宇都宮市文化会館 大ホール
● 7月4日(土),夕方6時から宇大管弦楽団の定期演奏会があった。入口で当日券を買った。8百円。週8千円のこづかいからでも痛みを感じずに出すことのできる金額だ。
しかし,チケットで入場する人は少なくて,多くの人がハガキを手にしている。どういういことなのかわからなかったが,その謎はすぐに氷解した。演奏会についてのアンケートに答えると,次回の招待状が送られてくるのだ。
観客の入りは宇都宮シンフォニー・オーケストラよりはずっと多く,栃木県交響楽団のときよりもやや少なめ。
● 若い学生の演奏はどうだったか。充分に堪能できた。知らない世界へ連れていってもらえた。
彼らの技量の巧拙はわからない。でも,たとえ技術はイマイチであったとしても,訴えてくるものはある。音楽じたいが持つ何ものかと演奏に向かう学生たちの姿勢が,技術の巧拙を相対化してくれる。
今度は高校生の演奏を聴いてみたい。音楽科のある高校じゃなくて普通の高校の生徒たちの演奏。技術的に巧いはずもないが,たぶんそれは聴くうえでの妨げにはならない。10代の若者がどんな表現をしてくれるのか,実際に確かめてみたくなった。
● メインの出しものはドヴォルザークの第9番「新世界より」。学生の演奏を聴きながら,アメリカの風物が中欧人のドヴォルザークの耳目にはどのように映っていたのか,とりとめなく想像をめぐらせた。
ほかにはサン・サーンスの「チェロ協奏曲第1番」。招待演奏者はチェロの上森祥平さん。彼のチェロ独奏を聴けただけでも,来た甲斐があったと感じた人も多いだろう。
指揮は村中大祐さん。
● パーカッションは何気にカッコいい。叩いた直後,さっと素手で抑えて音の振動をとめる仕草に惹かれる。最後列の一番高いところに立っているから,指揮者の次に目立つしね。
● ともあれ。若い学生さんに幸せな時間をもらった。次の演奏会は12月になる。今から楽しみだ。
● 今となってはこの年齢になるまでオーケストラと無縁できたことが悔やまれるばかりだ。
でもね,しょうがないってこともわかってる。こういうのって縁だから。ベストのタイミングで会っているのだと思うしかない。
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