約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2010年1月31日日曜日
2010.01.30 フレッシュアーティスト・ガラ・コンサート
栃木県総合文化センター サブホール
● 1月30日(土)は総合文化センター(サブホール)で「フレッシュアーティスト・ガラ・コンサート」があった。栃木県が主催するジュニアピアノコンクールとコンセール・マロニエ21の優勝者のお披露目会のようなものだ。入場無料。
● トップは新居憲人君。高校生。栃木県ジュニアピアノコンクールで大賞を取った。ショパンの「ノクターン第7番」とシューマンの「幻想小曲集」から3曲(第1番夕べに 第5番夜に 第7番夢のもつれ)を演奏した。
● 次は小瀧俊治さん。昨年のコンセール・マロニエ21のピアノ部門で第1位を獲得。ラヴェルの「ラ・ヴァルス」とラフマニノフ「ピアノソナタ第2番」を演奏。
この道も人気商売という一面がある(ように思われる)。しかし,基本的に実力がまずあって,そのうえで実力以外の理由が効いてくる。自分でどうにかできる可能性があるのは実力だけ。であれば,実力を磨くことを心がけるしかない。彼は着々とそれを重ねているに違いない。
とはいえ,ここから先,1ミリを伸ばすのが大変なのだろうね。
● 次は濱崎麻里子さんのフルート。同じくコンセール・マロニエ21の木管部門の第1位受賞者。昨年のコンセール・マロニエ21の本選はぼくも聴いているが,あのときの切れるような緊張感はさすがに今回は伝わってこない。楽に演奏している。C.P.E.バッハ「無伴奏フルートソナタ イ短調」とボザ「イマージュ」。
● 15分間の休憩のあとはゲスト奏者の演奏。ゲストは田口美里さん。9年間にコンセール・マロニエ21の弦楽器部門で優勝した人。
このコンクールの審査委員長の丹羽正明氏が那須野が原ハーモニーホールの館長を務めているせいか,田口さんは那須野が原ハーモニーホールにも年に何度か呼ばれている(ぼくも昨年,メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調を彼女の演奏で聴いた。以来,彼女のファンになっている)。何かと栃木県に縁ができるんですな。彼女には栃木県が第二の故郷になっているんじゃあるまいか。
2位以下はそういうことはないので,1位と2位では隔絶した違いがあることがわかる。
ピアノ伴奏は渚智佳さん。やはり8年前のコンセール・マロニエ21のピアノ部門優勝者。
演奏したのはチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」。
● 残念だったのは,3歳未満児が多くてうるさかったこと。両手で子どもの手を引いて,背中に乳飲み子を背負っている母親もやってきていた。
なかなかに難しいのであろうけれども,演奏中に声をだされると,ステージへの集中が途切れてしまう。集中が継続してなんぼの世界なのに。しつこいくらいに鑑賞マナーについてアナウンスをしていたけれど。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