● 最寄駅は武蔵小金井になる。ちょうど,宇都宮から湘南新宿ラインが出るところだったので,それに乗れば新宿で中央線に乗り換えればいい。
のだけど。あえてこれを見送って,次の上野東京ラインの電車に乗った。東京で乗り換え。なぜ,そんなことをしたのかといえば,新宿で乗り換えるのがイヤだったから。
まったく,新宿駅というのは田舎者には鬼門であって,あそこで乗り換えなきゃいけないというのは,けっこう心理的負担になる。わかりづらいもんね。ぼく,新宿駅構内で迷子になったこともある。
● ともかく無事に到着。武蔵小金井には20年前に何度かまとめて来たことがあった。久しぶりだ。が,天気のせいか駅前はけっこう閑散とした印象。こんな感じでしたっけ。
会場は小金井市民交流センターといった。宮地楽器が“命名権”を取得して,現在の名前になったらしい。音響的にはかなり考えて作られているホールだ。いいホールだと思った。
開演は午後1時半。チケットは1,000円。
● ところで。この楽団の演奏を聴くのは初めてだ。「Freude」にも告知されていないから,ぼくはその存在も知らないでいた。
先週,「マーラー祝祭オーケストラ」の演奏会で今回のチラシをもらった。それが今日聴きに来た理由を作った。
● 曲目は次のとおり。指揮は楽団創設者の浅野亮介さん。
山本和智 Roaming liquid (2014) for shakuhachi and orchestra
マーラー 交響曲第5番
● 山本さんの曲はEnsemble Freeの委嘱作品。当然にして世界初演。こういう曲って,初演だけで二度目はないというのが珍しくないんだろうけど,この作品は二度目までは必ずある。Ensemble Freeは関西にまずできて,しばらくあとに東京にEastを創設したようだ。このあと,関西でも演奏される。
尺八は黒田鈴尊さん。
● 作曲者の山本さんがプログラムノートに次のように書いている。つまり,襟を正して聴かなくてはならない。
今回のお話を頂き,私は嬉しさのあまり夢中で作曲をしたため,1ヶ月経たぬうちにこの作品を書き上げてしまいました。例えば「寝ても覚めても」という言葉が比喩ではなく,本当に夢の中で曲を書いてしまい,目が覚めて慌ててメモを執るとか,日常生活の中でも次々に沸き上がるイメージがこぼれそうになるため,自分の腕やレシートのような,たまたま持ち合わせた紙切れにびっしり書きつけるとか。● マーラーの5番。マーラーに関しては,5番は比較的わかりやすいというか,マーラー的破天荒さが少ないから,比較的受け取りやすいのだろうと思っている。
といっても,起伏は大きく,しかも突然に変転する。気を抜けない。演奏する側は尚更だろう。こういう曲を破綻なくという範疇を超えて,終曲まで持っていくのはまぁ大したものだと思うほかはない。
● このあと,バーンスタイン+ウィーン・フィルの演奏をCDで聴いてみたんだけど,当然ながら,届いてくる情報量が圧倒的に違う。
音楽を「聴く」のに視覚は大きく寄与している。そのことを実感させられる。もっとも,聴き手も達人になれば,聴覚で視覚を補うことができるのかもしれないけどね。
● 東京でこういうアマオケの演奏を聴く度に思うことを,今回も思った。東京ってどれだけ層が厚いんだ。このレベルで演奏できる楽団がいったいどれくらいあるんだろう。
ぼくが知っているだけでも・・・・・・やめよう,呆れてしまうほどだ。
● 栃木から東京に2時間の演奏会を聴きに行くって,やっぱり一日仕事になってしまう。新幹線を使えば違うんだろうけど,在来線だとね(ま,ぼくは電車に乗っているのが嫌いじゃないからいいんだけども)。
が,たとえそうだとしても,東京を無視することはやっぱりできないでしょうねぇ。
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