● せっかく東京に出てきたのだからというわけで,今日はダブルヘッダー。すみだトリフォニーから地下鉄でひと駅離れたティアラこうとうに移動。
もちろん歩いた。日がすっかり短くなって,夕方5時には街の灯り,正確には歓楽街というか飲み屋街というか,そうしたところの灯りがともる。願わくばそうしたところに吸い寄せられる虫のようでありたいが,目的地があるのでここで虫になるわけにはいかなかった。
● しかし,ま,こうしたところを歩くのは,それ自体が快を伴うものだ。錦糸町駅南口を出て東に歩けば横十間川にぶつかるから,川に沿って南に歩けば,ティアラこうとうに至る。この川も台風19号では溢水したんだろうかな。
街の灯りと川っていうのも,けっこうな組み合わせだ。このあたりは東西南北に何本もの川が流れているのだが,川なのか運河なのか。後者だと思うのだが。
● 江東シティオーケストラの演奏を拝聴するのは,これが初めてだ。開演は午後6時。入場無料。
曲目は次のとおり。指揮は田中健さん。ブルッフのヴァイオリン協奏曲のソリストは金子昌憲さん。
エロール 歌劇「ザンパ」序曲
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」
● 地名を冠した市民オケというのは,千差万別いろいろある。音大卒を揃えて,ストイックにアンサンブルを追求しようと志向しているところもあるやに思える。
一方で,部活というより同好会的なものもある。楽しくやりましょ,っていうね。一生懸命にやらないと楽しくならないというのは基本だとしても,楽しくやるというのが目的になっているところ。
どちらが良くてどちらが悪いという話では,当然ない。多様でいいのだし,多様でなければならない。その多様さを現実に展開しているところが,日本のアマオケ活動の凄さというか,層の厚さというか,そういうことなのだと思っている。
● で,たいていのところは,その中間にある。これまた当然で,別の言い方をすれば二兎を追っているわけだ。
この楽団もそうだ。年に2回の定期演奏会を開催するとして,もう25年続いているわけだろう。たぶん組織の原則が働いて,楽団が継続していくためにこれしかないという細い道を通ってきているはずだ。それは偏った道であるはずがないのだ。
● 金子昌憲さん,当然だけども自分のスタイルがある。奏法云々ではなくて,立ち方,視線の向け方,場の作り方,集中の仕方・・・・・・そういったところのスタイル。
そこから織りなす音色,勢い,緩急,昇降といったもの。そこにオケが応接する。ときにオケがここで暴れてくださいと場を作って提供していると感じることもあって。
ティアラこうとう |
なぜ前半だけで帰ったかというと,ここで帰途につかないと今日中にわが家に帰れなくなるかもしれないと思ったもんだからね。
要するに,黒磯まで行く宇都宮線の最終電車にまにあわなくなる可能性があった。
● 要は,会場から錦糸町駅までをどうするかということなんだよね。住吉まで歩いて半蔵門線に乗るよりは,猿江公園を横切って錦糸町駅まで歩いてしまった方が早いような気がするんだけど,ここの時間がちょっと心配。
結果からいうと,最後まで聴いても間に合ったと思う。しかし,万が一ということもあるのでね。
● でさ,こういう聴き方をするんだったら行くなよ,と思うわけですよね。どうもよろしくない。まず後味がよくない。
つまり,せっかく東京に行くんだからと,ダブルヘッダーを組んだのが間違い。せっかく・・・・・・という発想はよくないね。
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