市川市文化会館 大ホール
● JR総武線で江戸川を渡って,市川市にやってきた。千葉県といえば,舞浜のTDRにはひょっとすると延べ1年間ほども行っているかもしれないし,成田空港にも何度も行った。幕張にも数度,千葉市や木更津,鴨川,館山にも行ったことがある。
が,東京に隣接する市川市は通り過ぎたことしかない(ちなみに,船橋市も同じ)。今回,初めて本八幡駅を降り立った。錦糸町から220円で来れる。
● 本八幡に来たのは,市川交響楽団の定演(“交響楽の午後” という名前になっているが,要するに定期演奏会のことだろう)を聴くため。
コロナ禍の時期だが,中止や延期が続く演奏会の中にあって,ポツポツと催行するところが出てきている。ぼくも15日と昨日,生の演奏を聴く機会を得た。
が,いずれも室内楽的な小規模なものだった。それがオーケストラ演奏を開催するというのだから,行かない手はないな,と。
● 開演は午後2時。入場無料。曲目は次のとおり。当初の予定ではもう1曲あったようなのだが,時間を抑えるためだろう,この2曲になった。指揮は大勝秀也さん。
モーツァルト 「イドメネオ」のための5つの舞曲
シューマン 交響曲第2番
● しかし,通常の編成ではない。ステージでもソーシャルディスタンスを確保している。弦は1人で1プルト。しかし,少ないのは弦だけで,管は通常の人数だったようだ。シューマンは総勢で50名程度だったか。
普段ならあり得ない構成だけども,音の聴こえ方に何か違いがあったかというと,ぼくの耳では感知できなかった。弦の奏者にはけっこうなプレッシャーだったのかもしれないけれど。
● プログラム冊子の曲目解説には,「君たちのモーツァルトは歳をとりすぎている。10代前半のダンサーが躍動するように演奏してください」と指揮者から言われたというエピソードが紹介されている。
クスリと来るわけだけれども,10代前半のダンサーが躍動するような演奏とはどういうもので,どうやればそうした演奏になるのかは,わかったようでわからない。
もし可能であれば(可能じゃなかったろうけど),10代前半のダンサーが躍動するような演奏というのを別の言葉に置き換えてもらえませんか,と指揮者に尋ねてみると面白かったろう。
● というわけで,今日の本番がそういう演奏になっていたかどうかは,ぼくにわかるはずもないのだけれど,技量は相当なものだし,こういう時期だから合奏練習もままならなかったろうと思われるところ,こんなものでいいか的な妥協はしなかったようだ。かなりのところまで仕上げて客席に差し出している。
いや,恐れ入りました。人口稠密地帯の市民オケはかくもあるかという印象でした。
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