矢板市文化会館 大ホール
● この高校がプロムナードコンサートと銘打った定期演奏会を開催していることは,前から知っていた。なかなか行けないでいたんだけど(他のコンサートと重なったりしてね),今回,初めてお邪魔することができた。
開演は13時30分。入場無料。
● 会場は矢板市民会館の大ホール。言っちゃなんだけど,このホールにこれだけのお客さんが入るのは滅多にないような気がするね。
過半は学校関係者だったと思う。そうだとしても,相当な賑わいと華やかさがあった。
● 内容は3部構成。第1部は合唱部。コダーイの「Adventi ének」で始まった。
まず感じたのは駒の少なさ。特に男声はテナーが2人,バスにいたっては1人しかいない。男声が少ないのはどこでも同じだと思うんだけど,さすがにこれは,っていう。
1学年4クラスと生徒数もさほど多くないらしい。やむを得ないところでしょうかねぇ。
● が,少ないからダメだってことでもなくて,少数精鋭なのだともいえる。少数精鋭にしたければ,精鋭を少数集めるという発想ではダメで,少数にしてしまえば自ずと精鋭になると考えるのが現実的だ。
とはいうものの,女子10人に対して男子3名では,女圧(?)に抗するのもなかなか難しいだろう。特にソプラノはかなりの水準にあるようだったしね。
● と思うんだけど,見ているとそうでもないようなんだよねぇ。3人ともわりと闊達にやれている感じがした。
今の高校生のビヘイビアを昔と同じに考えてはいけないのかもしれない。ひょっとして,女子を女子として意識していないのか。高校生の年齢でそれはあり得ないと思うんだけどね。
● 第2部は吹奏楽。客席を楽しませる,盛りあげることに照準を合わせているようだった。その狙いは120パーセント達成されたろう。
人を楽しませるって,それ自体が楽しいんでしょうね。であれば,こちらも思いっきりはじけてあげるのが礼儀というものだ。なかなか礼儀どおりにはできないんだけどさ。
● ぼく的には,最後にOB・OGも入って演奏した,樽屋雅徳「ノアの方舟」が最も印象に残った。音に厚みがあった。曲調に乗った音のうねりも力がこもったもので,何より聴いていて気持ちが良かった。
できうれば,こういう曲,もう少し聴かせて欲しかったかな,という。
● それと,忘れてはいけないのが,付属中の生徒が演奏した,福田洋介「The Phoenix Spirit」。
吹奏楽って,だいたいどこでもフルートは巧いんだよね。フルートが下手なところってそんなにないような気がする。この演奏でもフルートは達者が揃っていた。
オヤッと思ったのはホルンを吹いていた女子生徒。たぶん経験はそんなに長くはないんじゃないかと思う(中学生だしね)。でも,あの難しい楽器を上手に操っていた。捌きがサマになっているっていうか。
● 彼らがこれから高校生になっていくわけだ。となると,楽しみだね。県北に吹奏楽の名門が誕生するやもしれぬ,と思わせるものがあった。
付属中の1期生はすでに高1になっていて,その1年生部員が20名を超えているようだから,陣容は整いつつあるのかもね。
● 第3部は,両部合同で「ライオンキング」。吹奏楽部はピットで演奏し,合唱部が舞台で歌う。さすがにダンスはない。
高校生たちが客席に懸命のサービス。こちらはその一生懸命を受けとめればいいだけだ。
が,ここでも,中年男にはそれがなかなか難しいんだな。たぶん,劇団四季のミュージカルも女性客が圧倒的に多いのではないかね(ぼくは行っていない)。
● ちなみに,この劇で一番目立っていたのは,スカー役の女子生徒。演技上手。大人びていた。
ひょっとすると,悪役ってやりやすいんですか。テレビのドラマなんかでも,はすっぱな女性の役って,誰がやってもだいたいはずさないっていう印象があるんだけどね。
ともかく。こういう場では目立ってなんぼだ。
● 高校生のパワーってかなりすごくてね。受けとめきれないというか,受けとめる術を持ち合わせていないというか。
1時半に始まって,終演は5時近かった。合唱と吹奏楽の合同演奏とはいえ,これだけの時間をちゃんともたせるんだから,天晴れと言っていいと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