約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2012年12月3日月曜日
2012.12.02 宇都宮フルートオーケストラ第1回定期演奏会
宇都宮市立南図書館サザンクロスホール
● 会場の宇都宮市立南図書館は最近できた施設。宇都宮工業高校の移転にあわせて整備された。初めて訪れたんだけど,これがまぁ立派で驚いた。四周を回廊が囲んでいる。駐車場も広い。入口は北と南,東の3カ所にある。ロビーも広々としてて,会議室や研修室のほか,乳幼児の遊び場と,こぶりながらレストランまである。弁当が390円だったりする。
サザンクロスホールも間に合わせに設えたものではなく,収容人員400名のちゃんとしたホールだった。もちろん多目的ホールだけれども,まず文句のないところでしょう。
図書館と名乗るよりは文化センターとでもした方が実態に合いますね。県立図書館よりずっと立派。
● 最寄駅(雀宮駅)から徒歩5分というのもいい。その雀宮駅も橋上駅に変わっていた。
雀宮の宿は駅の西側。南図書館は東側にある。東側は一段低い土地で住むには適さないけれども(もともとは田んぼだったはず),この施設ができたために東西をつなぐ必要が生じた。エスカレーターが設置されたりして,いやまぁ見違える駅になってたんですね。
● さて,宇都宮フルートオーケストラの1回目の演奏会。開演は午後2時。入場無料。
2部構成で,第1部は何人かのグループで,第2部は全員で演奏。
第1部で印象に残ったのは,3番目の「ソナタニ長調」。ジャン・バティスト・ルイエが作曲したもの。って,これはプログラムから転記しているわけで,こういう作曲家がいたこと自体,今回初めて知った。1,4,3楽章を演奏したということだった。
で,この演奏がなぜ印象に残ったかといえば,曲に惹かれたからだ。ひょっとすると,主催者が聴かせたいのは曲ではなくて音なのかもしれない。音の響き,アンサンブルの精妙さ。そういうところを聴いてほしかったのかもしれない。
のだが。ぼくの耳が音に照準を合わせられるほどには発達していないんですね。曲に惹かれてしまう。
● 第2部は賛助出演者も含めて,総勢18人がステージに立った。初めてお目にかかるバスフルートもあって(っていうか,楽器の説明をしてほしかったぞ。こんなフルートもあるのかと思った人は大勢いたはず。曲の解説はプログラムに語らせてもいいから,楽器の説明は肉声で聞きたかったような),低音にもきちんと対応する。低音部のないオーケストラって,車輪のない自動車のようなものだもんな。
最後に演奏したレスピーギの「古風な舞曲とアリア」の第3組曲が印象的。これも先ほどと同じ理由によるんだけど,聴かせどころが色々あって,演奏する方にしても吹きがいがあるんじゃなかろうか,とはフルートをまったく知らないド素人の勝手な感想。
● オーケストラのワンパートとしてのフルートは何度も聴いているし,ソロリサイタルのフルートも不知ではない。が,たくさんのフルートが集合して,フルートだけでアンサンブルを奏でるとこうなるのかってのは,今回初めて知った。
奏者として演奏したい曲と客席が聴きたがる曲が一致することは,どうもあまりなさそうだ。フルートオーケストラのために作曲された曲もあるのだろうし,そうじゃないのをフルート用にアレンジした曲もあるのだろう。そこをどう選択してプログラムを組み立てていくか。悩ましいけれども楽しい作業なのかもしれないなぁ。
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