2025年5月25日日曜日

2025.05.25 学習院輔仁会音楽部管弦楽団 第64回定期演奏会

ミューザ川崎 シンフォニーホール

自治医大駅
● 宇都宮から上野東京ライン平塚行きに乗って,自治医大でいったん下車。「休日おでかけパス」を買って,11:02発の熱海行きに乗車。13時ちょい前に川崎着。
 なぜ川崎に来たのかというと,ミューザで学習院輔仁会音楽部管弦楽団の定演を聴くため。

● 開演が13:15。けっこうギリギリ。昼の演奏会は14時開演が多いと思うのだが,45分早いとだいぶ違うな。
 入場料は1,000円。チケットは TEKET 対応で,これが行くか行かないかを決める要因のひとつになる。少なくとも,ぼくの場合はそうだ。

● 地元開催の演奏会ならプレイガイドにチケットを買いに行く気にもなるが,首都圏開催の場合に,たとえば「ぴあ」でしか買えないような演奏会は,その時点で行く気が失せる。
 紙のチケットに対する思い入れもない。チケットはQRコードで充分だ。紙にこだわるから,わざわざコンビニに出向かなくてはいけなくなる。
 演奏を聴くために東京や川崎に出るのはいいけれど,紙のチケットを受取るために近くのコンビニに行かなければならないのは,鬱陶しいことこの上もない。チケットを買うのにそんな面倒を強いられる筋合いはない。

● この楽団に関しては思い入れがある。コロナ禍中の2021年に「第九」を演奏してくれたことだ。今から振り返っても,よくやれたものだと思う。
 他に例がなかったわけではない。が,アマチュアオーケストラであの時期に「第九」をやったところが他にあったかどうか,寡聞にしてぼくは知らない。

● 曲目は次のとおり。指揮は金山隆夫さん。
 ロッシーニ 「ウィリアム・テル」序曲
 チャイコフスキー バレエ組曲「眠れる森の美女」
 ラフマニノフ 交響曲第2番

● 特に弦は子供の頃から始めていた人が多いんだろうなと思えるんだけども,中には大学生になってから始めてここまでになったという人もいるんだろうか。それができるだけの伸びしろを秘めている年代だとは思うんだけど,どうなんだろう。
 管は中学で吹奏楽部に入部してってのがある。けど,弦は中高で部活でやったという人は少ないはず。
 彼ら彼女らが1日,1週間,1年のうち,どの程度の割合を楽器に充てているのかは知る由もないけれども,相当な時間を使っているんでしょうねぇ。そうではなく,部活でしか楽器には触っていないのだとしたら,大変な才能の持ち主ということになりそうだ。

● 「ウィリアム・テル」序曲での軽快なギャロップが心地よかった。が,ラフマニノフの2番の仕上がりが印象的。
 劇付随音楽ではないのかと思えるほどに奔放な曲調の変遷。ラフマニノフは作家でもって,彼の頭の中には明確にひとつの物語があったんだろうか。その物語を絵にしていくように,音楽で彩色していったんだろうか。

● 客席は高齢者が主力を占めるのが常。しかも,男性の高齢者が一人で来るのが増えた。10年ほど前からの傾向だ。昔は,女性ばかりだった印象なのだが,最近は決してそうではなくなっている。
 ぼくもその一人なのに,こういうことを言っては申しわけないのだが,これはさほどに喜べることではないと思っている。男性高齢者が集まるところには,若者や女性は寄って来ないからだ。

● が,今回のような大学オケの場合は,奏者の友人たちがたくさんしてたりするから,客席の平均年齢がだいぶ若返る。
 今日なんか,隣が二十歳くらいのお嬢さんなんですよ。いや,幸せでしたよ。彼女,あらかた寝てたけど,いいんですよ,そんなことは。

2025年5月19日月曜日

2025.05.18 宇都宮シンフォニーオーケストラ 第22回定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● 開演は14時。入場料は1,000円。当日券を買った。2階右翼席に着座。
 曲目は次のとおり。指揮はいつもの石川和紀さん。
 モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲
 ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調
 ブラームス 交響曲第4番 ホ短調
 
● ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」のソリストは佐山裕樹さん。新日フィルの若きチェロ首席。
 佐山さんの独奏でこの曲を聴くのは,今回が二度目。4年前の今月真岡市民交響楽団の定演で聴いている。

● そのときはどうだったか,詳しいことは忘れている。いや,聴いたことは憶えているが,聴いたことだけしか憶えていない。
 第1楽章が終わったところで拍手が起きた。拍手したくなるだろう,それが自然だろうと,ぼくも思った。
 オケも本気の熱演。ソリストに引っ張られるというよりは,ドヴォルザークの楽譜に引っ張られるんだろうか。

● ドヴォルザークは鉄道好きで,じつは機関車の音を音楽にしたのだと言う人がいる。たしかに言い得て妙なところがあって,「新世界」なんていたるところにそれがある。
 チェロ協奏曲も特に第3楽章にそれが多いような気がする。で,そういう気になると,曲中に機関車音を探してしまうことになる。まったく余計なことを教えてくれたものだ。

● 栃木県はチェリストを輩出する県だ。金子鈴太郎さん,玉川克さん,宮田大さん,そして佐山さん。
 ま,栃木県が輩出しているわけではなく,彼らはどこに生まれても,どこで育っても,チェリストになったと思うけど。選ばれた人たちだろうから。チェリスト以外の何になってもいけない,という人たちでしょ。

