約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2012年12月15日土曜日
2012.12.15 宇都宮大学管弦楽団第74回定期演奏会
宇都宮市文化会館大ホール
● 幸いにして天気が良かった。前回の演奏会は雨だったからね。今回は2階席は空席が目立ったものの,1階席は前の方を除くとほぼ埋まっていた。
開演は午後2時。チケットは800円なんだけれども,ぼくは招待ハガキ組なので無料。空いている方の2階席に座って鑑賞した。
● 指揮は清水宏之さん。若々しい人だ。プログラムの「指揮者紹介」によれば,15歳で渡米してるんですな。よく思いきれたものだなぁ。自分にはとてもできないことをやっている人は,それだけでたいしたものだと思ってしまう。
曲目は,ベートーヴェンの「エグモント」序曲,ビゼーの「カルメン」第1・2組曲(抜粋),チャイコフスキーの交響曲第2番「小ロシア」。
● 「エグモント」序曲から引きこまれた。ベートーヴェンを聴いているんだなぁと実感できた。そこを具体的に言ってみろよと言われると困るんだけど,重厚さですかねぇ(ぜんぜん具体的じゃないけど)。観客をピッとステージに引き寄せる吸引力のある演奏だと思いました。
● 「カルメン」は,オーボエ,フルート,クラリネット,ファゴット,トランペットのソロ,あるいは互いの掛けあいが,見どころというか聴きどころ。それぞれ見事で,まったく不満はなし。前回と同様,ぼくは男子学生のフルートに魅せられた。
この楽団はたぶん女子学生でもっていると思われるんだけど,フルートとトランペットの男子が気を吐いていたっていいますかね。
● チャイコフスキーの2番は初めて聴く曲。
冒頭のホルンのソロが印象的(こちらは女子学生)。ホルンって,きちんと演奏しててもほめられることが最も少ないっていうか,貶されることが最も多いっていうか,割に合わないパートなんじゃないですかねぇ。まっとうに吹いていても音程を外していると思われがちな楽器っていうか。要するに,取扱いがかなり難しい楽器かなと思えるんですよ。
今回の女子学生のソロはなめらかで艶やかで,気持ちよく聴くことができた。ということは,相当以上に巧かったってことなのかなぁ。
● アンコールはチャイコフスキーの「眠れる森の美女」のワルツ。
ということで,2時間弱の演奏会。嬉しい時間だった。
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