ティアラこうとう 大ホール
とはいっても,東京においてはよりどりみどりで好きなのを選べるのが普通だが,現状ではそこまでは回復していない。あればラッキーというところにとどまっている。
● で,今日はサンフォニア・ドラマティークの演奏会を聴けるというわけなのだ。コロナが収束したとはいえないこの時期に開催してくれること自体が,かなりの程度にありがたい。
聴く側は何の負担もしていない。開催する側の負担に全面的に拠っている。おんぶに抱っことはこのことだ。
● 開演は午後2時。入場無料。
楽団のサイトによれば,この楽団は「音楽監督である佐藤雄一氏の音楽に共感し,さらにその表現の幅を拡げ,伝える事を目標に集ったアマチュア・オーケストラ」であるのだが,8回目にして初の拝聴となる。
指揮はしたがって佐藤雄一さん。今回の曲目は,シューベルトの交響曲第8番と第7番。演奏の順番もこのとおりで,「ザ・グレート」を演奏してから「未完成」。
● オール・ベートーヴェンとかオール・ブラームスのプログラムはさほどに珍しくないと思うが,オール・シューベルトというのは,ぼくが聴く中では今回が初めてだ。
ちなみに,次回はショスタコーヴィチの交響曲を2つ演奏する。こうした偏りはアマオケのみに許された求道(?)の方法かもしれないが,多くの場合,偏りはそのまま魅力でもある。
● この楽団にはもうひとつ特徴があって,本番の演奏を録音していることだ。素人録音ではなく,三点吊りが作動していたのではないか。
過去の演奏会のCDやDVDの販売も。DVDというからには録画もしているわけか。自分たちの演奏を高品位で録音するのはやった方がいいに決まっている(と思う)。が,アマオケでそこまでやっているところはそんなに多くはない。わかっていても,なかなかやりきれないものだろう。この楽団はやっている。
● 「ザ・グレート」を一瞬の緩みもなく演奏しきれるオケって何だか凄いね。非常に明瞭で,曖昧さを残さない。曖昧さなんて残したら負けだ,と思っているがごとくだ。力があることの証明でしょう。
聴いてるこちら側は何度も集中を欠いてしまった。まことに相すまぬことである。
● こうして今まで聴く機会のなかった楽団の演奏会を聴けているのも,コロナのお陰だといえば言える。追うべき楽団が増えるのは,ラッキーでもあるのだが,債務が増えたような気分でもある。
追える範囲で追っていけばいい。このあたりは軽く考えておこう。軽く考えておくって,けっこう大事なことでもあると思うので。渡世術のかなり上位に来る心得かもしれないよ。
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