● ブラームスの4番はスィーティーなメロディーで始まるから,なるほどブラームスはメロディーメーカーなのだなぁと感心しているうちに終わってしまうのだが,もちろんスィーティーなだけの曲ではない。大変な質量がある。
 ということをわからせてくれる演奏で,仕事や家庭を抱えながら,こうした演奏活動を継続している貴方がたは大したものだ。

● 佐山さんもチェロの列に加わっていた。新日フィルの首席を賛助に迎えての演奏だったわけだ。
 アンコールは「ハンガリー舞曲」の6番。

● ひとつだけうっかりしたことがあって,開演前に宇都宮市民芸術祭(この宇都宮シンフォニーオーケストラの定演も,その一環とされている)の開会セレモニーがあったことだ。早めに行ったので,これに付き合うことになってしまった。去年の「第九」のときもそうだったな。
 あまり見たくもない顔がステージに並び,聞きたくもない挨拶を聞かされる。ぼくはウォークマンのイヤホンを耳に突っ込んで,スマホを見ながらやり過ごしたが,このセレモニーは必要なのかね。
 主催者の自己満足でしかないように思うが。いつまで昭和を引きずるうもりだ? 何よりいけないのは,開演の直前に,場の空気を思いっきり冷やしてしまうことだ。こちらは演奏を聴きに来ているのだ。

2025年5月14日水曜日

2025.05.11 課題曲演奏会 in 宇都宮

宇都宮市文化会館 大ホール

● 吹奏楽コンクールの課題曲をまとめて演奏しようという演奏会。今年の課題曲もあるし,過去の課題曲もある。
 聴きに来たのは,今年のコンクールに出場する吹奏楽部の中高生が多いのだろうが,ぼくのように聴くことを娯楽にしているロートルも多かったようだ。

● チケットは5日に開催された作新学院高校の演奏会で出張販売(?)していたので,そのときに買っておいた。
 入場時に半券を自分でもぎる。このやり方はコロナ禍で身体接触を避けるために始まった。コロナ禍が去ると元に戻ってしまったようなのだが,どう考えても入場者が自分でもぎる方が合理的だ。
 チケットの受渡しをしないのだから,入場に要する時間も短くできる。このやり方,定着してほしいと個人的には思っている。ちなみに,電子チケットは定着したようで,慶賀の至りだ。

● 一応,2部構成。ただし,休憩時間が短かった(15分間)こともあって,2部感はさほどしなかった。
 まずは,県南の中学生を中心とするメンバーの演奏。次の3曲。
 大島ミチル Rhapsody~Eclipse(2025)
 河野土洋 ブラジリアン・ポートレート(1998)
 後藤 洋 ステップ,スキップ,ノンストップ(順次進行によるカプリッチョ)(2025)

● 宇都宮文星女子高校と文星芸大附属高校を中心とするメンバーで次の2曲。
 伊藤士恩 マーチ「メモリーズ・リフレイン」(2025)
 岩井直溥 ポップス描写曲「メイン・ストリートで」(1976)

● さらに,宇都宮市立陽南中学校と宮の原中学校のメンバーで次の2曲。
 伊藤士恩 マーチ「メモリーズ・リフレイン」
 渡口公康 行進曲「勇気の旗を掲げて」(2024)

● 後藤洋さんがゲストに来ていて,中学生に直接指導。中学生がちゃんと喰らいついて行くんですね。確かに変わる。変わった後が前より良くなったのかどうかは,ぼくにはわからないが。いや,中学生を舐めてはいけない。
 こういう場面はその後もあった。聴きにきていた吹奏楽部の中高生にとっても,ワークショップのようなものだったでしょうかね。

● 最後に,社会人のシンフォニックウインドオーケストラ21が次の2曲。
 大島ミチル Rhapsody~Eclipse
 間宮芳生 マーチ「カタロニアの栄光」(1990)

● ここから第2部。まず登場したのは東海大学菅生高校。
 杉山義隆 祝い唄と踊り唄による幻想曲(2025)
 小長谷宗一 風と炎の踊り(1989)
 J.マッキー 吹奏楽のための交響曲「ワインダーク・シー」

● 杉山さんもゲストに来ていたので,作曲者が指揮をするという場面があった。
 が,そんなことよりも「ワインダーク・シー」が圧巻。何だ,これは,と思った。こういう演奏を高校生がするのか。
 ステージから圧縮された熱が放たれて,客席を覆う。身体がジーンとなる感じ。

● 次に地元の作新学院が登場し,次の2曲を演奏した。
 後藤 洋 ステップ,スキップ,ノンストップ(順次進行によるカプリッチョ)
 高橋宏樹 ストリート・パフォーマーズ・マーチ(2005)
 安心して聴ける演奏であるのは言うまでもない。何せ,演奏しているのが作新なのだ。たぶん,これが県内最高峰。

● 最後は埼玉栄高校。次の3曲を演奏。
 高橋宏樹 イギリス民謡による行進曲(2003)
 後藤 洋 ステップ,スキップ,ノンストップ(順次進行によるカプリッチョ)
 ワーグナー 歌劇「ローエングリン」より “エルザの大聖堂への行列”

● 「エルザの大聖堂への行列」はオオトリに相応しかった。うぅむ,としか言えない。
 31日に大宮ソニックで定演があるらしい。大宮まで行くか,行かざるか。


(追記)

● 埼玉栄高校吹奏楽部のサイトを見たら,昼夜2回公演なんですね。定期演奏会がね。
 一定以上の認知をすでに獲得しているわけだねぇ。作新もそうなのだが,吹奏楽をやりたいから栄に入学したという生徒たちなんでしょうね。

