武蔵野市民文化会館 大ホール
● 開演は午後2時。チケットは1,000円(当日券を購入)。曲目は次のとおり。
ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」
● 東大フィル・グラデュエイト・オーケストラは,その名のとおり東京大学フィルハーモニー管弦楽団のOB・OGが中心になっているものの,現在のメンバーはOB・OGに限らないらしい。東大フィルじたいが,東大生だけで構成されているわけでもない。
● 大学オケのOB・OGオーケストラって,かなりの数あると思うんだけど,当然,OB・OGになってからの方が忙しいっていうか,時間がなくなりますよね。
現役生だったころより上達するものなのかなぁ。それとも,腕を落とさないですめば御の字だったりするんだろうか。
いや,OB・OGになっても演奏活動を続けようとするっていうのは,もともと演奏への思いが強い人たちなんだろうから,「腕を落とさないですめば御の字」というのは無礼千万な言い方になりますか。
● ともかく,大曲を2つ。安心して聴くことができた。危なげがない。オケとしてのバランスがいいと思えた。
バランスがいいということは,ヘタがいないということでもあるけれど,パート間でお互いによく音を聞きあっている結果でもあるだろう。
そんなに練習の時間は取れないはずでしょ。少ない時間をどれだけ有効に使えるかの勝負になると思う。そこのところの密度の濃さがすごいと思う。
● ことあるごとに(ひょっとして,仕事中も忙中に閑を得て)ここのところはどうしようとか,演奏のことを考えたりしてるんだろうか。
仕事だけじゃない。家族もいる。仕事や家庭を雑事と言ってしまうのはどうかと思うけれども,大人は雑事の海にいる。その雑事がすべて順調だなんていうことはまずもってあり得ないものだろう。あったとしても長い人生のほんの一瞬ではないか。
絶えず気がかりや不安や憂鬱や落胆がある。なおかつ,10の憂鬱には,90の満足を吹き消して,そのまま居座るくらいのパワーがある。
という状況の中で音楽や演奏のことを考え続けることができるわけか。逆に,それがあるから,雑事に向かっていけるってことがあるにしても。
● 指揮は大沼太兵衛さん。東大文学部を卒業して,フランスに音楽留学。古文書学校との二股。きちんと二兎を追い切ったんでしょうね。
凡愚の身からすると,学部を終えた時点でフランスの古文書に行けるというだけで,想像を超えることなんだけどね。
で,パフォーマンスとして見ても,絵になっている指揮ぶり。しばらく彼の指揮だけを見ていた。
● アンコールは再び,ベートーヴェンの5番。第1楽章だけ再演するのかと思った。ら。
この運命変奏曲,何ていうんですか。
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