2017年10月17日火曜日

2017.10.09 丸の内交響楽団 第23回定期演奏会

東京芸術劇場 コンサートホール

● 池袋は東京芸術劇場へ。丸の内交響楽団の定演。開演は午後2時。チケットは1,000円(前売りは500円)。当日券で入場。
 曲目は次のとおり。指揮は横山奏さん。奏はカナデと読むが,男性だ。
 フンパーディンク 歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲
 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
 ニールセン 交響曲第4番「不滅」

● が,開演前にトラブル発生。ぼくが座っている席に,そこは私の席なのですがというお客さんが来た。たしかに,同じ席番号のチケットを持っていた。
 その人のチケットは“ぴあ”が発行したもの。前売券を買ったのだろう。おそらく,前売券の販売情報が当日券売場に伝わらなかったのだろう。伝わっていたのに当日券売場で取り違えが起きたのかもしれないが。
 こちらが先客だったこともあって,その人がスタッフに掛け合いに行った。スタッフの女性が来て,ぼくのチケットを持っていった。
 もちろん,そのまま聴けることにはなったんだけれども,はなはだ後味がよろしくない。

● そもそもが,これ指定席にしなければいけないものなのか。自由席でも問題はないような気がするんだが。料金は一律なんだからね。SだのAだのっていう区分はないんだから。
 おそらくだけれども,指定席にすることがこのホールの利用条件になっているんだろうね。自由席にするんじゃお貸しできませんよ,ってことになっているのではないかと想像する。
 自由席にするとなにか混乱が起きるのかねぇ。案内するのが大変だってことだろうか。

● あと,隣に座った男性がちょっと変わった人で,一切,拍手をしない。それが気になって仕方なかった。拍手するしないは各人の自由といえば自由で,その自由を行使しているだけと言われれば,それ以上に返す言葉はない。
 が,アンタにできることって拍手をすることだけだよ,と言ってやりたくもあり,どうにもこうにも聴くことに集中できなくて。

● しかも,席がだいぶ後方のしかも右端に近いところ。件の男性氏が右端の壁際で,ぼくはその隣。この席だとさすがに,直接音しか届かないのかもしれなかった。
 チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」のソリストは平山慎一郎さんで,どうやら相当な熱演のようなのだが,ぼくのところに届いてくる音はその何分の一に過ぎないようなのだ。さすがの東京芸術劇場でも死角はできてしまうということか。

● もうひとつあった。ぼくの前の席も男性で,なんだか座高の高い人だったのだ。彼の頭で視界も遮られてしまう。これもストレスになる。重なるときには重なるものだなぁ。
 ま,ぼくも同じ理由で人様にストレスを発生させているのかもしれないんだけどね。

● 休憩後,右隣の男性は消えていた。で,彼の席に移動して,ニールセンの4番を聴いた。ら,音の通りがまるで違う。聴こえてくる。ステージの臨場感も伝わってくる。
 こんなことがあるのか。ホールの構造,造作からはこういうことが起こるとは考えにくい。
 座高氏の遮りがなくなって視界も開けたのが効いているんだろうか。つまり,こちら側の心理に依拠するんだろうか。ひょっとすると,座高氏が音を吸い取ってしまっていたのか。
 いや,戯れ言はともかく,こういうことがあるんだねぇ。寸でのところでこのホールに誤った印象を持ってしまうところだった。

東京芸術劇場
● そのスッキリした状態で「不滅」を聴くことができた。生では聴いたことがなかった曲。いや,CDでも聴いたことはなかったな。
 2番「四つの気質」は2012年に当時のマイクロソフト管弦楽団の演奏で聴いたことがあるんだけど,結局それがニールセンの交響曲を聴いた唯一の経験になってしまっている。

● ニールセンがこの曲に「不滅」と題を付けたことの時代背景は,プログラム冊子の曲目解説にある。が,このタイトル,要らないような気もするんだが。
 いや,このタイトルがニールセンの曲想の元にあるもので,発火点になっているのかもしれないんだけど。

● 演奏にはいささかの不満もなし。これほど巧いアマチュアオーケストラが東京にはいくつあることか。いつも思うことを今回も思った。圧倒的な東京一極集中。
 この席でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をあらためて聴き直してみたいと思った。それだけが後ろ髪を引かれる思い。

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