宇都宮市文化会館 大ホール
● 第47回から聴いている。今回が4回目になる。開演は午後3時。チケットは800円(前売券)。
● 開場前から長蛇の列で,結果,立ち見客まで出た。大変な盛況だけれども,チケットの売り方に問題はなかったか。
が,この高校の吹奏楽部の,しかも記念演奏会ともなれば,これだけの観客が入るのは頷ける。学校の関係者が多かったんだろうけど,ぼくのように何のゆかりもない人間もいたはずだし,吹奏楽をやっているのかと思われる中学生も聴きに来ていたようだった。
● 例年のとおり3部構成。演奏された曲目を羅列するのはやめるけれども,第1部のスタートは舞踏劇『ラ・ペリ』より“ファンファーレ”。
この曲を聴いただけで,あぁと思った。巧いなぁっていう「あぁ」ですね。現時点で県内随一。それもぶっちぎりだろう。そう断言してしまおう。
● 個々の奏者の技量が高い。指導の問題ではなく(いや,それもあるんだろうけど),素質のある生徒を集めている結果だ。
そうした生徒が作新の門をたたこうとする。これまでの実績が彼ら彼女らを誘う。それがまた新たな実績につながる。伝統の力だ。
● 音楽科でもない高校の部活でやっている生徒たちがここまでの演奏をするのを聴くと,大げさにいえば,いわゆるひとつの奇跡を見るようだ。
佐藤邦弘「チューバとウィンドアンサンブルのための協奏曲」ではOBの田村優弥さんが登場。その田村さんと絡んで,フルート,オーボエ,サックスに気後れがないのは,あっぱれというしかないではないか。
● 第2部はポップス・ステージ。第1部に比べると,気を抜けるというか,観客サービスのための一格下のステージと受けとめがちだったけれども,違っていた。
何度も独奏を見せた女子生徒のフルート。レガートってこういうものだよという見本のようなもの。男子生徒のトランペットも客席をうならせた。しかも,それらは一例にすぎない。
客席を楽しませるのは大変なのだ。
● 春の「フレッシュグリーンコンサート」でも演奏した曲が多かったんだけれども,そのひとつが真島俊夫「カリビアン・サンダンス」。
スティールパンをまた聴くことができたのは,眼福ならぬ耳福だった。
● 2部で何度か登場したダンスも何気に巧い。少なくとも手を抜いていない。
清楚なお色気って,この年齢の女の子が踊ると,自然に出るものなんですかねぇ。これ,こちらに対抗する術がないんだよねぇ。やられるしかない。
● 第3部はドリル。これも「フレッシュグリーンコンサート」でやっており,今回のはその完成形といってよいものなのだろう。
ラインの動きの滑らかさ,速さ。ラインの交わりもスムーズ。
● というわけで,ひととおり見せてもらったわけだけれども,これでも東関東を突破して全国に行くのは叶わなかったとなると,全国に行ける吹奏楽というのは,どんなものなのか。
聴きに行けばいい話なんだけど,一般人でも入れるんですかね。
● 終演後の部長挨拶もこの演奏会の名物に数えていいかもしれない。立派な挨拶をするものだ。文言は事前に作っておくんだろうけれども,気持ちが入っている。
大人ではまずできないであろう挨拶をする。今回もしかり。
● さらにその後に余興(?)がある。1,2年生だけの演奏があった。「学生時代」だったか。もう充分に巧いわけで,あと1年間は県下の覇者は作新で,それが揺らぐことはあるまいと思われた。
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