約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2012年6月24日日曜日
2012.06.24 東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団第27回定期演奏会
すみだトリフォニーホール大ホール
● 東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団。その実力はすでに承知している。そのフォイヤーヴェルクの定期演奏会に行ってきた。開演は午後2時。チケットは無料。
● 2010年はこの楽団の賛助会員になっていた。年会費6千円は決して高くないと思うのだけど,結局,1年しか続かなかった。
理由はふたつあって,ひとつは年2回の定期演奏会のうち,12月末に開催される演奏会には行けなかったこと。この時期は家族サービスを優先せざるを得ないんだよね。
もうひとつは,地元に沈潜したいと思ったこと。地元で開催される演奏会だけを聴いていこうと考えたわけです。
というわけで,2年前のこの時期に開催された演奏会を聴いたあとは,このとんでもなくレベルの高い楽団の演奏会から遠ざかる結果になった。
● けれども,最近また,ポツポツと東京に出るようになった。その理由はやや不純。このブログを作ってから,ブログの更新頻度をあげるために演奏会に行くという,本末転倒的な気配が出てきているんですね。地元開催の演奏会に絞ってしまっては,更新が間遠くなる。
正直,ここのところ,オーバーペースかなと思っている。特に,2週連続で東京に出ると,けっこう疲れる。若いときは何でもなかったのに,年を取ると翌日まで疲れが残るようになった。オーバーペースを続けてしまうと,ホールの客席で開演を待っている間も気持ちがときめかなくなりそうだ。
この程度でオーバーペースというのも情けない限りなんだけど,無理は禁物ってことですね。個人財政への負荷もバカにならないしね。
ま,でも,そのあたりはあまり考えないことにして,ね。
● 曲目は次のとおり。
ロッシーニ 歌劇「タンクレディ」序曲
モーツァルト 交響曲第39番 変ホ長調
ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調
● 「タンクレディ」で軽くご挨拶。モーツァルトの39番は比較的少人数で演奏。端正という言葉が浮かんできた。
でも,まぁ,すごかったのはベト7。この曲の特徴って流れだと思うんですよね。1楽章から4楽章まで流れるように続いて,その流れが大きくなったり小さくなったり,高くなったり低くなったり,速くなったり遅くなったり,緩急自在なわけですね。その流れが淀むことがないんですよ,この楽団が演奏すると。
4楽章ではオーケストラは全力疾走を強いられるはずなんだけど,何て言うんですかね,余裕こいて全力疾走してるって感じなんだなぁ。
● 指揮者は鷹羽弘晃氏。客席に向かうときは笑顔を作って,深々とお辞儀をする。
アンコール曲は,昨夜も聴いたブラームスのハンガリー舞曲第5番。
● 女性奏者のカラフルなドレス姿もこの演奏会の魅力のひとつ。ステージで花たちが咲きほこっている様を見るのは,じつに気持ちがいいものだ。マジ,その様を見るためだけに会場に足を運ぶ人がいるんじゃないだろうか。
もれ聞くところによると,結婚したがらない女性が増えているらしい。結婚はしたくないけれども結婚式はあげたいのだ,とも。なぜなら,一世一代のお洒落ができるから。
でも,この楽団の女性奏者は,年に2回,結婚式なみのお洒落をする機会を持っているわけだ。となると,いよいよ結婚に向かう動機は薄まることになる?
ただね,2年前の定演に比べると,おとなしくなってる感じがしましたね。もっと派手に。どんどん派手に。派手でこそ花ではないか。
● この演奏会,チケットは無料なんだけど,当日,会場に行けばいいというわけではない。事前申込み制だ。あらかじめ申し込んでおいて,チケットを送ってもらう。
これって,主催者にすれば大変というか面倒だよね。かりに1,500人から申し込みがあれば,チケットの郵送料だけで12万円かかる計算になる。しかも,いちいち封筒に入れて宛名を書いてっていう手間もかかる。
たぶん,そうでもしないと,せっかく来てくれたのに会場に入れないお客さんが出てしまうかもしれないからってことなんでしょうけどね。
それだけ,この楽団の力量を知っている人がたくさんいるってことなのだろうね。
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