上の奏者たちなのだとも思える。

● にしても。今年の冬は寒すぎるし,こんなに寒いのに花粉がすごすぎる。
 けど,今日は寒さも和らいだ。あと,日が延びてますよね。春近しを感じさせもしますよ。

2025年2月2日日曜日

2025.02.02 タンゴ ランデヴー

鹿沼市民情報センター マルチメディアホール

● 北関東の田んぼの村にも雪が降っている。春の淡雪という感じ。道路には(歩道にも)雪はない。交通への影響は皆無と思う。
 が,ともかく雪が降っている。そういう中を鹿沼に向かう。

● 鹿沼市民情報センターで「タンゴ ランデヴー」と銘打った演奏会があって,それを聴くため。1日と2日の2日公演で,ぼくが聴いたのは2日の方。
 1日のはチケット完売で買えなかった。情報センターと同じ敷地にあるシカノクラで開催されたんだけども,大谷石造りのこの蔵は収容人員が少ないのでね。どんな響きになるのか,ちょっと興味がありますけどね。

● 開演は14時。チケットは取置き依頼。当日,代金引換えで受取るというやつね。

● アルゼンチン出身のアレハンドロ・ドラゴ氏の弾きぶりで,地元の若きメンバーで構成する In Tempo のメンバーが演奏する。
 アルゼンチン版ニューイヤー・コンサートのような感じ。違うのは、会場がウィーン楽友協会の大ホールほどデコラティブではないことくらいだ。

● きらびやかでもある。ヴァイオリンを棹の方でこすってカエルが潰れたような音を出す遊びもある。遊びというか,土着を引き継いでいるんでしょうかね。
 ぼくも含めて,聴衆はこうした演奏をバッハやベートーヴェンを聴くのと同じように神妙に聴いてるわけだけれども,本当はもっとリラックスして緩く聴くのがいいのかもしれない。でも,まぁ,ホールで聴くんだから,そうなるのは仕方がないんだけど。

● アルゼンチンの作曲家というと,ピアソラしか知らないんだけど,タンゴってわりと哀愁を帯びた旋律が多いじゃないですか。ラテン系でもノーテンキ一辺倒で人生やってけるはずもないから,これはわかるっちゃわかる。
 が,それでも不幸や不運を笑いとばしてしまえるノーテンキさ(意思の力ではなく)を持てれば,これ即ち人生の達人でしょ。ケ・セラ・セラを徹底できたら強いし,楽になれそうじゃないですか。

● ぼくの席の近くにハッとさせるような美人がいてね。そちらに気を取られて,演奏を聴くことに集中できなかった。
 こんなところに鄙にも稀な美人がいるんだねぇ。ひとりで来てるようだったよ。タンゴが好きなんでしょうかねぇ。いや,驚きましたよ。

2025年1月6日月曜日

2025.01.06 間奏:東海大付属高輪台高校吹奏楽部の定演を聴けなかった件

● 用もないのにミューザを覗いてみた。ら。東海大付属高輪台高校吹奏楽部の定演が,今日と明日,ミューザで開催される。これは聴きたい。
 昨年だったか,宇都宮でこの高校の演奏を聴く機会があった。感嘆どころではない驚きだった。

● 今日が12:45,明日が17:45の開演。当日券があるなら,今からでも間に合う。
 が,これからツレと食事をすることになっている。最も近しい関係にある相手であっても,今からのドタキャンは人としてやってはいけない。先決優先は絶対原則と昭和原人は思っている。

● 明日は別の演奏会のチケットを買っている。こちらも先決優先原則を適用する他はない。昭和原人は不器用なのだ。
 というわけで,後ろ髪を引かれつつ諦めた(当日券があったかどうかわからないが → なかったようだ。事前に完売していたようだ)。

● 2日制なのは聴衆が多いからだろう。吹奏楽をやっている他校の生徒もかなり来るのじゃあるまいか。
 驚きなのは同じ曲目を2日やるのではなくて,全くの別内容であることだ。どうすればそんなことができるのか。プロなのか,君たちは。

● ところで。女子生徒のこの髪のまとめ方は,髪形まで制服の一部ということかい?
 夕方,川崎駅に向かうこの髪形の女子高生を何人も見かけたのだが,君たちだったのか。

2024年12月3日火曜日

2024.12.01 第15回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 東邦音楽大学・洗足学園音楽大学

すみだトリフォニーホール 大ホール

● 音大フェス,3日目(最終日)。
 東邦はモーツァルトの41番。端整かつ清新な「ジュピター」だった。指揮は大友直人さん。

● モーツァルトから離れてしまってはいけないんじゃないか,と思った。生では意外に演奏されないからね,モーツァルトって。尚のことですよ。
 クラシック音楽はモーツァルトに始まってモーツァルトに終わる,かどうかはわからない。「モーツァルト」のところにバッハを代入してもブラームスを代入しても,ことごとく成立しちゃうから。

● オオトリは洗足。ベートーヴェンの「第九」。仕組んだわけではないんだろうけど,絵に描いたような大団円ね。この音大フェスで第九が演奏されるのは2018年の武蔵野以来。
 洗足の学生をもってしても第九は難関のようだなと思って聴いてたんだけど,終わってみればとてつもない演奏になっていた。山場のひとつである歓喜のテーマの盛りあがりもだけども,合唱団がレベル高すぎ。いかに音大でもここまでとは。

● 指揮は秋山和慶さん。存在自体が凄い。80歳を3つ過ぎておられるのか。スッと立って長大な第九を事もなげに指揮する。日本で最もダンディな83歳だろう。
 秋山さんの指揮とあっては,合唱団もソリストも途中から入場というわけには参らない。第1楽章が始まる前にスタンバイ。

