那須野が原ハーモニーホール 大ホール
● 開演は午後1時。最初の30分は式典。これが終わってから入ればいいかなとも考えた。
のだけれども,最初から付き合うことにして,1時前に着席。チケットは1,500円。
● 式典は耐え難い退屈に耐える訓練の時間だ。ところが。タブレットやスマホでゲームに興じている人がけっこういた。
こらっ,訓練にちゃんと参加せんかいっ。賢いなぁとも思うけど。
● 本番が始まって,まずパイプオルガン。奏者はジャン=フィリップ・メルカールト氏。このホールの専属オルガニストでもあるようだ。
曲目は次のとおり。
フォーレ:ラシーヌの賛歌
ドゥールズ:4つの俳句によるエヴォカシオン
● 「ラシーヌの賛歌」は那須野が原少年少女合唱団が加わる。というか,こちらが主役。
「4つの俳句によるエヴォカシオン」はメルカールト氏の委嘱を受けて,ドゥールズが2004年に作曲したとのこと。バリバリの現代曲だ。
「外国人が感じた日本の美しい俳句の世界をお楽しみください」というんだけれども,ぼくにはちょっと難しかった。オルガンはこういう音も出せるのかと驚くために聴いた感じ。
ちなみに,エヴォカシオンとは「神おろし,死霊の口寄せ」などを意味する言葉だったらしいんだけど,今は普通に「記憶,心象,情感」といった意味で使われているようだ。
● 最後が那須フィルハーモニー管弦楽団による「第九」。指揮は大井剛史さん。
大井さんが「第九」をどんなふうに振るのか。それを見るのが,じつは一番の楽しみだったりする。
ただし,指揮ぶりが自分にわかるとも思えない。大井さんの指揮はパフォーマンスとしてもきれいで,基本,そんなところにとどまる見方になるんだけど。
● その大井さんが渾身の指揮で管弦楽に鞭を入れ,オケも懸命に食らいついていこうという図式。一生懸命さははっきりと伝わってきた。
惜しむらくは第1楽章の出だしの部分。やや,生硬さが目立ってしまったか。
● ソリスト陣が素晴らしかった。これはもう,何事が起こったのかと思うくらい。
ソプラノが大貫裕子,メゾ・ソプラノが三宮美穂,テノールが高田正人,バリトンが初鹿野剛の皆さん。
特に高田さんのテノールが今も耳に残っているんだけど,4人が4人とも存在感ありまくりの図。
● 合唱にも文句なし。気になるのは平均年齢の高さだけだ。
だけど,このあたりはぼくは妙に楽観視していて,さほど心配は要らないように思う。理由はと訊かれても,カクカクシカジカコーユーワケデって答えることはできないんだけど。
でも,たぶん,心配要らないと思うよ。呼吸と同じで,吐きだせば入ってくるんだよ。
聴きにきてくださってありがとうございました!
返信削除アマチュアなので多少(多々?)の難はあると思いますが、皆なんとかあわせようと毎週の練習時に食らいついています。
那須フィルは年々エキストラが減ってきており、本当の那須フィルの実力をお届けできるようになってきたなあと思います。
今後ともご支援ご批評をよろしくお願いいたします。
いえ,偉そうに語ってしまってて申しわけないです。
削除語るのは誰でもできますが,演奏は誰にもできるというわけじゃありません。
次回が楽しみです。
栃木市に住むミッドナイトムーンと申します。この演奏会とパイプオルガンコンサート私も行きました。「エヴォカシオン」は演奏前解説では「呼び起こす」との説明がありました。
返信削除そうでしたか。
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