2012年12月25日火曜日

2012.12.24 Welcome Happy X'mas 鹿沼ジュニアフィルハーモニーオーケストラ&潮あかりミュージカルアカデミー

鹿沼市民文化センター大ホール

● この催しのチラシは,「お嬢ちゃん,いらっしゃい」と誘っている。年端の行きすぎたお嬢ちゃんも含めて。
 そういうものに白髪翁がひとりで行くのはいかがなものか。若干のためらいがなくもなかったんだけど,行ってみればいるものですね,男ひとりの来場者。

● 実際さぁ,中高年男性に向けた催事にしか行かないでいると,自分の世界が狭くなるよねぇ。他の中高年の男どもとの差別化ができなくなる。
 そんな差別化はできなくたっていいとしても,自分のための人生だ。子ども向けのものであっても,女性向けのものであっても,面白そうなら行ってみる。世間体を気にするのはホドホドにすべし(と自分に言い聞かせつつ,鹿沼に向かった)。

● その代わり,小さな子どもを連れた母親,父親,婆さん,爺さんで会場は埋まるだろうから,始終何らかの騒音が続くはずだ。それは覚悟のうえ。
 開演は午後1時半。入場無料。開演時には空席も多かったけれど,開演30分後にはほぼ満席の状態になった。要するに,開演後にやってきたお客さんが少なくなかった。田舎時間ってのがあるからね。

● 鹿沼ジュニアフィルハーモニーオーケストラと鹿沼市にある潮あかりミュージカルアカデミーの合作。内容は2部編成で,第1部は潮あかりミュージカルアカデミーがメインとなって,歌とダンス。
 第2部は,ジュニアフィルが奏でるチャイコフスキー「くるみ割り人形」に,ミュージカルアカデミーの生徒たちが踊りを添える。

● まずは,小編成のオーケストラをバックに「サウンド・オブ・ミュージック」からいくつかを歌とダンスで。
 2歳くらいの女の子が人気をさらいましたね。ほかの子と同じように右を向いたり左を向いたり,手をあげたりしゃがんだりできてたのでね。タイミングも合ってたし。ちょっと以上の驚き。やるもんだね。

● オーケストラが撤収したあとは,ダンスの披露。音楽は録音で。
 ラインがラインとして成立していると,これほどに快く感じるのかという発見。ラインの展開幅も充分にあって,動きもシャープ。ここまでやってくれれば,理屈抜きで楽しめる

● 「あづみれいか」さんと「潮あかり」さんによる宝塚的というか,宝塚そのものの歌の世界。あづみさんが男役,潮さんが娘役。女性が演じる宝塚的男性のファンタジーとリアル。
 女がきれいだと思う男って,こういうのなんだろうなぁと思わせる。本物の宝塚の舞台は,大道具も照明もとんでもなく華やかで,もっとずっとファンタジックになるのだろう。これは完全に女の世界だね。

● 女の人は年齢を問わず,こういう世界にすっと入っていけるんだと思う。男はどうかといえば,ちょっと手間取るだろう。ぼくのように長く生きてしまった男は,いっそうそうだ。
 逆にいえば,手間取るけれども入っては行けそうだ。で,いったん入ってしまうと,手間取った分,はまる度合いが深くなるかもしれない。はまってみたくもあり,はまってしまうと相当に厄介なことになりそうでもあり。

● 宝塚については,田辺聖子さんのいくつかのエッセイを通じて得た知識がぼくのすべてだ。妙な言い方で申しわけないけれど,女性を相手に結婚詐欺を企もうとしている男性諸氏にとっては,宝塚歌劇は勉強の宝庫のはずだ。
 もっとも,結婚詐欺についていえば,最近は逆パターンが多いらしいから,騙されないための勉強をするのが先かもしれないけどね。

● 20分間の休憩ののちに,第2部。今度はフルオーケストラ。
 プログラムで「私たちは子供のオーケストラです。しかし,「子供なのにここまでやれた」ということは目標にしません。楽器を持ちステージに立ったら,一人の演奏家として本物の演奏をめざしています」と決意を語っている。
 当然,そうでなければいけない。おそらく,どこのジュニアオケでもそうした思いで楽器と音楽に向き合っているのだろう。
 子どもは小さな大人という言われ方もする。曲の解釈にしたって,その年齢に応じていくらでも考えられるはずで,それも含めて,自分を信じて演奏するがいい。
 って,何を偉そうに語ってんだ,オレ。
 実際に巧かったのでね。上の決意表明が一定の説得力を持つ。

● そこにミュージカルアカデミーの生徒たちのダンスが加わる。ポワントで立つことはないわけだけど,「花のワルツ」での優美な踊り,やっぱいいもんだなぁ,と。
 日常で女性のこんな優美さに接することはない。あくまでも創られた優美さだ。鍛錬を重ねたうえでの,人工的な,限定された状況下での優美さなんだけどさ。
 でも,創りこまれている分,力を持つ。輝きを放つ。リアリティを獲得する。

● というわけで,クリスマスイブの(昼間だったけど)華やかな2時間半。これで無料。こちらはサンタクロースから思わぬプレゼントをもらったような気分だった。
 それと,いつもながらの感想なんだけど,ミュージカルアカデミーの生徒は全員が女性だし,ジュニアフィルも女子が圧倒的に多い。客席もおそらく女性が3分の2以上を占めていた。女性の女性による女性のための・・・・・・って感じね。
 男はどこで何をしているんだろう。家でプラモデルでも作っているのか。

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