● 当日券,あるかなぁ。夜公演ならあるんかな。
 と言うのは,前売券はセブンチケットで買うしかなさそうなんだけど,セブンチケットにアクセスできなくなっているんですよ。パスワードが撥ねられてしまう。以前は買えてたんですけどね。

2025年5月7日水曜日

2025.05.06 アウローラ管弦楽団 第33回定期演奏会

ミューザ川崎 シンフォニーホール

● 開演は13時30分。曲目は次のとおり。指揮は米津俊広さん。
 グリエール 序曲「フェルガナの休日」
 イッポリトフ=イワノフ 組曲「イヴェリア」
 リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

● ロシアしか取り上げないこの楽団ならではのプログラムでしょ。「フェルガナの休日」も「イヴェリア」も,ぼくは音源を持っていない(ネットには転がっている)。
 フェルガナはウズベキスタンの東部,キルギスとタジキスタンの国境近くにある街らしい。キルギスとタジキスタンの国境には未画定区間があったようで,武力衝突も起こっている。昨年,一応,国境は画定したらしいのだが,これで安泰というほど楽観はできないのだろう。
 そのトバッチリをフェルガナも受けざるを得ない。昔は知らず,現在は地政学的に厄介なことになっているようだ。

● 「イヴェリア」は「コーカサスの風景」第2番とも言われるのだが,「コーカサスの風景」のCDは持っている。ただし,聴いたことはない。聴きたいと思った記憶もないから,何かと抱き合わせになってるのを入手したのだと思う。
 今日の演奏会で「イヴェリア」を聴いたことによって,「コーカサスの風景」も聴くことになるかな(ならないかな)。

● 以前は,聴いたことがない曲を生で聴く機会があると,音源を手当しなきゃと思ったものだ。が,最近では諦めムードだ。キリがないからだ。
 数多ある楽曲の中で自分が聴いたことのあるものなど,ほんのひと握りに過ぎない。永遠に生きられるならともかく,寿命の残りがリアルに感じられるお年頃になると,諦めるべきは諦めなきゃしょうがないと思うようになった。

● 女性奏者はカラフルなドレスをまとって登場。華やかで,文字どおり花が咲いたようになる。
 が,私はそんなのイヤだ,演奏するのにそんな恰好はしたくない,という人が一人くらいはいてもよさそうなものだ。ひょっとして,それを許さない同調圧力がこういうところでも効いてしまうのかと思ってたんですけどね。
 ちゃんといましたよ。黒の演奏服(?)の女性奏者が二人いた。

● 「シェエラザード」を取りあげるのは,今回が二度目になるそうだ。10年前の第10回定演で演奏している。
 そのときのアクシデントをコンミスが紹介している。直前に弓が折れてしまったこと。“号泣” したとあるのだが,弓が折れたことよりも号泣したことからの立て直しの方が大変だったのではないか。
 と,思うのは凡人の浅はかさのようで,ステージで待機している団員を待たせながら「舞台袖の鏡でマスカラが落ちていないか入念にチェックしていた」というのだから,相当な大者だ。それとも,女性はだいたいそんなものか。
 ちなみに,その演奏会はぼくも聴いたのだが,そんなアクシデントがあったことは,もちろん髪の毛一本ほども感じさせなかった。

● 演奏の水準は相当なもの。あまたあるアマチュアオーケストラの中でも,この楽団の水準は相当上位と思う。であればこそ,北関東の田んぼの村から川崎まで聴きに来ようとなるわけだ。
 ロシアを専ら取りあげるのは他にもあったと思うが,その代名詞的存在はこの楽団ということになる。

● こうした演奏を聴くというのは,単に耳で聴くにとどまらず,眼で観るものでもあるし,皮膚で感じる要素もある。
 “聴く” だけを取りあげても,CDで聴くのと生演奏を聴くのとでは,働く神経細胞と神経回路の数がかなり違ってくるように思うが,そこに眼や皮膚も加わるとなると,そもそもライヴとCDは並べるものではないのだろう。

● あとどのくらい自分の身体をホールに運んでいくことができるのか,と考えることがあるようになった。そういうお年頃。
 無理をすると他の観客に迷惑をかけることになる。これ以上は無理だと思う少し手前で退きたいと考えているが,願わくば,その時期が少しでも遅からんことを。

2025年5月6日火曜日

2025.05.05 作新学院高等学校吹奏楽部 フレッシュグリーンコンサート2025

宇都宮市文化会館 大ホール

● 連休中に行く演奏会の中でも,これがメインと勝手に位置づけている作新学院高校吹奏楽部のフレッシュグリーンコンサート。開演は14時だが,この演奏会はとにかく混む。席数以上にチケットを販売していることはないはずだが,空席を探すのに苦労したことはある。
 ので,開場時刻の13:15よりも前から行列に加わった。それでも,自分の定席と決めている2階右翼席の一番奥の席に座ることはできなかった。

● だいぶ早くに着座したわけだが,開演前のアンサンブル演奏があるので,時間をもてあますことはない。
 ちなみに,開演前の静かなホールの席に座って,ウォークマンで好きな曲を聴くのも,なかなか乙な体感になる。そのためだけにウォークマン(スマホでもいいが)を買うのもありだと思っている。

● 曲目は次のとおり。
 第1部。
 高橋宏樹 ストリート・パフォーマーズ・マーチ
 山田耕筰 この道
 後藤 洋 ステップ,スキップ,ノンストップ
 真島俊夫 吹奏楽のための音詩「漣の島」
 樽屋雅徳 マードックからの最後の手紙

