鹿沼市民文化センター 大ホール
● 3年前に続いて2回めの拝聴。開演は午後2時。チケットは1,000円。当日券を購入。
● 登場する団体は,鹿沼市立西中学校管弦楽部,東中学校オーケストラ部,鹿沼高校音楽部管弦楽団,鹿沼ジュニアフィルハーモニーオーケストラ,鹿沼フィルハーモニー管弦楽団の5つ。それぞれが演奏したあとに,大編成の合同演奏がある。
鹿沼ジュニアフィルは,西中,東中,鹿沼高校のメンバーが主要な構成員だろうから,中学生,高校生の中には出ずっぱりに近い人がいるだろう。
● 鹿沼のような地方の小都市でこういう催しができるのは,西中と東中に管弦楽の部活があるからだ。どういうわけで,この両校に管弦楽部ができたのかは知らないけれど,できたことよりも,それが現在まで継続していることがすごい。
鹿沼にもともとそうした風土があったとは考えにくい。起爆剤になった人がいて,いくつかの偶然が重なって現在に至っているに違いないのだけれども,いったん軌道ができれば,諸々のストックが溜まっていく。おそらくそれは,鹿沼市の無形財産のひとつになっているのだろうと想像してみる(なかなかそういう綺麗事ではすまないのだろうけどね)。
● まずは西中学校管弦楽部。ヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」序曲。
中学生をなめてはいけないということ。クラシック音楽を代表する楽曲をここまで形にできるのだ。楽器を始めて間もない生徒が多いと思えた。それでも,ここまではできるのだ。
これ以上はできないというラインははるか上にある。したがって,まだまだ上達できる。
東中の益子先生が指揮をしていたのだが,ひょっとして彼は西中に異動になったんだろうか。
● 鹿沼高校音楽部管弦楽団。「アルルの女」第2組曲から2曲。“ファランドール”は音が割れないだけでもたいしたものだと,ぼくなんぞは思ってしまう。ミスるまいと守りに入らず,向かっていってるのが素晴らしい。
実力は相当なもので,大人の演奏に近い。基本,オーケストラは大人が演奏するものだと思う。作曲家の意図を汲むとか,作曲された当時の時代背景を考えるとか,その他いわゆる解釈と呼ばれる細かい作業は,大人の領分に属するものかと思っている。
が,できあがる演奏は少年少女が大人を超えることがある。艶っぽさというのか色気というのか,ゾクッとするなまめかしさが載っていることがある。
● 東中学校オーケストラ部。ストラヴィンスキー「火の鳥」から“魔王カスチェイの凶悪な踊り”と“終局”。
東中は例年,「火の鳥」を取りあげている。中学生がストラヴィンスキーをやるというのもなかなかねぇ。とんでもない難物だと思うのだが。その難物をここまで仕上げてくるのには,いつもながら驚かされる。
● 鹿沼ジュニアフィルハーモニーオーケストラ。6月の定演で演奏したサン=サーンスの第3番の後半部を。
最初からやる場合と,こういうふうに途中から入る場合とでは,気持ちの持って行き方に違いがあるんだろうかね。案外,そうでもないものなんだろうか。
● 鹿沼フィルハーモニー管弦楽団。ブラームスの4番の第1楽章。
ブラームスの作品はどれもそうだと思うんだけど,密度がすごいというかねぇ。ギュッと中身が詰まっているというか。
第1楽章だけで4つの楽章分の質量がある。これを聴いただけでグッタリと疲れてしまった。
● 休憩後,合同演奏。ボロディン「ダッタン人の踊り」とチャイコフスキーの第5番第4楽章。
アンコールは「ラデツキー行進曲」。3年前も同じだった記憶があるのだが,違っているかもしれない。
● 昨年は8月に開催される,鹿沼高校,西中,東中の定期演奏会をすべて聴くことができた。が,今年はどうやら無理っぽい(聴けるといいのだが)。
ので,抜粋ながらまとめて聴ける今日の機会を逸したくなかったっていうかね。帰りは,鹿沼駅に着く前に夕立に遇ってしまって,あまりありがたくない体験をすることになったんだけど。
ブログを偶然見つけました。高校同期生の舩山さんかな?読んでいると、なんだか会場に足を運んでみたくなりますね。
返信削除ありがとうございます。ぜひ,会場にお運びください。
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