約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2013年5月14日火曜日
2013.05.12 宇都宮ジュニアオーケストラ第17回定期演奏会
栃木県総合文化センター メインホール
● 宇都宮ジュニアオケの演奏を聴かせてもらうのは,今年で3回目。開演は午後2時。入場無料。指揮は粂川吉見さん。
メンバーは小学5年生から大学3年生まで。大学生がジュニアなのかと思わないでもないんだけど,22歳までは在籍できるらしい。
大人の賛助出演者もかなりの数いたので,ジュニア色は薄くなったかもしれない。前回もこんなものだったけ?
● まずは,スッペの「軽騎兵」序曲。ほとんどの人は幼少のみぎりに耳にしたことがある曲。運動神経があまり良くなかった人にとっては,あんまり思いだしたくない曲。たとえば,ぼくのような。
序曲だけでなく,全体を聴いてみたいと思うわけだけど,そうは問屋が卸してくれない。もともとは全2幕のオペレッタ作品らしいんだけど,現在,演奏されることはほとんどないようだ。ないにはないなりの理由があるんだろう。
● 次は,チャイコフスキーの組曲「くるみ割り人形」から「行進曲」はじめ7曲。メインはドヴォルザークの9番。
フルートなんか上手なもんだ。ホルンも難しい楽器だろうに,巧みに操っていた。総じて,木管・金管がしっかりしてた感じ(大人の賛助の効もあり)。
ドヴォルザークの9番は木管・金管が活躍するから,そこから逆にそう思ってしまったのかもしれない。
● コンミスは高3の女子。ステージ上では大人びて見える。話してみれば普通の高校生なんだろうけど。
パーカッションの女の子に注目。場所がら,目立つからね。小なりといえども凛として立つ。ティンパニ,タンバリン,トライアングルと次々に担当。姿がサマになってる。
ってことは,つまり巧いんですね。トライアングルなんて,タイミングさえ間違えなければ誰がやっても同じだろうと思ったら,とんでもないもんね。メンバー表によれば,高2のようなんだけど,もっと若い(?)だろう。メンバー表には載ってなかった子かもしれない。
ドヴォ9の途中からティンパニを叩いた男の子も姿が良かったね。これまたメンバー表の教えるところでは,賛助出演のようなんだけど。
● プログラムの団長あいさつに,「年齢も男女も経験の有無も超えて」とあったけれど,たしかに技術差,経験年数の差がかなりあるようだ。
でも,だからどうだということはない。その種の差は時間が解決してくれる。プロを目指すわけではないんだろうから,才能があるかどうかなんてのも,さほど気にすることじゃない。楽しくやれてりゃ,それでいいわけで。苦楽しいでも楽苦しいでも。
● でも,あんまり辛ければ,無理して続けることはないよな。わざわざ苦手に飛びこんでコンプレックスを背負いこむなんて,馬鹿馬鹿しい限りだ。
音楽以外にも楽しいことは数え切れないほどあるんだし。
● 中学生になったら,苦手の克服は放棄してしまった方がいいと思っている。得意を伸ばす方向に舵を切った方がお得だ,たぶん。
ただし,得意が好きとは限らない。好きだからといって得意になると限ったものでもない。下手の横好きってのがある。
苦手が嫌いとも限らない。嫌いだから苦手かというと,そうではないことも,これはときたまだけど,ありそうだ。
苦手で嫌いならやめちゃえ。それ以外だったら,とりあえず続けてみる。その程度のざっくりとした選択でいいんだろうなぁ。どうせ,正解なんてわかりゃしないんだから。
● ついでに言うとね,親とか先生も正解なんてわかっちゃいないからね。馬鹿と書いて「おや」と読むこともある。「せんせい」と読むこともある。
そういうことも知っておいた方がいいね。いずれ,知ることになるだろうけど。あるいは,もう知っているのかもしれないけど。
ついでのついでに言うと,馬鹿と書いて「せんぱい」と読むこともあるぞ。社会人になると「じょうし」と読むこともある。オーケストラの団員だったら,「しきしゃ」と読むこともあるのかな。
あ,それから,「ぶろがー」と読みたくなることも,しょっちゅうあるだろうな。上から目線でいろいろ言ってくれちゃうからね。そこまで言うならおまえがやってみせろ,と啖呵切っちゃってもいいと思うぞ。
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