府中の森芸術劇場ウィーンホール
● 今日の2つめはアウローラ管弦楽団。ロシア音楽を主に取りあげている楽団。開演は午後6時半。チケットは1,000円。
● まずは,モーツァルトの交響曲第29番。指揮者はなし。コンマスが合図を送る。室内楽だもんね。
それぞれが他のパートの音を聴き,一所懸命に合わせようとしているのが伝わってくる。ぎゅっと集中してるから,音にも張りがあった。好感度,大。
演奏中もコンマスが自身の役割をきっちり果たしていて,これも好感度につながる。
● 次は,リムスキー=コルサコフの歌劇「モーツァルトとサリエリ」を演奏会形式で。当然,こちらは指揮者が登場。長田雅人氏。
サリエリは岸本力さん(バリトン)。モーツァルトは小林大作さん(テノール)。
岸本さんの声量と訴求力は圧倒的。小林さんも高音がきっちり出ていて,こちらはため息しか出ない。
自分にはできるはずのないことができている人を見ると,簡単に参ったできる。そこがいいんですね。参ったできることの快感。
● この種の歌劇を「室内オペラ」っていうんですね。装置も少なくて演奏時間も短い。プログラムの紹介記事で勉強させてもらいました。
● プログラムには集客の悩みなど楽団運営の難しさについても書かれていたんだけど,こういう演奏会をこれからも続けていければ,観客はおのずと増えてくるのではないだろうか。楽観的にすぎますかね。
● 活動開始は2009年というからまだ若い楽団だ。団員も若い。それゆえ,清新さがステージをおおっていて,それがこの楽団の魅力のひとつになっていると思う。
けれども,楽団も団員も年をとる。そうなったときに,この清新さを維持できているか。あるいは清新さに代わる何ものかを加えることができているか。
● 以下,この楽団とは関係のない話。
ま,人間もね,年をとれば,若さとか溌剌さとか無鉄砲さとか好奇心とか些細なことに感動できる感性とか,多くのものを失う。が,失うだけではない。安定感,円熟味,世間知など多くのものを得る。
けどね,これって多くの場合,言葉のうえだけのことであってさ。失ったものに見合う何かを得たっていう中高年なんかめったにいないでしょ。もちろん,自分を含めてのことだけど。
● 年をとっても馬鹿は馬鹿。経験は馬鹿を補正しない。むしろ若いときには若さが馬鹿を隠してくれていたのが,年をとるとその馬鹿が剥きだしになる。いよいよ馬鹿が際だってしまう。
世間の実例の多くはそのことを告げていると思いませんか。
● じゃぁどうすればいいのかって? わかりませんねぇ,これは。
ただね,若いときには若さを満喫しておかないといけないよね。若さを浪費するくらいの気持ちでいた方がいいと思う。そうした方がうまく年をとれるような気がする。
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