さくら市氏家公民館
● 従来は「さくら吹奏楽フェスティバル」として開催されていたもの。開演は午後2時。入場無料。
3部構成。須賀由美子さんが司会を担当。
● 第1部はホルスト「吹奏楽のための第一組曲」と酒井格「たなばた」。
よくまとまっている吹奏楽団だと思った。演奏もだけれど,それ以前に団員の仲がいいような感じといいますか。本当はやめたいんだけど,大人の事情で我慢して付き合っているっていう人はいなさそうだ(いるのか?)。
さくら市以外に住んでいる楽員もけっこういるらしい。さくら市はこのエリアでは交通の便の良さにおいて,かなりのアドバンテージを持っているから,ヨソからも集めやすいのかも。
● とはいえ,隣町の高根沢でも吹奏楽団結成の動きがある。日帰り温泉と同じで,各市町村にひとつの吹奏楽団なんてことになるんだろうか。
日帰り温泉ならそれでもいいけれども,吹奏楽団がそうなったら,たぶん共倒れになる。おらが町にもひと揃えっていう抱えこみはよろしくない。自然発生ならいいんだけど。
● 第2部は「ジュニアウィンドハーモニーうじいえ」が次の3曲。
宮川 泰 宇宙戦艦ヤマト
中山晋平 シャボン玉
山下国俊編 日本愛唱歌集
● 「宇宙戦艦ヤマト」といえば,ぼく的には2010年に公開された,木村拓哉主演の「SPACE BATTLESHIP ヤマト」だ。っていうか,アニメは知らない。
ガミラスの放射能攻撃を受けた地球は,人類の滅亡まで残すところ1年余。地球防衛軍に唯一残された戦力である戦艦ヤマトが,放射能除去装置を求めてイスカンダルに向けて出発する。多大の犠牲を出しながらも,放射能除去装置を得ることができた。
が,もうすぐ地球だというところで,ガミラスの残党が待ち構えていた。撃退する方法はただひとつ。波動砲だけだ。が,満身創痍のヤマトがここで波動砲を打てば,ヤマト自身が粉々になる。
木村拓哉演じる古代進は,他の乗組員を救助艇に移し,ひとりヤマトに残る決心をする。そして,敵に照準を合わせて波動砲を発射する。
その最後の場面では,どうしたって泣くわけですよ。
● この曲を聴くと,その最後の場面,ここまでの戦いで戦死した仲間たちの顔がフラッシュバックし,必死の面持ちで発射準備をし,準備が整って発射ボタンを押すときの木村拓哉の恍惚に近い最期の表情を思いだして・・・・・・ありゃま,泣いちゃいましたよ。
● パーカッションの男の子が勲一等かな。目立つところにいるからなぁ,そのせいかもしれないんだけど,かっこよかったね。
● そのあと,さくらウィンドアンサンブル(の選抜隊)が次の3曲。
福田洋介 さくらのうた-five
成舞新樹編 アメージング・グレイス
久石 譲 「魔女の他急便」メドレー
「さくらのうた-five」はクラリネット五重奏。女子奏者が浴衣で登場。やる方も聴く方も楽しんで,ってことなんだけど,まだ「宇宙戦艦ヤマト」の余韻が残っていて,わりとこの3曲の印象が薄い。
指揮の村上さんが,団員に話を向けて楽屋話というか裏話を引き出していたのが面白かった。そこは憶えているんだけど。
● で,第3部。
中村大八(福田洋介編) 上を向いて歩こう in Swing
久石 譲(星出尚志編) となりのトトロ Highlights
グラハム&ラヴランド(高橋宏樹編) ユー・レイズ・ミー・アップ
ボーデュック(岩井直溥編) サウス・ランパート・ストリート・パレード
第3部を命名すれば,何でもありステージ。最後の2曲はあまり聴く機会がないような気がする(YouTubeでならいくらでも聴けるんだが)。
● 「さくら吹奏楽フェスティバル」として開催してきた蓄積があって,そこで得たノウハウに添った運営のやり方だったと思える。が,団員の中にもこのやり方を変えたいという意見はあるんじゃないかと愚察する。バラエティーショーじゃないんだから,と。
ただ,これはこれとして成立しているので,もし変えるとすれば,微調整ではなくてガラッと変えることになるでしょうね。
● 先によくまとまった楽団だと言ったけれども,市民吹奏楽団としては団員数も多くはなく,可愛らしいと形容してもいい。
さくら市の重要無形文化財のひとつに数えていいものだろう。本当にね,こういうのは大事にしないといけないよ。行政が直に介入するとロクな結果にならないから,遠くから見守るだけでいいんだが。
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