宇都宮市文化会館大ホール
● 6月10日は栃木県交響楽団の定期演奏会。会場は宇都宮市文化会館大ホール。チケットは1,200円(当日券は1,500円)。開演は午後2時。指揮者は三原明人さん。
この楽団の会長に就任した須賀英之さんの姿もあった。律儀な人なのでしょう。宇都宮共和大学の学長の職にあってお忙しいだろうに。
● 曲目は次の3つ。
ワーグナー 歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲
ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲
シベリウス 交響曲第2番 ニ長調
● ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」でソリスト(ピアノ)を務めたのは,若干22歳の金子三勇士さん。アンコールでリストの「ラ・カンパネラ」を披露してくれたんだけれど,これが圧巻。これを聴けただけで1,200円の元は取れたと思った。
この曲,フジ子・ヘミングが何度かCDに収録してますよね。ぼくも彼女のCDで聴いているんだけど,生で聴くと迫ってくるものが違う。
● プログラムの解説によれば,シベリウスの2番は,彼がイタリアに招かれたときに,「『魔法をかけられたような暖かい国』の印象を取り入れようと」して作曲したものだという。完成したのは母国フィンランドに戻ったあとだったらしいのだが。
4楽章のクライマックスを聴いているときにぼくの脳内に浮かぶのは,寒冷な北欧の針葉樹林を吹き渡っていく吹雪のイメージだ(行ったことはないんだけど)。イタリアの温暖でちょっと猥雑な風景ではなく(行ったことはないんだけど)。シベリウス=フィンランドっていう固定観念が強すぎるのかもしれないんだけれどもね。
● ぼくは楽器をいじれないので,楽器を弾ける人って,それだけで無条件に尊敬する。
聴いていると色々と思うところはある。けれども,自分が楽器を弾いていれば,また違った印象になるはずだ。(楽器をいじれないと)聴いていても気づけない盲点がたくさん出るはずだと思う。
老境にさしかかって人生に悔いはいくらもあるけれども,楽器をいじる機会を逸したこともそのひとつ。特に,中学校に入学したときね。なぜ吹奏楽部に入らなかったのか,と。ま,今さらこんなことを言っても愚痴にしかならないんだけど。
● ステージで演奏している団員を見ててすごいなぁと思うのは,20年30年と演奏することを継続していることです。創立以来のメンバーもいるらしいから,もっと長く継続している人もいるわけだろう。
自分が飽きっぽい性格だってことをわかっているので,ヴァイオリンにしろフルートにしろ,継続できている人を見るとすごいもんだなぁと思う。まして,栃響でやれているってのは相当すごいんですよ。
● アンコール曲は,シベリウスの交響詩「春の歌」。これをアンコールにもってくるってのも,サービス精神が旺盛というか,一曲分多く聴くことができたって感じになりますね。
こういうサービス精神は客席側からすれば大歓迎なんだけど。
● プログラムの団員名簿に岡本潤さんの名前があった。一昨年のコンセール・マロニエ21(弦楽器部門)で第1位になった人。その彼がコントラバスに賛助出演してたんですね。
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