● 第1楽章はビッグバンの音楽的表現だと勝手に思っている。宇宙創生の音楽。昔は,第1楽章を聴けば第九を聴いたことになる,と思ってましたよ。
 第九はやっぱり途方もない曲だな。

● これに比べたら,マーラーがやったことなど児戯に類する。と,余計なことを言って,ヤな顔をされたこと,数知れず。マーラーって,知が勝ちすぎてません?
 才能は欠落だと思っていてさ。これがなかったら死ぬか狂うかしかないっていう人が,「これ」をやらないとダメなんだよね。マーラーは指揮や作曲じゃない他の仕事でもスマートにやって行けた人なんじゃないかな,と思えるんですよ。欠落がない。

● ま,それは余計なこと。この第九でフェスの環は閉じた。今年もこのフェスに皆勤。
 齢をとってできた暇をこういうことに使えるとは,どこにおわしますかは知らねども,神に感謝したくなりますよ。
 というわけで,今年が終わった。

2024年11月30日土曜日

2024.11.30 第15回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 武蔵野音楽大学・東京音楽大学・国立音楽大学

ミューザ川崎 シンフォニーホール

● ミューザで音大フェスの2日目。まず,武蔵野のサン=サーンス「オルガン付き」。指揮は現田茂夫さん。
 迫力充分。サン=サーンスが躍動する。

● そりゃあね,細かいミスがないわけではない。けど,いいんですよ,そんなものは。
 若い人たちの全力投球は必ず何かを生む。と感じるのは,自分が年寄りだからかもしれないのだが。
 この曲だからオーボエが最も目立つ。女子学生が見事に演じきった。

● 東京はプロコフィエフの5番。指揮は広上淳一さん。
 悠揚迫らざる初動からプロコフィエフが紡ぎ出すいくつもの物語あるいは情景を,きっちりと音に変えていく。緻密でありながら縮こまっていないのは,実力があればこそ。

● 来月4日定期演奏会でも演るのだけれとも,こうした演奏をまとめて聴けるのが音大フェスのフェスたる所以でしょ。
 関西でも「関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバル」があるらしい。大阪音楽大学,大阪教育大学,大阪芸術大学,京都市立芸術大学,神戸女学院大学,相愛大学,同志社女子大学,武庫川女子大学の8大学が参加する。
 が,これは,これら8大学の合同チームによる1回だけの演奏会のようなんだよね。

● 国立はレスピーギの「ローマの噴水」と「ローマの松」。指揮は高関健さん。
 こちらは明日の定演で同じ曲を演奏する。おそらく,今日の方が観客は多いはず。予行演習という感じは皆無。

● 噴水より松の方が耳に馴染みがある分,ちゃんと聴けたと思うんだけども,その “ちゃんと” がどの程度なのかはわれながら疑問。
 こういう演奏を続けて3本というのは,ありがたい一方で,聴き手にも相当な重量がある。今回は芸劇が使えないので,3日で全日程を終えるというスケジュールになったのだと思うが。
 しかし,こちらも気合いを入れていかんとね。

● ぼくの隣の男性氏がブラボー屋だった。ブラボーと叫ぶのは,若くて元気のいい人なのかと思っていたんだけども,普段は冴えない,ひょっとすると仕事も普通にできてるのかと疑わしいような,中年のオッサンが多かったりするんだろうかね。
 案外,そうかもしれないな。女性には相手にされないよえなタイプの,くたびれた感じの中年男が多いのかもしれないよ。

2024年11月23日土曜日

2024.11.23 第15回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 昭和音楽大学・東京藝術大学・桐朋学園大学

ミューザ川崎 シンフォニーホール

● 音大フェスの1日目。昭和,藝大,桐朋。15時開演。
 昭和はバルトーク「管弦楽のための協奏曲」。指揮は時任康文さん。この曲はこのフェスでもしばしば取りあげられる。
 藝大はベートーヴェン「レオノーレ2番」と三善晃「焉歌・波摘み」。指揮は下野竜也さん。これは逆に音大フェス初登場。音大フェス以外でも,生で聴くのは,ぼくは初めてだ。

● 桐朋はシュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」。指揮は沼尻竜典さん。
 このフェスで強烈に印象に残っている演奏が2つある。1つは2013年のストラヴィンスキー「春の祭典」。もう1つは2018年のホルスト「惑星」。
 いずれも桐朋が演奏したものだ。今回の「ドン・キホーテ」も然りだろう。ただし,聴く人が聴けば,ということになる。

● 3つとも,とてつもないものを聴いているというのはわかる。が,聴けたかどうかはわからない。
 情報量(という言葉を安易に使ってしまうのだが)はプロオケの演奏よりずっと多いと思える。届くものが違う。それをちゃんと受領できてるかどうか。われながら心許ない。

● まぁ,しかし。これを聴かないですますというのはあり得ないと思っている。指揮者も錚々たる人たちが勢揃いする。
 ハロウィンとクリスマスの間の最大イベントですよ。ハロウィンもクリスマスもなくていいんだけれども,これがないのは困る。

● 首都圏まで聴きに行くのは減らして,地元に沈潜しようと画策してるんだけど(数年前から画策してるんだけども上手く行かない),これは別ね。千里の道も遠しとしないで出かけていきますよ(千里も離れてないんだけどさ)。
 今回も通し券を買っている。来年3月には選抜チームの演奏会もあるので,開演前にそのチケットも買いましたよ。