2013年11月3日日曜日

2013.11.03 東京フィルハーモニー交響楽団演奏会 vol.4

宇都宮市文化会館 大ホール

● 宇都宮で年1回開催されている東京フィルハーモニー交響楽団演奏会の,今年は4回目。前回に続いて,今回もオール・チャイコフスキー。スラブ行進曲,ピアノ協奏曲第1番,交響曲第5番。
 開演は午後3時半。指揮も前回と同じ大井剛史さん。チケットはS,A,B,Cで,ぼくはB席。2,000円。

● このホールでは2階の右翼席に座ることが多い。そこがお気に入り。今回はその席を取った。そしたらそこはB席だったということ。
 ということは,ぼくはずっとBに分類される席を好んできたのだねぇ。そんなことはどうでもいいんだけど,ともかくお気に入りの席が2,000円。それで東京フィルの演奏を聴けるって,何だか得した感じ。
 早めに買えば以後もこの席を取れると思うんで,当然,そうさせていただこうと思ってる。

● まず,スラブ行進曲。スラブというかロシア讃歌ってことになるんでしょうね。
 ところでさ,太平洋戦争の末期から戦後にかけて,当時のソ連が日本人に対して行った仕打ちはちょっと度が過ぎてるよね。捕虜のシベリア抑留が代表的だけれども,それ以外にもあるぞ。『もういちど読む山川日本近代史』で著者の鳥海靖さんがさりげなく書きこんでいるんだけど,それを読んだら,モスクワに原爆を落としてやりたくなったぞ。
 まぁね,日本軍だって朝鮮半島や中国大陸では,人が人に対してやっちゃいけないことをいろいろとやってるんだから,それが戦争というものだよと言われれば,ああそうですかと言って,引きさがるしかないんですけどね。
 さらに,そんなこととチャイコフスキーの音楽との間に,何の関係があるのかといえば,まったく何も関係はないわけですけどね。

● ピアノ協奏曲のソリストは仲道郁代さん。日本を代表するビッグネームで,知名度も抜群。彼女のピアノを聴きにきたというお客さんも多かったんじゃないかと思う。終演後の拍手も凄かった。アイドル状態。
 彼女のピアノは過去に二度聴いたことがあるんだけど,オーケストラとの共演は初めて聴く。
 あふれるほどの才能をまとった人の,熟練の技というべきなんでしょうね。メリハリがきいて躍動感もあるしね。

● 交響曲5番。前回は4番で次回は6番「悲愴」。後期交響曲を順番にということですな。
 演奏はもうお任せしましたよってことですねぇ。楽しませていただきますよ,よろしくね,っていう。

● 三枝成彰さんが『クラシック再入門 名曲の履歴書』でお書きになっているように,チャイコフスキーって「人間の感情に訴えかけるキャッチーなメロディで,グイグイと快感のツボを押し,ここぞという時には,全楽器で同じメロディを奏すユニゾン(斉奏)で大胆に盛り上げる」。三枝さんはこれを「あざとさ」と言われる。
 わかっていても,「聴いているうちにぐいぐい引き込まれ,ついつい気持ちよくなってしまうのだ。まるでお涙頂戴の芝居を観て,不覚にも涙を流してしまうかのように」。ほんと,そのとおり。さすがにプロは上手いこと書くなぁ。

● 1stヴァイオリンの2番奏者に注目。彼女の弾き方になぜだか惹かれた。彼女の音だけを抽出しようと試みたんだけど,さすがにプロのオーケストラはそれを許してくれなかった。
 パート全体でひとつの音なんですな。ぼくの耳では分割不可能だった。

● アンコールは「弦楽セレナーデ」から第2楽章「ワルツ」。
 次回(来年の今日)も大井さんの指揮でオール・チャイコフスキーになるらしい。ソリストには宮田大さんが来るらしいから,曲目のひとつは「ロココの主題による変奏曲」になるのだろう。

● ぼくの前に小さな子ども二人を含む家族連れが座った。子どもたち,最後までおとなしく聴いていた。偉いなぁ。ほんとに偉いと思うな,こういうの。
 両親とお出かけできるだけで嬉しいんだろうかね。大人の世界に紛れ込んだのが新鮮だったのか。どっちにしてもたいしたものだと思った。

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