約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2013年4月29日月曜日
2013.04.29 宇都宮南高等学校吹奏楽部第5回定期演奏会
宇都宮市文化会館 大ホール
● プログラムに載っている部員の名前を数えてみたら,総勢41名。全員が女子。
歌舞音曲は女のもの,じゃないよなぁ。それって,クソ田舎の風潮っていうかさ。ぼくが若かった頃は,日本のほとんどがクソ田舎だったから,その風潮っていうのを体感してるんだけど,もう21世紀も13年は過ぎたわけだからねぇ,いつまでもそれでいちゃいけないでしょうよ。
いやいや,吹奏楽のほかにも面白そうなのがたくさんあるからね。選択の自由を行使した結果に過ぎないわけだよね,男子が皆無なのはさ。
● なんだけど,客席で彼女たちの演奏を聴いた限りでは,男子がいなくて困ることって,別になさそうなんだよなぁ。
男子の肺活量じゃないと音が出ない楽器なんてないしね。だいたい,音って肺活量で出すもんじゃないだろうし。
男子がいた方が上手くなろうっていうモチベーションがあがる? それも想定しにくいなぁ。女子がいると男子のモチベーションはあがるだろうけど,逆はどうなんだろうねぇ。
せいぜいが楽器の運搬とかに,男がいると便利っていう程度のものかもしれない。であれば,ヘタに男なんていない方がいいのかもねぇ。
● ともあれ,宇都宮南高校吹奏楽部の演奏会。開演は午後2時。入場無料。
高校生の吹奏楽を聴くのは,宇都宮北高校,作新学院高校に続いて,今回が3回目。
● 南高校は「今年で創立37周年を迎える」そうだ。が,吹奏楽部の定期演奏会は今年で5回目。
それまで吹奏楽部がなかったってことはないだろうから,最近,めきめき腕をあげてきたってことなんだろうか。
● 内容は3部構成。
第1部は次の5曲。学校の制服で演奏した。
ザ・バンドワゴン
亡き王女のためのパヴァーヌ
祝典行進曲「ライジング・サン」
復興への序曲「夢の明日に」
シング・ウィズ・シンセリティー
● 第2部は4曲。ユニフォームに着替えての演奏。見ための印象が全然変わる。かっこ良くなる。
「メリー・ポピンズ」より抜粋
ハウルの動く城
魔法にかけられて
宝島
この第2部は,寸劇や簡単なダンスを入れて,観客サービス。やる方は,これ,けっこう楽しんでやってるものなんでしょうか。
こういうのは,照れないでやるのが大事だね。男の子だとどうしたって照れてしまう。女子だけの方がサマになる感じがする。
● 第3部ではボウタイの正装で登場。演奏したのは次の2曲。
シーガル
アルプスの詩
「シーガル」では佐川聖二さん(東京交響楽団の主席クラリネット奏者だった人)がソリストで登場。第1部ではいくつかの曲を指揮もした。
普段から佐川さんの指導を仰いでいるというわけではないんだろうけど,プロの演奏家の熱心な指導は,生徒たちのモチベーションをあげるでしょうね。少なくとも,部員に男子がいることよりはずっと。
● 第3部は百パーセントの実力勝負。どこまで聴かせることができるか,っていう。
見事なもの。なめらかでメリハリもある。高校生でもここまでできるっていう言い方がある。自分で言ったこともある。でも,これ,高校生だからここまでできるのかもしれないね。
技術的には上達の余地を残しているんだと思う。けれども,技術以外のプラスアルファの部分を若者はふんだんに持っていて,出そうとしなくてもそれがステージで発散される。
そのプラスアルファは何なのか。曰く言いがたい。若さそのものが持つ魅力だとしか言いようがない。
● それを眩しく見つめること。それって,年を重ねてしまった者にとっては,最上最良のエンタテインメントになるのかも。
高校生や大学生の演奏を聴くたびに思うことを,今回も思わされた。
年寄りは若者を畏れなくてはならぬ。オバサンは乙女の前に謙虚でなければならぬ。
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