2013年4月29日月曜日

2013.04.28 自治医科大学管弦楽団第38回定期演奏会

栃木市栃木文化会館 大ホール

● 自治医科大学管弦楽団の演奏を聴くのは,昨年に続いて二度目。
 昨年の収穫の第一は,バッハの「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」を聴けたことだった。管トレーナー(兼指揮者)の神永秀明さんと弦トレーナーの大久保修さんによる演奏。
 知らない人はいない名曲なんだと思う。ぼくもCDで聴ける環境にはあったんだけど,実際に聴いたことはなかったという大マヌケ。いないでしょ,こんな馬鹿。
 で,この1年間にCDで最も頻繁に聴いた曲は,バッハのこの協奏曲なんですよ(ごく普通に,諏訪内晶子とフランソワ・ルルーの演奏で聴いている)。大変な収穫だった。ぼく的には,ね。

● 前回は小ホールでの可愛らしい演奏会だったんだけど,今回は大ホール。
 チケットは600円(前売券は500円)。開演は午後2時30分。

● 大学オケの演奏会はプログラムの「おふざけ」を読む楽しみがある(中には,この「おふざけ」がまったくないところもあるんだけどね)。
 「卒業生紹介」を見ると,大学生になって初めて楽器に触ったっていう人が多いのかなぁと思わせますな。2年,3年とやっていると,ベートーヴェンやシューベルトの交響曲を演奏できるようになるんだねぇ。大学生になってから始めても。

● 「編集後記」には「部員数が少ないなかで,交響曲を作り上げていくのは本当に大変でした」とある。
 エキストラの方が多いんだもんなぁ。この部員数だと,ひょっとして練習が成り立たないなんてこともある? あるいは,部員間の技術の差が練習の邪魔をすることもあったりするんだろうか。
 この「編集後記」を書いている二人は,そちこち道場破りに出かけてるようなんだけど,練習の場を求めてのこと?

● 曲目は次のとおり。
 モーツァルト 歌劇「魔笛」序曲
 シューベルト 交響曲第7番 ロ短調「未完成」
 ベートーヴェン 交響曲第8番

● シューベルトの「未完成」は第4楽章まである補筆完成版。もちろん,CDでも聴いたことがなかった。ネット情報によれば,ネヴィル・マリナーの全集には完成版が入っているようだ。当然,ぼくは持っていない。
 ぼくの耳では,特に違和感も感じなかった。なるほど,これが完成版なのか,っていう感じ。逆にいうと,2楽章まで聴けばいいかなぁ,とも思った。「ロザムンデ」の間奏曲は「ロザムンデ」として聴けばいいわけだし。
 とはいうものの,これを聴ける機会はもうないかもしれない。貴重ではありましたね(YouTubeにアップされてたりするのか)。

● ベートーヴェンの8番,聴きごたえあり。っていうか,楽しめた。この曲,ベートーヴェンの交響曲の中では最も軽快で,腹もたれしない。ぼくの中では2年くらい前からお気に入りのひとつ。
 その軽快さが損なわれていなくて,サワサワと風が通りすぎていくような弦の響きが心地よかった。

● この楽団は和気藹々をモットーにしてるのかなぁ。悪くいえば「ゆるい」ってことになりそうだけど,その和気藹々が出てるのもよかったかも。
 幕間に笑顔が多いんだね。第一にコンミスがそういうキャラのようで,第二に弦トレーナーの大久保さんがノリノリ大好きっぽい。
 それがステージの雰囲気を軽くする。同じベートーヴェンでも,この楽団が3番とか5番を演奏したらどうなるんだろう。たぶん,それはそれで形を作ってくるんだろうけど,ちょっと聴いてみたくなった。

● アンコールでここまで遊ぶのは,おそらく,この楽団くらいだろう。こういう仕掛けがホントに好きなんだなぁ。
 客席の受けも圧倒的で,ひょっとするとアンコールしか憶えていないっていうお客さんも出やしないかっていうね。それの何が問題かっていうと,別に何も問題はないんだけどさ。

● 客席に空席が目立ったのが,唯一残念。部員が少ないから,部員の関係者も少ない,したがって観客も少ない,っていう図式なのか。
 そこまで単純でもなさそうだけど,何とかしたいね,これ。かといって,即効性のある対策は思いつかないもんなぁ。

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