約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2012年6月18日月曜日
2012.06.17 東京大学フィルハーモニー管弦楽団第29回定期演奏会
練馬文化センター大ホール
● この日はもうひとつ,東京大学フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会も聴くことができた。開演は午後2時。入場無料。
コンサートのハシゴをすると印象が散ってしまう。あまりよろしくない。それは実地に経験してわかっているのだけれども,せっかく電車賃をかけて東京に出たのだからっていうケチ根性が理性を上回ってしまうのだな。
● 池袋から西武線に乗り換えて,練馬駅で下車。文化センターは駅の目の前にある。今度は迷う余地がない。
● 楽団のホームページによれば,練習は週1回(3時間)にとどめているという。「オーケストラを愛する数多くの方々の中には,勉強や他のサークルなどもオーケストラと同じくらい頑張りたい,といった方も多いのではないでしょうか」ということからの措置とのこと。
けれども,音楽好きの学生がこの練習で満足できるはずもないだろう。おそらく,多くの団員は他の楽団にも加わっているのではあるまいかと推測する。
● 本番の前に弦楽五重奏のミニコンサートがあった。本番で出番のない人たちが演奏しているのかと思いきや,各パートのリーダーが登場していたのだった。
● 本番の曲目は次のとおり。
ワーグナー 歌劇「タンホイザー」より入場行進曲
ベートーヴェン レオノーレ序曲第3番
ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調
● ラフマニノフの第2番が難曲であることは素人にもわかる。その難曲をきちんと砕いて消化して,作品に仕上げている。その過程で手を抜いていないっていうか。技術も充分だけれども,姿勢が真面目って感じですね。
レオノーレ序曲は聴く側からすると,乗りやすい曲。たんに乗ってればそれでいいよね,っていう。で,充分に乗せていただきました。
● 指揮者は濱本広洋さん。若い人で,団員との距離もちょうどいい頃合いを保っているように思えた。ま,こういうのは外からはわからない事柄ですけどね。
● 入場は無料だけれども,カンパを募っていた。額は些少であっても,カンパには応じるのが年寄りの義務。
まして,これだけの演奏を聴かせてもらった後とあっては,ありがとうの意思表示はしなければならないでしょうね。
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