宇都宮市文化会館 小ホール
● U.P.A.とは,「宇都宮 パーカッション アソシエーション」の頭文字を取ったもの。プログラムに掲載されているところによれば,「元日本フィルハーモニー交響楽団打楽器奏者の佐藤英彦氏により1982年に創立され,栃木県内の打楽器奏者,愛好家によって結成された打楽器アンサンブルグループ」とのこと。
チケットは1,000円。当日券を購入。開演は午後2時。
● 「定期演奏会は24回を数え」ているらしいのだけども,ぼくは一度も行ったことがない。情報を見逃していたのか。
ただ,3年前の2月に“パーカッション&ホルン「クラシカルコンサート」”というのが開催されて,このU.P.A.も出演してた。それは見にいったんだけどね。
● 当時はU.P.A.のメンバーは11名(全員女性)だった。現在は8名。7名が女性。4人が去って1人が入ってきた。その1人が男性ということ。
紅一点ならぬ黒一点に加えて,一番の新参者とあっては,けっこうキツくないかなぁと余計な心配をした。心なしか小さくなっているようにも見えたし。
● っていうか,女子パワーが凄いんだよね,今。年齢を問わず,分野を問わず。「肉食女子vs草食男子」の図式がもう一般的になっているんじゃないか。
まだ,多人数を統括する役目からは逃げようとする女子が多いようだけど,ここを克服すれば,ほんと,この世に男なんて要らなくなりそうだ。
● 内容は2部構成。第1部は「Are You Got Rhythm?」。たぶん,3年前にも同じものを聴いている。
アフリカのジャンベという太鼓から始まって,洋服のジッパーを使って音を作り,食器やスプーン,掃除用モップや鍋などを叩いてアンサンブルにし,タンバリンと最後にマリンバが登場する。
こういうのを聴いてると,音楽の始原は日常生活で発生する音だったのかと思いたくなるんだけど,たぶん,そうではないんだろうね。根拠はないけれども,何となくそう思う。鍋や食器を叩いて音を作ろうという発想は,音楽が一応できあがったあとに出てきたもののような気がする。いや,根拠は何もないんですけどね。
● ともあれ。これが楽しいんだねぇ。やってる側もノリノリだから,自ずと客席も乗せられるというわけで。
この「ノリノリ」ってのは大事なことですよねぇ。で,そのためには充分な練習が必要になる,と。彼女たち(+彼)がこの表情とこの動きでスムーズに音を出せるようになるには,トータルで相当な時間を費やしているに違いないんですよねぇ。
● 第2部は「マリンバの響き」と題して,いくつかの曲を演奏。具体的には次のとおり。
アンダーソン・メドレー:タイプライター,そりすべり,トランペット吹きの子守歌,シンコペイテッド・クロック,トランペット吹きの休日。
バレエ音楽「くるみ割り人形」より:チャイコフスキーの「くるみ割り人形」から,行進曲(第1幕)とトレパーク(第2幕)。
ドビュッシー・メドレー:亜麻色の髪の乙女,ゴリウォーグのケークウォーク,月の光。
日本の四季:おぼろ月夜,海,村祭り,たき火,雪,お正月,早春賦。
● ぼく的にはドビュッシーを聴けたのがラッキー。難解だったんです。要するに,楽しみ方がわからないということですね。ぼくには,音の連続でしかなくて。
それが,今回,マリンバの演奏で聴いて,ンンッと感じるところがあった。CDでピアノ曲を聴き直してみようと思う。遅ればせながら,ドビュッシーに対する手がかりのようなものを得られたかな,と。錯覚だったってことになる可能性もあるんだけど。
● あと,余計なことをひとつ。マリンバにしてもティンパニにしても,大きな楽器ですよね。これを搬入,搬出するのって,大変ですよね。
どうやってるんだろう。って,素人の知らない搬入ノウハウがあるんでしょうか。
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