宇都宮市文化会館小ホール
● 本演奏会の宣伝チラシによれば,宇都宮クラリネットアンサンブルは「2007年1月に結成。メンバーは17名で栃木県立宇都宮北高等学校の卒業生で構成されている。アマチュアからプロまでさまざまなメンバーが集まっている」とのこと。
将来的には「メンバーを増やしていき、栃木県初のクラリネットクワイヤー(クラリネットオーケストラ)にしていく予定」ともある。
ちなみに,17名は全員が女性。
● 5回目になるまで,この団体の存在を知らなかった。ほかにもあるかもしれない。ぼくの知らない栃木県内の演奏団体が。
開演は午後2時。チケットは500円。座席はかなり埋まっていた。宇都宮北高校の卒業生や在校生が多いのかとは思うのだが,ひょっとすると知る人ぞ知る演奏会なのかもしれない。
● というのは,ステージに華があったからなんですね。全員が女性だからってのも理由かもしれないんだけど,実力がないのに華があるというのはあり得ないわけでね。
きっちり聴かせる演奏だったわけなんです。っていうか,相当,レベル高いです。
● 内容は3部構成。
第1部は「クラリネット小編成」。独奏と二重奏と四重奏。
独奏はバッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」の一部と,ピアソラの「タンゴ・エチュード第3番」。二重奏(+ピアノ伴奏)はメンデルスゾーンの「演奏会用小品第2番」。四重奏は「おしえて」(「アルプスの少女ハイジ」の主題歌)とガーシュウィンの「アイ・ガット・リズム変奏曲」。
最も印象に残ったのは「演奏会用小品第2番」だけれど(メンデルスゾーンにこういう作品があったのを初めて知った),1曲目から安心して聴いていられたっていうか,身を任せることができたっていうか。
● 第2部は「クラリネット11重奏」。
「情熱大陸」(葉加瀬太郎),ユーミンメドレー,「エスクアロ-鮫」(ピアソラ),「ルーマニア民族舞曲」(バルトーク)の4つ。
テレビの「情熱大陸」は見ていないので,この曲も耳にしたことは少ない。あらためて聴かせてもらうと,けっこう以上にいい曲ですよね,これ。元気がないときのカンフル曲?として使えそうな気もしますな。
● 第2部の途中で,楽器とメンバー紹介があった。ジャズなんかだとしつこいくらいにやるんだけれども,これはやってくれた方がいいですよね。
名前と顔が一致した方が親しみがわくし,バセット・ホルンやバス・クラリネット,コントラバス・クラリネットといった普段はあまり目にすることのない楽器の名前と形状もわかるしね。
● 第3部は「クラリネットオーケストラ」。楽員以外の奏者を公募したそうだ。30人近いメンバーで(男性もふたり),ヤン・ヴァン・デル・ローストの「カンタベリーコラール」と「リクディム」を演奏。
と,知ったふうに書いているけれども,曲名も作曲者の名前も初めて聞くものだ。吹奏楽でよく演奏される曲らしい。ということはつまり,ノリがいい曲。
奏者の中には小学生の女の子もいた。堂々の演奏ぶり。女の子はこんな小さいころから肝が据わっているんだねぇ。
● というわけで,またひとついいものを見つけてしまった。1年に一度の楽しみがひとつ増えたってことですね。
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