宇都宮市文化会館 小ホール
● 開演は午後2時。チケットは500円。当日券を購入。
昨年に続いて二度目の拝聴。その昨年の自分のエントリーを読み返してみたら,前の晩に飲みすぎて,眠気と戦いながら聴いていたようだ。しょうがないヤツだ。
● ともかく,今年も聴きに行こうと思ったってことは,自分なりになにがしか感じるところがあったのだろう。
で,今年はきちんと聴くことができた。
● 今回のプログラムはオール・フランス。
まず,オーボエ,クラリネット,ファゴットで,イベールの「5つの小品」。プログラム冊子の曲目解説では「やわらかな雰囲気や浮遊感をお楽しみください」とある。
フランス印象派に対しては,われながらいわれなき苦手意識があった。代表的な作曲家であるドビュッシーのCDも,最後まで聴き通せたことがなかった。
● が,昨年の大晦日からドビュッシーを聴くことを自分に強制することにして,1週間かけてオペラ以外の管弦楽曲とピアノ曲を聴いた。
ら。初日から自分に届くものがあって,強制が強制じゃなくなった。何というか,嬉しい誤算。ようやく,耳ができてきたのかと嬉しくなった。
● でも,やわらかさはそれとわかるとしても,浮遊感というのはぼくにはまだピンと来なかった。
5つの曲の曲調がそれぞれ違うから,全体として浮遊するような印象が生じるということなんだろうか。
● 次は,グヴィの「ガリア小組曲」。九重奏。初めて聴く曲だと思う。こじゃれた感じの曲。グヴィって,ぼくはCDもまったく持っていない。ネットにもあまりあがっていないようだ。
CDを探してみようかと少しだけ思った。アマゾンをチェックするしかないわけだけど。
● 休憩のあと,ビゼーの「カルメン」。もちろん全曲ではなく,抜粋しての演奏。木管アンサンブルに編曲したのは高濱絵里子さん。
演奏は安心して聴いていられるもの。きっちり年季が入っている。
● 今はストーカーという言葉ができたから,ホセは究極のストーカーってことになるんだろうけど(どう見たって,彼に正義はないからね),それ以前はどうだったのだろう。純愛の体現者として見る向きもあったんだろうか。
言葉がぼくらの思考や感覚にタガをはめるってことがありそうだ。
● 途中,古参メンバーや最も新しいメンバー,指揮者の菅原恵子さんへのインタビューもあった。
菅原さんが“もっと遊んでほしい”と言っていた。観客に対する要望だろうけど,奏者に対する投げかけでもあるだろう。一定のレベルを保持したうえでの遊び。
遊び心をどう発露するかは,しかし,個人差もある。わかりやすい現し方ではない現し方をしているメンバーも,たぶんいるはずだと思う。
● 何はともあれ,30年だ。たいしたものだ。メンバーが顔を合わせるのは,どの程度の頻度なのかわからないけど,仲違いとか反目とかは,いつでも起こり得るんだろうしね。
リーダーに人格者を得ているか。適度にメンバーの交替があるか。いい音を作りたいっていう個々のモチベーションがしっかりしているか。
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