 第2部。
 森田一浩編 ライオン・キング・メドレー
 C.ストラウス バンドとコーラスのためのTomorrow
 Ayase YOASOBIメドレー
 桑田佳祐 みんなのうた

● 「バンドとコーラスのためのTomorrow」では部員によるコーラス隊も入る。たとえば,オペラは総合芸術と言われるが,こういうのを聴いていると,吹奏楽も総合芸術にしやすい,少なくとも総合芸術と相性のいい形態なのだな,と思う。
 足し算がしやすい。第3部のドリルは典型的にそうだ。

● そのドリルが圧巻。圧巻も何も,こんなのは作新にしかできない。
 演奏技術の確かさがすべての基礎にあるのだろうが,それだけではない。ラインの取り方とその表現。立ち姿の見た目を保つ体幹の若さ。バトンやフラッグの取扱いの巧みさ。挙げだせばきりがない。

● 贅肉が付く前のしなやかな女子高校生の肢体自体が見どころになる。助平とかエロ爺とか言われるだろうけれども,絶対的にそれはある。大学生になってしまった後では,この表現はおそらく無理なのではないか。
 かと言って,大学生にしかできない表現もあるはずだから,大学生になってしまったからといって私はもう若くないと落胆するのは,まったく当たらない。今まで生きてきた中で只今現在が最高年齢だから,放っておくと容易に晩年意識に堕ちることになる。ご注意。

● このあと,事実上の第4部になる “野球応援ステージ” がある。
 加えて,今回は “石塚武男メモリアルバンド” による「76本のトロンボーン」「オブラディ・オブラダ」「ヘイ・ジュード」「オリーブの首飾り」の演奏があった。石塚武男とは何者? については,ぼくが語ることではない。
 たっぷり3時間の演奏会。この長丁場をダレ場を作らないでやりおおせるのだから,この吹奏楽団はただ者ではない。毎回感じることだが,今回も同じ印象を持った。

● この定演では過去の定演のCDや作新グッズを販売している。ガッツリ利益を上げて,活動の原資にしてもらいたいものだと思っているが,そうは言ってもなかなか協力するところまでには至らない。
 いつぞやの定演のときに,第54回定演の録音CDを買った。ウォークマンに入れて聴いているが,愛聴CDのひとつになっている。ただし,毎年のCDを買って聴き比べてみるというところまでは行かなくて,この1枚で満足しちゃってる。

● 音だけではなく,姿まで残しておくといいと思うが(特に第3部),仮にDVDがあったら買うかとなると・・・・・・。やはり1枚は買うと思うけど,毎年買うところまでは行かなそうだ。
 なのに,DVDも作ってください,とは言いにくい。主催者側はその必要性を感じていないのだろうし,費用の問題もあるしね。

● 今月の11日には「2025 吹奏楽コンクール課題曲演奏会 in 宇都宮」が,この会場で開催されることを,プログラム冊子と一緒に配られたチラシで知った。東海大学菅生高校と埼玉栄高校も登場する。
 実質的な事務局を作新学院が務めているのかもしれない。ロビーでチケットを販売していた。1枚,買っておいた。
 こういうのは自分から買いに行くと自動的に面倒が発生する。「ぴあ」を使おうものなら,手数料がかかるうえに日数も要する。売りに来てくれてるのを買えば,その種の手間が不要になる。

2025年5月5日月曜日

2025.05.04 第28回マーキュリーバンド定期演奏会

栃木県総合文化センター メインホール

● 黄金週間のまっただ中。JR宇都宮駅から大通りを歩くと,まるで縁日のようになっている。日本全国に共通する現象だろう。
 毎日がこうでは辟易するが,たまにだから大目に見よう。というか,こういうのが嫌なら,この時期だけは外に出なければいいだけの話だもんね。

● 市民吹奏楽団のマーキュリーバンドの定演。開演は14時。入場無料。プレコンサートあり。
 まず,ヤン・ヴァン・デル・ローストのコンテスト・マーチ「マーキュリー」から始まって(これは恒例になっている?),リードの「アルメニアン・ダンス」全曲。

● アルメニアン・ダンスをCDで聴く場合,佐渡裕&シエナ・ウインド・オーケストラという人が多いのじゃないかと思う。ぼくもその例に漏れないが,機材のせいか耳のせいか,何だか・・・・・・。
 やっぱ生で聴きたい。全曲を聴ける機会なので,競合する演奏会を押しのけて,この演奏会を選んだ。

● 演奏の巧拙は,基本,問わない。ぼくのような聴き手でも足切り線は設けているらしい。それに届かないと???と思うのだが,足切り線を超えていれば,超え幅に関係なく同じに聴こえてしまう程度の耳しか持っていないからだ。
 で,この楽団は,ぼくが勝手に引いた足切り線は余裕で超えている。

● 後半は時代劇メドレー,バズリ曲メドレー。客席へのサービス。
 時代劇は「必殺仕事人」であれ「暴れん坊将軍」であれ,映像を見てしまっている。どういう内容で,この音楽はこの場面で流れるものだ,と知ってしまっている。
 それがいいことなのかどうか。使用される状況から切り離して,音楽だけを味わうことは難しい。セットで付いてくるものが多すぎる。

● 後半の後半は「スター・ウォーズ」。演奏されたのは次の4曲。
 メイン・タイトル
 レイア姫のテーマ
 ヨーダのテーマ
 ジェダイへの階段〜フィナーレ
 アンコールで「帝国のマーチ」も。

