すみだトリフォニーホール 大ホール
● 開演は午後7時。チケットは当日券で1,000円(前売券なら500円)。曲目はマーラーの9番。指揮は三河正典さん。
この楽団の演奏会はいつだって満席。お客さんもわかっているのだ。プロかと見紛うような演奏を,しかも今回はマーラーの9番を,500円とか1,000円で聴けちゃうんだ。不景気だろうが少子化だろうが,そんなものは関係ない。
● で,どうだったか。
素晴らしかった。素晴らしすぎた。以上,終わりっ。
● ほんとに以上でいい。ゆえに,以下は蛇足になる。
第1楽章のコーダの前のホルンとフルートの延びのかそけさ。第3楽章の末尾の切れの見事さ。
肌がヒリヒリするような感覚を味わった。こんな体験,滅多にできるものじゃない。
● とんでもない技量の持ち主たちが揃っているという以外にない。その彼らにとっても,この曲は難物だったに違いない。スラスラスイスイとできちゃいましたよ,というわけではないだろう。
っていうか,スラスラとできてしまったのでは,こうまで深い余韻は残るまい。格闘して仕上げた結果だ。しかし,格闘の痕跡は見事に消している。
● 長い曲だから,CDで聴くこともそんなに多くはない。ベルリン・フィルがカラヤンの間隙をついて,バーンスタインと行った演奏が有名だけど,ぼくもそのCDで聴いている。
でも,あのCDは何なのか。マーラーの9番ってこういう曲だったのかと,今回,初めてわかった気がする。
たぶん(というか,確実に)CDのせいではなく,ぼくのオーディオの粗末さがもたらしたものではあるんだけど。
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