渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
● D@E管弦楽団でダテカン。「宮城県仙台市の学生オーケストラで活動していたメンバーが中心となって立ち上げ,ゆかりのある仙台にちなんで楽団名に”伊達”の名を冠しました」とある。
在京県人会的オーケストラですか。こういうものが宮城県以外にもあるのかどうかは知らないけど。
● なにがなし,親近感をおぼえますな。宮城も栃木も,その昔,坂上田村麻呂に征服された側のエリアに属しますからね。坂上田村麻呂って,日本史の英雄じゃなくて,こっち側にすれば侵略者。とんでもないヤローなわけですよ(正確には,田村麻呂のときには毛奴国はすでに制圧されていたんでした)。
だから,日本古代史そのものが侵略者の歴史であって,そんなものオレには関係ねーよ,というわけなんですね。大和だの平安京だの知らねーよ。何だよ,それ。
● まぁ,アレですよ。センターにいるのはあまり賢くありませんな。周辺に居場所を取る方がいいですね。
京都なんて長らく日本の中心だったから,京都に住んでた人たちはエラい目に遭っている。応仁の乱とかさ(われわれも東日本大震災でエラい目に遭ったんだけど)。
企業や官庁でも,出世の本流に位置していると,何かと大変でしょうな。これまた,本流から離れた周辺に場を取るのが正解。本流にいる人はしようがない。望んでそこにいるんだろうから。ご苦労だけれどもしっかり働け,ってこってすな。
● っていうか,栃木の北半分は北関東というより南東北といった方がしっくり来るところがあるのでね。そんなところからの親近感です。
でも,ステージで演奏している人たちは,普通に東京人の趣ですな。あたりまえのことで,若いときに都会の風に1年も吹かれれば,だいたい都会風情は身につく。
● 逆に,都会人は田舎に何年いても,田舎風情は身につかない。おそらく,都会風情の方が快適なんでしょうね。
田舎ってなんやかやと言ってみても,都市に比べれば閉鎖的だから,移り住んだ都会人が田舎風情を身につけることを,田舎の側が許さないってところがあるのかも。
ゆえに,都会にはすぐに慣れるけれども,田舎にはなかなか慣れることがない。定年退職したら田舎に住んで晴耕雨読,なんて馬鹿げたことをゆめ考えるなよ,都会人。
● ともあれ。開演は午後2時。チケットは1,000円。当日券を購入。
指揮者は奥村伸樹さん。仙台一高から音大を出たというから,やはり宮城県にゆかりの人。
● 曲目は次のとおり。
ドビュッシー(ラヴェル編曲) 舞曲(シチリア風タランテラ)
ラヴェル 古風なメヌエット
サンサーンス ヴァイオリン協奏曲第3番
ラフマニノフ 交響曲第2番
● 「仙台市の学生オーケストラで活動していたメンバーが中心となって立ち上げ」たんですよね。学生オケもピンキリだと思うんですが,ここはピンの方の集まりかもしれないんですねぇ。
っていうか,東京ってさ,いったいどうなっているんだよ,と思うんだよねぇ。ぼくの知る限りでも巧いアマオケがあふれている。その様は壮観といっていいんだけれども,演奏者の裾野がどれだけ広いのか,少々掴みかねる。
● ヴァイオリン協奏曲のソリストは伝田正秀さん。仙台フィルのコンマスを務めていた人だから,これまた仙台ゆかり。
天才なんでしょうね。プログラムの写真は穏やかそうな紳士だけれども,ステージ上の彼は,不良番長的というか,悪ガキ的というか。
この曲に関しては,作曲家は演奏技巧を前面に出してはいないらしいんだけど,3楽章なんかとんでもないなという印象。見せ場が次々に登場する。
● ラフマニノフの2番。これだけの音の厚みは初めて経験するものかも。ま,前に聴いたのはすぐ忘れちゃうからね。何度聴いても初めてっていう印象になるのかもしれないんだけどさ。
こういうのを聴くと,プロオケの演奏は聴かなくていいや,とも思ってしまう(実際にプロのライヴを聴けばまた違った感想を抱くことになる可能性が高いんだろうけど)。プロの演奏はCDで聴けばいい,お金もないし,てなことを思ってしまいます。
● お客さんも宮城ゆかりの人が多かったのかなぁ。お客さんもまたずいぶん都会的な人が多かったけどね。
どうも宮城は田舎だと強調しているようか。だとしたら,申しわけない。それは本意ではない。
だいたい,栃木県人のぼくが,他県を田舎呼ばわりするのは,天に唾する以上の愚行だってことくらい,わかっている。
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