● と知ってるように書いているが,映画は観たことがない。まったくない。映画は Amazon Prime で見られるだろうか。サブスクはアマプラにしか入っていないのでね。
 ただし,映画を観てしまう前に,まず音楽だけを聴いておきたい。2月の栃響の演奏会でも「スター・ウォーズ」組曲を聴いている。今ではJ.ウィリアムズの代表作になっているのだろうから。映画を観るのはその後の方がいいかな,と。

● アンコールはもう一曲。石川一宏・内藤慎也「ミラクルショット」。

2025年5月4日日曜日

2025.05.03 浦和フィルハーモニー管弦楽団 第74回定期演奏会

さいたま市文化センター 大ホール

● 昨日の嵐とは打って変わった夏日。宇都宮発11:19の上野東京ライン平塚行きに乗った。南浦和に行こうとしてます。最寄駅からの運賃は1,690円です。
 田んぼの村から宇都宮までの電車は混んでいたが,こちらは普段と同じ。もっとも,宇都宮以北からの宇都宮行きは3両で,宇都宮以南に行くのは15両。

● いや,小山でだいぶ席がふさがった。いつもだと栗橋か久喜あたりまではガラガラが続くんで,GW中はお出かけする人が増えるというあたりまえの現象が展開されてますかね。
 が,子連れはあまりいないんですよね。

● ともかく,南浦和に着いた。この駅で武蔵野線に乗換える,京浜東北線に乗換える,
というのは何度かやったが,改札口を出るのは生涯初。

さいたま市文化センター
● 何ゆえ,南浦和に来たかというと,浦和フィルハーモニー管弦楽団の定演を聴くため。
 “浦和の第九 2025” と副題がつく。年末じゃなくても第九には特別感があって,聴けるものなら聴いておこうとなるじゃないですか。

● 開演は14時。指揮は佐藤寿一さん。第九なのにチケットは1,000円(当日券は1,500円)。TEKET で買っておいた。
 さいたま文化センターのホールは,宇都宮市文化会館と客席の構造が似ている。2階の左右両翼に空中席(?)がある。この空中席の奥(中央寄り)が好きで,自分の特等席だと思っている。
 前座に持ってきたのはロッシーニ「セビリアの理髪師」序曲。これを聴いて,第九への期待が膨らんだ。弦(特にヴァイオリン)は相当な技量の持ち主とお見受けした。

● その第九。合唱団とソリストは第3楽章の前に入場する,最も普通にあるスタイル。ここは演奏する側の都合もあるだろうから,客席からガタガタ言うことではないと思うのだが,可能ならば最初からスタンバっていてもらいたい。
 マーラーじゃあるまいし,第3楽章を始める前に5分以上空けろと,ベートーヴェンが指示しているわけではあるまい。ここでの長めの中断はテンションを下げる。
 奏者としてはここで小休憩が欲しいところなのかもしれないが。ひょっとすると,聴衆も。

● ソリストは西本真子さん(ソプラノ),牧野真由美さん(メゾソプラノ),村上公太さん(テノール),原田圭さん(バリトン)。
 合唱団はさいたま市合唱浦和の会。プログラム冊子に沿革の紹介がある。

● 第九の演奏が始まる前に,20代と覚しき男女の3人組がやって来て,ぼくの隣に着座した。スマホで自撮りを始めた。嫌な予感がした。
 演奏が始まってからも,スマホを客席に向ける。もちろん小声ではあるのだが,話をやめない。プログラム冊子をめくり,カサコソという音をたてる。あげくの果てに,演奏中にまた自撮りを始めた。

● こうなると,演奏を聴くどころではない。とまでは言わないにしても,集中はできなくなる。メンタルの消耗も始まる。これなら,家でCDを聴いてる方がずっといい。
 特に,第4楽章の “歓喜のテーマ” でヴィオラが演奏を始たところでお喋りを始められたときは,怒髪天を突く思いがした。ここは養豚所じゃないぞ,豚は来るな,と言ってやろうかと思ったよ。
 ここでのヴィオラは第九の中でも聴きどころのひとつと思っているからだ。これほど美しいヴィオラの音色をぼくは知らない。

● 高齢者のどうかと思われるふるまいには慣れているつもりだが,若者でこういうのにはまず出くわさないので,浦和には放し飼いの豚もいるのかと思ったことでしたよ。
 ただし,終演後に気がついたのだが,この豚君たち,日本人ではなかった。いたって気の良さそうな若者たちで,最初から知っていればメンタルの構えも違ったかもしれない。

● 第九の緩徐楽章は演奏が難しいんだろうか。ぼくは奏者側に回ったことがないので,聴いていても盲点だらけになっているはずだが,演奏を聴きながらそんなことを感じた。
 いや,くどくてすまぬが,豚さえいなければ。

2025年4月29日火曜日

2025.04.29 オトメ8×オクテット

小山市立文化センター 大ホール

● 宇都宮から小山に向かっている。この時間帯だと久喜あたりまではガラガラなのが常なのだが,GW中はそうではない。宇都宮から乗る人がけっこういる。
 お一人様の男性が多い。どこ行くの?

