2013年9月16日月曜日

2013.09.14 常磐津がとりもつ「京劇と日本舞踊の素敵な出逢い」

さくら市氏家公民館

● さくら市教育委員会主催の「日中伝統芸能」鑑賞入門講座。さくら市文化振興事業の一環ということ。
 開演は午後2時。入場無料。

● 2部構成で,第1部は「京劇入門」。張春祥さんが,京劇の歴史とか見所とかを解説。あるいは,京劇の構成要素とか,化粧のあれこれについて。
 張さん,日本滞在20年に及ぶそうで,日本語でのやりとりに問題なし。ちなみに,奥さんは日本人で,ご本人も日本国籍を取得しているとのこと。
 京劇が今の形になったのは,さほど古いことではなくて,約200年ほど前のことらしい。日本の歌舞伎と同じように,役者を多く輩出する家系はあるけれども,家元制度はない。能力がない子は役者になれない。役者養成のための学校があって,そこで学ぶ。

● 張さんも東京で「新潮劇院」という京劇の学校を主宰。そこでの教え子というか弟子の張鳥梅さんも,第1部の進行を担っていた。鳥梅さん,当然にして日本人。
 京劇を観るためには中国まで出かけなければならないと思ってたんだけど,日本でもそこそこの,というと失礼だけれども,京劇を観られるようになるのかもしれない。っていうか,もうなっているのか。

● 「京劇を体験しよう」というワークショップもあって,初歩的な手の動き(雲手)を解説してもらってやってみたんだけど,簡単そうにみえるこれが自分では全然できない。
 楽器の演奏もそうですね。見るとやるとじゃ大違いっていうのは,何にでも妥当する古今不易の法則ですな。

● 第2部は,その京劇と常磐津を鑑賞。
 まずは京劇で,張春祥さんの「小商河」。舞台設営から登場人物までだいぶ省略があるので,これで京劇の醍醐味を味わうというわけにはいかないものだと思う。京劇とはこういう衣装でこういう動きをするものなんだよってのを,実演で確認してもらうという趣向でしょう。

● 次は,常磐津の「菊の盃」。京劇とは対照的にスッキリした舞台。
 舞踊の核はセクシーさ。セクシーさと肌の露出度は関係ない。着物で厳重に覆われた立方が踊る常磐津も,セクシーさを感じさせない踊りは下手な踊りということになるのではあるまいかと,素人考えで思っている。
 あ,もちろん,この公演がそうだったといってるわけじゃありませんよ。

● 現代のぼくらにとって,常磐津をそのまま娯楽にするのはけっこう難しい。勉強の対象として見てしまうところがある。頭から入ってしまうっていうか。
 昔の人たちは,これを素直に楽しめたのだろうね。それって,けっこうすごいことかもね。鑑賞する側も場数を重ねないとダメなんでしょうね。その手間に耐えられるかどうか。

● 「菊の盃」では猩々(中国の伝説上の動物)が菊酒を呑んで酩酊するわけだけども,その酩酊する部分で張さんが入って,一緒に演じる。
 のだが,さすがにこれは無理があるようだった。両者のインターフェイスがまったくかみ合わない。

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