なぜ川崎に来たのかというと,ミューザで学習院輔仁会音楽部管弦楽団の定演を聴くため。
● 開演が13:15。けっこうギリギリ。昼の演奏会は14時開演が多いと思うのだが,45分早いとだいぶ違うな。
入場料は1,000円。チケットは TEKET 対応で,これが行くか行かないかを決める要因のひとつになる。少なくとも,ぼくの場合はそうだ。
● 地元開催の演奏会ならプレイガイドにチケットを買いに行く気にもなるが,首都圏開催の場合に,たとえば「ぴあ」でしか買えないような演奏会は,その時点で行く気が失せる。
紙のチケットに対する思い入れもない。チケットはQRコードで充分だ。紙にこだわるから,わざわざコンビニに出向かなくてはいけなくなる。
演奏を聴くために東京や川崎に出るのはいいけれど,紙のチケットを受取るために近くのコンビニに行かなければならないのは,鬱陶しいことこの上もない。チケットを買うのにそんな面倒を強いられる筋合いはない。
● この楽団に関しては思い入れがある。コロナ禍中の2021年に「第九」を演奏してくれたことだ。今から振り返っても,よくやれたものだと思う。
他に例がなかったわけではない。が,アマチュアオーケストラであの時期に「第九」をやったところが他にあったかどうか,寡聞にしてぼくは知らない。
● 曲目は次のとおり。指揮は金山隆夫さん。
ロッシーニ 「ウィリアム・テル」序曲
チャイコフスキー バレエ組曲「眠れる森の美女」
ラフマニノフ 交響曲第2番
● 特に弦は子供の頃から始めていた人が多いんだろうなと思えるんだけども,中には大学生になってから始めてここまでになったという人もいるんだろうか。それができるだけの伸びしろを秘めている年代だとは思うんだけど,どうなんだろう。
管は中学で吹奏楽部に入部してってのがある。けど,弦は中高で部活でやったという人は少ないはず。
彼ら彼女らが1日,1週間,1年のうち,どの程度の割合を楽器に充てているのかは知る由もないけれども,相当な時間を使っているんでしょうねぇ。そうではなく,部活でしか楽器には触っていないのだとしたら,大変な才能の持ち主ということになりそうだ。
● 「ウィリアム・テル」序曲での軽快なギャロップが心地よかった。が,ラフマニノフの2番の仕上がりが印象的。
劇付随音楽ではないのかと思えるほどに奔放な曲調の変遷。ラフマニノフは作家でもって,彼の頭の中には明確にひとつの物語があったんだろうか。その物語を絵にしていくように,音楽で彩色していったんだろうか。
● 客席は高齢者が主力を占めるのが常。しかも,男性の高齢者が一人で来るのが増えた。10年ほど前からの傾向だ。昔は,女性ばかりだった印象なのだが,最近は決してそうではなくなっている。
ぼくもその一人なのに,こういうことを言っては申しわけないのだが,これはさほどに喜べることではないと思っている。男性高齢者が集まるところには,若者や女性は寄って来ないからだ。
● が,今回のような大学オケの場合は,奏者の友人たちがたくさんしてたりするから,客席の平均年齢がだいぶ若返る。
今日なんか,隣が二十歳くらいのお嬢さんなんですよ。いや,幸せでしたよ。彼女,あらかた寝てたけど,いいんですよ,そんなことは。