● 着いた先は小山市立文化センター。栃木県でも県北の純朴な民には,小山はスレっ枯らしの都市民が跋扈する別世界という気がしててね(→ 暴言多謝)。
 あまり行ってみたいところではないと言うかさ。通過するところであって,わざわざ降りてみるところじゃない,という何とはなしのイメージね。実際には何度も来てるんですけどね。

● 「オトメ8×オクテット」のメンデルスゾーン「八重奏曲」を聴くためにやって来た。“上保朋子の室内楽シリーズ Vol.9” という副題が付いている。
 今日は宇都宮の総合文化センターでも,藝大同声会栃木県支部の演奏会があった。さてどちらにするかと3秒ほど悩んだけれども,こちらにした。
 当日券で入場。開演は14時。生演奏を聴くのは1ヶ月ぶり。

● 曲目は次のとおり。
 モーツァルト アイネ・クライネ・ナハトムジーク
 ルクレール 2つのヴァイオリンのためのソナタ
 ハルヴォルセン ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏「パッサカリア」
 グリエール ヴァイオリンとチェロのための8の小品 より “ガヴォット” “スケルツォ”
 メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲

● 女性8人による弦楽八重奏。弦楽八重奏を生で聴くこと自体,ひょっとすると初めてかもしれない。記憶にない。
 出演者の8人は,栃木県に住んでいるとしばしば目にする人たちだ。全員が全員,栃木県ゆかりの人かどうかは知らないけれど。

● 今日はメンデルスゾーン「八重奏曲」は圧巻の熱量。これだけの演奏を地元で聴けるわけだ。
 最初にモーツァルトを聴かされていたので,いっそう熱を感じることになったのかもしれない。対比の妙というのはどうしたってある。
 そうして,自分はやっぱりモーツァルトが好きなんだな,と思ったんでした。たぶん,多くの人がそうだと思うんだけどね。

● いや,楽しい演奏会でしたよ。最後はバッハ「アリア」でクールダウンしてもらって,爽やかに帰宅しましたとさ。
 こういう演奏会は客席でかしこまって聴くよりも,ワイングラス片手にリラックスして聴くべきものかもしれない,とも思った。しかし,それをすると,食器や銀器の音がひっきりなしに聞こえてくることになる。許されませんな。

● どうしてもそれをしたければ,自宅でCDかストリーミング配信を聴きながら,となりますね。
 デジタル化によって,再生するための機材が少なくてすむようになった。再生コストが大きく下がった。
 音響メーカーにとっては死活問題だが,ユーザーにしてみればこんなありがたいことはない。こうしてクラシック音楽の視聴も大衆化して行く。大衆化を推し進めるのは市民革命やイデオロギーではなくて,技術革新だということね。

● オトメ問題については,主催者側も散々言われているのかも。広辞苑の “おとめ” の定義を大きく書き換えなければならないぞ,的なことをね。
 自虐も含むシャレということで,ひとつよろしく。

2025年3月31日月曜日

2025.03.31 東京ジュニアオーケストラソサエティ チャリティーコンサート 春の演奏会

国立オリンピック記念青少年総合センター 大ホール

● 東京へ。今日は月曜日で休日ではないので,「休日おでかけパス」は使えない。が,街には若い人たちがかなりいる。学生さんは春休みですからね。
 宇都宮発10:35の湘南新宿ライン快速 逗子行きに乗車。埼玉県に入るまでは,このガラガラのプラチナシートが続く。

● 新宿で山手線に乗り換えて,代々木で下車。代々木で降りるのは初めてだと思う。
 国立オリンピック記念青少年総合センターまで歩く。ここに来るのは初めてではないけれども,メトロ千代田線の代々木公園駅から歩いていた。
 ので,Google Map を使いながらも,少し道を間違えた。紙の地図があれば間違えずにすんだんじゃないかと思う。スマホで見るとどうも。

● 東京でも桜が咲き出している。いや,咲き出しているんじゃなくて,だいぶ咲いている。
 ぼくが住んでいる北関東の田んぼの村は,東京に比べればはっきり寒い。田んぼの村では,桜はまだだ。

● 開演は午後2時。チケットは2,000円。
 当日券で入場。平日昼の演奏(開演は14時)なんだから,よほどのことがない限り,当日券はある。

● 曲目は次のとおり。
 シベリウス カレリア組曲
 モーツァルト 交響曲第35番「ハフナー」
 ドヴォルザーク 交響曲第8番
 指揮は,前半が東響のクラリネット奏者の近藤千花子さん。この楽団の卒団生であるらしい。後半のドヴォルザークは市 寛也さん。N響のチェロ奏者。

● 東京ジュニアオーケストラソサエティの演奏は昨年夏に初めて拝聴して,レベルの高さに仰天した。しばらく,追っかけることに決めた。
 才能あふれる少年少女のサラブレッド集団。呆れるほど上手い。これが成立するのは東京だからでしょうね。

● けっこうな大編成で,カレリアやハフナーにははっきり人員過剰。が,そのデメリットが全く出て来ない。音が割れたりなんかしない。上手さが半端ない。驚く他はない。
 ホンチャンの前にプレコンサートもあった。これがまた素晴らしくてね。パガニーニ「ヴァイオリンとファゴットのための二重奏曲」なんて涙が出そうになった。

● 帰りは小田急の参宮橋駅から新宿へ。国立オリンピック青少年センターからは参宮橋駅でも中途半端に距離があるんだな。原宿まで歩いた方がよかったか。
 せっかく新宿に来たので,ちょっと歩いてみたんですけどね。インバウンドで賑わっているのを久しぶりに見た気がする。大量のインバウンドのせいか,歩行速度がすこぶる遅い。渋滞している。

