宇都宮市立南図書館 サザンクロスホール
● バッハのフランス組曲を2回に分けて演奏。その2回目。開演は午後6時半。
今回は,2番,4番,6番。それと,クープランのクラヴサン曲集第3巻第14組曲から,第6曲「ジュリエ」を除く7曲を。
● 前回と違ったのは会場の階段席を封鎖していたこと。チェンバロの周りにパイプ椅子を並べて,観客を座らせた。約百人ほど。奏者と観客との間は完全フラット。
ぼくも前回よりだいぶ近い位置で聴くことになった。
● 前回以降,チェンバロ演奏のCD(すべて曽根麻矢子さんのもの)をけっこう聴いたつもり。でも,「何を聴いても同じように聞こえてしまう」状況を脱することができないまま,今回の演奏会を迎えることになった。
じつにどうも,冴えない話なんだけど,この点に関してはやや諦めの境地にさしかかっている。
ゴルトベルク変奏曲にしても,チェンバロよりピアノで聴いた方がしっくり来るっていうか,落ち着きがいいっていうか。
● この程度で聴いているわけだから,申しわけない。ただ,この演奏会に集まった約百人のお客さんも,みんながみんな気を入れて聴く人たちだったかというと,そうでもなくて,近くにいたお婆さんなんか,途中でらくらくホンを取りだしてメールを見始まっちゃった。無理しないで帰ればいいのにと思うんだけどね。
後半はけっこうダレていた。客席の話ね。チェンバロを2時間聴くのはなかなか骨っぽかったらしい。らしいって他人事のように言ってるけど,ぼくも同じ。
● 今回は演奏の合間の語りがなかった。基本,その方がいいと思う。けれども,空間を狭くして観客と奏者の距離を縮めたのであれば,途中で語りを入れて,空気を入れ換えた方がよかったかもしれない。
● ともかく。チェンバロでお腹がいっぱいになった感じ。
● 以下,余談。
演奏会終了後はまっすぐ帰宅するのが慣わしだけれども,この日は雀宮駅前にある居酒屋で酒を飲むことにした。名前は前から聞いていたんだけど,入ってみる機会がなかなかなかったので。
金曜の夜のこととて,店内は満席。カウンターに席を取れたのは幸いだった。
● 昭和が充満している感じ。ぼくなんか,この方が落ち着く。昭和と違うのは,煙草を喫う人がほとんどいないこと。
喫茶店は空いてる方がありがたいけれど,居酒屋は混んでる方が居心地がいい。これだけ活気があると,それに乗ってグイグイ行けそうな気分になる。
● いくつか注文した肴は,どれも大量。一人だったら二品がいいところ。驚いたのがポテトフライ。輪切りにしたジャガイモがたぶん一個分。並の大きさじゃないジャガイモだな。少々塩をたして喰うと,これが旨いのなんの。
結局,白ワインをボトル1本空けてしまった。
● 居酒屋グルメを堪能したな。B級グルメってやつだね。気のおけないB級の方が,多少とも緊張しなきゃいけないA級より,ずっといいやね。
愚かな金持ちはA級に走り,賢い庶民はB級を愛する。そう考えておくと,精神衛生にもいいな。
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