2015年5月6日水曜日

2015.05.04 第20回マーキュリーバンド定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● 3年連続で3回目の拝聴となる。開演は午後2時。入場無料。

● 20回目の今回,持ってきたのはバーンスタインの“シンフォニック・ダンス”。これが聴きたくて出かけていったというわけなんだけど,ではこの曲好きなのかと問われると,どうも回答に窮するところがある。
 今年の2月にオーケストラで聴いている。で,気にはなった。けれども,とっつきにくいとも思った。何これ,雑音じゃない? と思う人もいるかもしれない。

● プログラム・ノートの曲解説によれば,「クラシック,ジャズ,ポピュラー・ミュージック,ラテン音楽などが混合されており,ラテン音楽の打楽器が数多く使用」されている。
 っていうか,指パッチンまで使われているからね。
 同じくプログラム・ノートの団長あいさつによれば,この曲は「とてもリズムが楽し」いということ。

● ジャズとかラテン音楽までカバーしてないと聴いても楽しくないってこと?
 そんなはずないだろ。好き嫌いはあるにしても,事前学習を要求するような音楽だったら,あんなにヒットするはずがない。

● ゴチャゴチャ言ってないで,とにかく聴いてみろってことだね。
 いかにもアメリカだなと思った。そのアメリカ的なるものっていうのは,こっちが勝手に作りあげたイメージでしかないわけだけど。
 あまり小難しく考えないノーテンキさ(のようなもの)も感じるし,空間の広がりも想像しようと思えば想像できるし,ごった煮的に何でもあるという印象も受けるし,細かい木理より展開の起伏を大事にしているようでもあるし。
 要するに,聴く側の勝手な想像を許容する懐の深さがある。

● おそらく,この曲を聴くについては,ミュージカルの舞台を(DVDでいいから)観ておいたほうがいいんだろうな。舞台の設え,俳優の動きやセリフのタイミング,そういったものを踏まえて聴くと,音楽の背景が具体的にわかるだろうから。
 もっといいのは,そこまで脳内で生成できる能力があることだけどさ。

● といっても,この“シンフォニック・ダンス”は,「ウエスト・サイド・ストーリー」の組曲版のようなもので,舞台からいったん切り離して,音楽だけで自立させている。
 舞台を観ておかないとっていうのも,ちょっと筋違いかねぇ。

● ともあれ。“シンフォニック・ダンス”だけで観客を放りだすようなことをマーキュリーバンドはしないわけで,第2部でちゃんと救いの手をさしのべてくれる。
 で,ぼくのような者でも,帰るときにはそれなりに折り合いがついた気分になることができる。

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