● 往きは湘南新宿ラインを使ったけれども,復りは山手線で品川に出て,上野東京ラインの宇都宮行きに乗った。上野東京ラインが王道だと思ってるんですよ。
 あと,混雑度が上野東京ラインの方が少ない。渋谷,新宿,池袋を通る湘南新宿ラインは激混みなんですよねぇ。

2025年3月29日土曜日

2025.03.29 第14回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ

ミューザ川崎 シンフォニーホール

● 久しぶりに川崎に来た。たまには電車に乗って遠出するのもいいものだと思いました。このひと月,それができない状態が続いてたんだけども(まったくの私事です),峠を越えた感じです。
 川崎では桜が咲きだしてましたよ。今日は肌寒かったですけどね。

● 何しに川崎に来たかと言うと,これですね。音大フェスオーケストラの演奏会を聴くため。聴くでしょ,これは外せないでしょ。

● 開演は15時。曲目は武満徹「系図」とショスタコーヴィチの4番。指揮は沼尻竜典さん。
 ショスタコーヴィチを聴きながら思ったのは,彼もロシア音楽の系譜に連なる作曲家なのだなという当たり前のこと。

● もうひとつ,この曲の主成分は「雑味」であること。ベートーヴェンは短い旋律を高く積み上げて壮大な交響曲を作ったとしばしば言われるけれども,ショスタコーヴィチは丹念に雑味を積み上げて,雑味どころではない崇高さを目指したように思われる。
 それが彼の本意であったのかどうかはわからないが。

● 首都圏音大の選抜チームが,それを容赦のない熱演で表現してくれる。こんな演奏はプロでもできない(と思う)。奏者の彼ら彼女らにしても,今しかできないものじゃないですかね。
 あとね,ヴィオラ奏者の中に女優の尾野真千子似の美人がいてね。見とれちゃいましたよ。

● 歳を取って毎日が日曜日となったぼくには,あまり関係のないことではあるけれど,これで年度末から新年度に変わるのだなという少々の感慨もある。
 奏者の中にはすでに卒業式を終えた4年生もいると聞いたことがある。数日後には今までにない大きな環境の変化を味わうことになる人もいるのだろう。
 そうなる前の,学生としての最後の大イベントでもあったわけだ。

2025年2月16日日曜日

2025.02.16 In Tempo 室内楽演奏会

鹿沼市民情報センター マルチメディアホール

● 鹿沼市民情報センターで In Tempo の室内楽演奏会(In Tempo le solistes 室内楽演奏会 joyas de la Musica という名称になっている)。
 何気にありがたいのが,TEKET に対応していること。今でも紙のチケットにこだわる人はいるに違いない。記念に手帳に貼っておくとかね。

● が,ぼくは TEKET 支持派。チケットを買うのにどこぞのプレイガイドに出向かなければならないのは面倒だし,“ぴあ” に数百円のシステム使用料を払わなければいけないのはバカバカしい。
 電子チケットの方がありがたい。これはコロナ禍で一気に普及した。コロナ禍の恩寵だと思っている。

● というわけで,電子チケットで入場。開演は14時。
 曲目は次のとおり。
 シューベルト 弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調
 モーツァルト ガンツ・クライネ・ナハトムジーク
 ボロディン 弦楽六重奏曲 ニ短調
 ブラームス 弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調

● この弦楽奏団の演奏を聴くのは,これが三度目になる。音大を卒業したばかりの若いメンバーの演奏。
 若いというのはそれだけで価値がある,とロートルのぼくは思っている。それだけで座を明るくする。
 中高年が若ぶるのは滑稽と悲惨しか感じさせないが(中高年なりの魅力の発散の仕方があるだろう),正真正銘の若さはそれ自体が価値だ。
 演奏の途中で楽器に不具合が生じて,演奏をやり直すという局面があったのだが,若ければそれも愛嬌ですむ。

● 「ガンツ・クライネ・ナハトムジーク」は,昨年発見されたらしい。モーツァルトが10代前半に作曲したとされる。
 すでに音源も出版されているようだし,こういう時代だから三重奏版はネットで聴くこともできる。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の円熟には遠いけれども,これはたしかにモーツァルトじゃないかと,素人にも思わせる。

● 他にも,シューベルト,ボロディン,ブラームスという本格的な弦楽曲のプログラムで,こうした室内楽を地元で聴ける機会が増えた。交響曲や協奏曲に比べると,CDで聴くときとの落差は少ないかもしれないが,生で聴ける機会が地方ではそんなにない(そんなにないのであって,まったくないわけではない)。
 その機会を増やしてもらえるのはありがたいことだと思っている。

● あと,こうした室内楽は聴き手の技量を問うところもあると思っている。壮大なシンフォニーならどうにか取っ付きどころを見つけられても,室内楽はそれを許してくれない。
 アンタにこれが受けきれるかい? と逆に問われるような気分になることがある。聴き手の技量を磨ける機会も増えるということだ。

2025年2月11日火曜日

2025.02.11 東京大学音楽部管弦楽団 第110回定期演奏会

武蔵野市民文化会館 大ホール

● 三鷹に向かっているのだが。快速湘南新宿ライン逗子行きが,古河を過ぎたところで徐行運転。強風のためという。なるほど,畑から土ぼこりが舞いあがっている。
 こと時期の風物詩と言えば言える。もっと北ではもっと強い風が吹いているかもしれない。

● そんな中を東京まで出ていったのは,東大オケの定演があったからね。よほどのことがない限りは聴いておきたい楽団のひとつでしょ。
 開演は13時30分。チケットは2,000円。TEKET で購入。TEKET が普及してほんとに便利になった。ちょっと前までは,メールでのやり取りなんかをしてたんですよ。

