2019年4月28日日曜日

2019.04.27 オーケストラーダ 第16回演奏会

第一生命ホール

● この楽団の演奏を聴くのは2回目。1度目はもう6年前になるんだが。
 会場に着いてまずすることは当日券の購入だ。入場無料ではなかったと思う。のだが,その当日券の売場がない。売場は別のところなのかと思って,行きつ戻りつしてしまった。
 結局,有料ではあるのだけれども,定額制ではなくて,あなたが妥当と思う金額を帰りに払ってくださいという方式なのだった。ただし,最低額は1,000円。

● 思いだした。前回もそうだったのだ。チラシにもチケットレスとあったはずだ。こういう独特なやり方は,こちらにも見落としが出やすいですな。
 が,手間暇かけてチケットを印刷するのも,何だか時代遅れという気はする。電車だって切符を買う必要がなくなっているんだし。
 この楽団のやり方が正解なのかもしれない。自由席であること(≒聴衆が座席数を超える可能性がないこと)が前提ではあるけれど。

● ま,そのまま進んでプログラムを受け取って着座。連休初日というと,やはり旅行に出かける人が多いんだろうか。前回よりも聴衆は少なかったと思う。
 前回の印象は,奏者の平均年齢が若かったことと演奏水準が高かったこと。しかし,6年前の話だ。メンバーが変わらなければ,平均年齢は6歳あがっているはずだ。
 実際にはそういうことはなく,今回も若い人が多かった。メンバーの入れ替えがないなんてあり得ない。それでも前回に比べると,平均年齢はやや上昇していたっぽい。

● 曲目は次のとおり。指揮は久保田昌一さん。
 ブラームス ハンガリー舞曲第3番,第10番
 ブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調
 シューマン 交響曲第4番 ニ短調(1841年版)
 加えて,アンコールはハンガリー舞曲の7番と5番だった。

● ブラームスの「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」を生で聴くのは,今回が初めてのような気がする。
 ソリストは平山慎一郎さん(ヴァイオリン)と寺田達郎さん(チェロ)。豪華なものだが,聴いている分には管弦楽の方が印象に残る。そういう曲なのだろう。
 ソリストのアンコールは,コダーイの二重奏曲(もちろん,一部)。

● ちなみに,この曲はCDでも聴いたことがない。お粗末極まる聴き手なのだ。ブラームスを交響曲の人と見るのはどうなんだろうと思わないでもないんだけど,交響曲のしかも4番しか聴かない。
 ところで,平山さん,遠目には将棋の木村一基九段に似てますなぁ。近くで見るとぜんぜん似てないんだけど。

● お粗末ついでに申しあげると,シューマンの4番に驚いた。驚いたというのは,吉田秀和さんが『世界の指揮者』で次のように書いているのだが,4番についてはこれはあてはまらないように思えたので。
 シューマンの指揮者は,いわば,どこかに故障があって,ほっておけばバランスが失われてしまう自転車にのって街を行くような,そういう危険をたえず意識し,そういう危険をたえず意識し,コントロールしなければならない。あるいは傾斜している船を,操縦して海を渡る航海士のようなものだといってもよいかもしれない。(新潮文庫版 p32)
● 堂々たる構成のように思えた。明らかに理性が勝っているし,バランスを度外視していることもないし,気配り目配りが行き届いている。
 この感想がなぜお粗末なのかというと,この曲を聴くのはこれが初めてではないからなんだよね。何度か聴いてるんだよね。今頃気づくなよ,と自分にツッコミを入れたくなるわけね。

● このようにして演奏会は終わった。連休初日にコンサートを企画して実行する変人たちと,それを聴きにいく変人たち。変人の度合いは,しかし,前者が圧倒的に高いだろう。
 仕事なり学業なりを本職として抱えている人たちがほとんどのはずだ。家庭を持っている人も当然いるはずで,子供をどこかに連れて行かなくていいのか。ダメだよ,この償いはしないとね。
 って,明日から休むのか。そうですか,それならいいや。家庭の平安を遠くから祈っていますよ。

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