約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2010年1月31日日曜日
2010.01.23 JR東日本交響楽団第18回定期演奏会
杉並公会堂大ホール
● 詳細は略すけれど,じつはわが家は,今,大変だ。しかし,そこをついて23日に出かけてしまいました。しかも,東京。
14時からJR東日本交響楽団の第18回定期演奏会。杉並公会堂大ホールで,曲目はモーツァルト「交響曲第38番ニ長調 プラハ」,ショスタコーヴィチ「交響曲第9番編ホ長調」,ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調」。
● 団員が着席して,指揮者の登場を待つわずかの時間がいいですね。凛とした緊張感がステージを覆う。この瞬間が好きで,自分はここまで来たのだと思うほどだ。
● ショスタコーヴィチの交響曲第9番は聴いたことがなかった。
プログラムの解説によると,当時の権力者スターリンを称えるような勇壮な曲にするよう,共産党は望んだらしい。9番といえば誰もがベートーヴェンを連想する。その9番を冠するのだから,それにふさわしい内容をと,ショスタコーヴィチもいったんは考えた。のだけれども,できあがったのは軽妙洒脱な曲で,スターリンを激怒させた。
ショスタコーヴィチは何を考えていたのか。権力者を掌で転がしてやろうなどと思っていたわけではあるまい。しかし,できあがったこの楽曲は彼の会心の作とは言えないように思われる。
● ドヴォルザークの8番をライブで聴くのは4回目になる。前回の鹿沼フィルの演奏以来,ぼくのお気に入りのひとつになって,何度もCDで聴いている。すっかりお馴染みの曲になった。
● 企業オケの演奏会は初めてだった。この楽団はJR東日本の社員だけでなく,その家族や関係者も団員になっているそうだ。客席も団員の家族が多いのかもしれない。
乳幼児を連れた女性が多かった。演奏中に泣き出す子もいたり,演奏中に入ってくる人が少なくなかった。入場無料なのもその一因を作っているかもしれない。
が,親睦会の行事なのだと思えば,これは受忍限度の範囲内。すべての演奏会に一律のものさしをあてるのは,そもそもが間違っているに違いない。
●1ヶ月ぶりの管弦楽,充分に満足。
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