● プログラムはオール・ロシア。何かと世界を騒がさているロシアだけれども,それはそれ,これはこれ。指揮は田代俊文さん。
 グラズノフ 祝典序曲
 プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」
 ラフマニノフ 交響曲第2番

● 生演奏がいいのはCDでは決して味わい得ない音量と音圧を感じることができることと,視覚情報があることだ。演奏している様をリアルタイムで見ることができること。
 その視覚を満足させるのに,この楽団の右に出るところはそうそうないのではないかと思っている。ピンと張りつめた緊張,過ぎない躍動,没頭している様。

● いずれも間然するところのない見事な演奏。結果を出してくる楽団だ。
 音大ではない一般大学の学生がここまでできることに驚く。何度も驚いているのだが,この驚きは何度味わっても新鮮だ。

● プログラム冊子も学術書かと見紛うほどに硬派なもの。これを読み通せる人がいるんだろうか。
 恥ずかしながら,ぼくは読み通せたことがない。脚注まであって,まるで論文を読んでいるような気分になる。

● にしても,今日は寒かった。風が強いから体温がどんどん奪われていく。
 三鷹駅構内の「いろり庵きらく」に避難して,天ぷらそば。590円。よくこの価格で抑えているとは思うんですけどね,この3年間でずいぶん高くなったねぇ。

2025年2月9日日曜日

2025.02.09 栃木県交響楽団 第116回定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● 栃響の定演。開演は14時。チケットは,当然,前売券を買っておいた。
 今回の曲目は次のとおり。
 ワーグナー 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
 J.ウィリムズ 「スター・ウォーズ」組曲
 ブラームス 交響曲第1番

● 指揮は三原明人さん。栃響との共演もだいぶ回を重ねている。指揮者にとってもオケにとっても,ずいぶんとやりやすくなっているのだろうと思う。
 ちなみに,次回はストラヴィンスキー「春の祭典」を三原さんの指揮で演奏する。コロナ禍でいったん保冷庫に入っていたもの。

● メインはブラームスの1番だし,楽しみにしていたのは「スター・ウォーズ」だった。
 が,実際に聴いてみたら「さまよえるオランダ人」が最も印象に残った。わりとありがちなこと。

● 指揮者の三原さんが発するエネルギーが迸る。ワークライフバランスなどと言っていてはこうはならない。音楽に憑かれた人という感じね。
 この世界にはそういう人がゴロゴロいるんでしょう。そうした個々の奏者の “献身” がこの世界を支えていると思うことはしばしばある。世界を支えようと意図してそうしているわけではないんだろうけど,結果として支えている。

● これだけの演奏をするのだから,録音して音源として残せばいいのにと思うのだが,CDがどれだけ売れないかは一応知っているのでね。正直なところ,自分でも買うかどうかわからない。
 ポップスやロックは知らず,クラシックのCDが売れなくなったのは,ストリーミングの普及より,CD自体が飽和状態になっているのが原因ですかねぇ。同一曲のCDを何枚も買い揃えて聴き比べる,という情熱の持ち主はそんなにいない(と思う)。皆さん(ぼくもそうだが),もっとライトな聴き方をしているでしょ。
 といっても,カラヤンのCDが売れまくっていた頃から似たような状態だったもんねぇ。やっぱ,インターネットが,ブツとして質量を持つCDを,ユーザーから遠ざけさせたんですかね。

● おそらく,次はライヴの飽和が現れる。少子高齢化で観客は減少するのに,ライヴは増える。目にはさやかに見えねども,というゆっくりした速度でそれが進行する。どの世界もそうだろうが,なかなかに明るい未来は描きにくい。
 未来などに視野に入れる必要がないほどに,現在に没頭しているのがステージ上の奏者たちなのだとも思える。

● にしても。今年の冬は寒すぎるし,こんなに寒いのに花粉がすごすぎる。
 けど,今日は寒さも和らいだ。あと,日が延びてますよね。春近しを感じさせもしますよ。

2025年1月6日月曜日

2025.01.06 間奏:東海大付属高輪台高校吹奏楽部の定演を聴けなかった件

● 用もないのにミューザを覗いてみた。ら。東海大付属高輪台高校吹奏楽部の定演が,今日と明日,ミューザで開催される。これは聴きたい。
 昨年だったか,宇都宮でこの高校の演奏を聴く機会があった。感嘆どころではない驚きだった。

● 今日が12:45,明日が17:45の開演。当日券があるなら,今からでも間に合う。
 が,これからツレと食事をすることになっている。最も近しい関係にある相手であっても,今からのドタキャンは人としてやってはいけない。先決優先は絶対原則と昭和原人は思っている。

● 明日は別の演奏会のチケットを買っている。こちらも先決優先原則を適用する他はない。昭和原人は不器用なのだ。
 というわけで,後ろ髪を引かれつつ諦めた(当日券があったかどうかわからないが → なかったようだ。事前に完売していたようだ)。

● 2日制なのは聴衆が多いからだろう。吹奏楽をやっている他校の生徒もかなり来るのじゃあるまいか。
 驚きなのは同じ曲目を2日やるのではなくて,全くの別内容であることだ。どうすればそんなことができるのか。プロなのか,君たちは。

● ところで。女子生徒のこの髪のまとめ方は,髪形まで制服の一部ということかい?
 夕方,川崎駅に向かうこの髪形の女子高生を何人も見かけたのだが,君たちだったのか。