小山市立文化センター大ホール
● 6月3日(日)は古河フィルハーモニー管弦楽団の第7回定期演奏会があった。開演は午後2時。会場は小山市立文化センター。チケットは1,000円。
● 今回は「名曲プログラム」と銘打たれている。まず,ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」を演奏した。休憩後,次の5つを演奏。
シュトラウス 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」より導入部
ストラヴィンスキー 組曲「火の鳥」より「カスチェイ王の凶暴な踊り」「子守歌」「終曲」
シベリウス 交響詩「フィンランディア」
ホルスト 組曲「惑星」より第4曲「木星」
エルガー 行進曲「威風堂々」第1番
● この楽団はサービス精神が旺盛だ。今回は演奏の前に曲の解説を入れた。語るのは稗田遼子さん。朗読や語りで活動している人。
ヘタに解説されるとかえって邪魔だと感じるものだろう。が,稗田さんの語りはさすがにそんなことはなくて,解説そのものを味わうことができた。
和服で登場。叶うことなら洋装の彼女を見てみたかったという気もするんだけどね。
● ライブは耳だけではなくて,目の保養にもなる。眼福を得ることができる。要するに,演奏中の奏者って,格好いいんだよねぇ。見事に格好いいんですよ。見ほれてしまうんですよ。
何でなんだろうねぇ。集中と緊張の然らしめるところというだけでは説明がつかないような気がするんですよ。音をだすことって,人間にとっての根源的な快楽というか,夢中にさせるものっていうか,いわく言いがたい何かがあるのかもしれないねぇ。
もちろん,腹筋と背筋は鍛えているはずで,そのフィジカルな要素も預かって力あることは間違いないんですけどね。
● さて,「田園」。プログラムによると,「恣意的なテンポ・ルバートは極力避け,インテンポを尊重して演奏する」とあった。「一般的な演奏とは大分違うものになるかもしれないが」というのであるが,ぼくには正直わからなかった。
ぼくが聴いているCDは,小澤征爾指揮,サイトウキネンオーケストラのものと,ネヴィル・マリナー指揮,アカデミー室内管弦楽団のものの2枚だけれども,残念ながらというか当然にしてというか,テンポの違いを感じ分けることができないのだった。
けれども,そんなことはこの楽団の演奏を楽しむうえで何の妨げにもならない。初っ端から引きこまれ,彼らが紡ぎだす音の世界に没入することができた。
● ぼくは生まれてこの方,手抜きだけで人生を生きてきた。困難に挑戦するなんてことは,ぼくの辞書にはない言葉である。そうではあっても長年生きていればいろんなことがある。つけなくてもいい垢をつけてしまったりもする。
ライブで音楽を聴いていると,そういったものが溶けていくようだ。音楽だけに浸っていることができる。そういう時間を持てるってのは,幸せなことなのだと思わないわけにはいかない。
● 帰宅後,エルガーの「威風堂々」を繰り返して聴いた。そういうキッカケをもらえることもまた,ライブの恩寵というべきだろう。
次回は来年の1月20日。マーラーの1番に挑む。当然,行くでしょ。
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