横浜みなとみらいホール 大ホール
● 開演は18時30分。チケットは1,000円。当日券を購入。
どうでもいいといえばどうでもいいことなんだけど,開演は18時だと勘違いしていた。この30分の違いは大きい。何となれば,今日中に家に辿りつけるかどうかに関わってくるからだ。
ぼくは新幹線を使わない(使えない)タイプなのだ。在来線で今日中に家に戻るためには,横浜発20:20の黒磯行きに乗らなければならない。
18時開演ならギリギリ間に合うかもしれない。18時30分だと完全にアウトだ。
● で,アウトであることを覚悟した。どうするかといえば,まずは宇都宮まで戻って,宇都宮でカプセルホテルに泊まる。
健康ランドもあるんだけど,カプセルとはいえ個室のほうがよく眠れるだろう。ネットカフェに行くには少々長い距離を歩かなければならない。歩いたところで寝れるタイプのソファ(?)が空いているとは限らない。
ま,どうでもいいことではある。
● プログラムは次のとおり。指揮は伊藤翔さん。
スメタナ 連作交響詩「我が祖国」より「高い城」「モルダウ」
ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」
● 座席は全席指定。どの席でも一律1,000円というわけだ。ぼくに割りあてられた席は2階右翼の2列目。S,A,B,C,Dとあれば,ぼくの席はC席に該当するだろうか。2列目なので,ステージの右側が一部,視界から消えてしまう。
おまけにななめ右前にタッパのある男性がいたので,指揮者も見えなくなってしまう。
自由席にしてもらって,席は先着順というのがいいんだけど,まぁ,これは仕方がないね。主催者のやり方にしたがう以外にない。
● 久しぶりにブルックナーを聴くことができると思って,ここまで来た。その前にスメタナの「高い城」と「モルダウ」。
フッフッフ。笑みが浮かんできた。なぜかと言えば,めっちゃ巧かったから。得したって感じだね。
このレベルのアマオケって,首都圏にはけっこうな数,あるようだ。ぼくもいくつかは知っているけれど。
● コンマスが交替して,ブルックナー。
弦のトレモロ。これを原始の霧だと言われれば,じつにそのように思えてくる。その原始の霧を切り裂くように,ホルンが何事かの誕生(あるいは発生)を告げる。その何事かはどうも重要な何かであるらしい。原始の混沌から秩序が生まれたようでもある。
その何かが,どんどん大きくなっていく。大きくなってうねり踊る。ときに静まる。そしてまたうねる。
● この曲からぼくがイメージするのはそんなところだ。要するに,まともな聴き方はできていないのだろう。
一方で,まともな聴き方なんてものがあるのかとも思っている。聴き方なんてどこまで行っても自己流じゃないか,と。ならば,居直って自己流に徹してはどうか。
● しかし,こうしたイメージはCDを聴いているときにはあまりぼくの脳内を占拠しない。幼稚なイメージであっても,ライヴのほうがよりダイナミックに動いてくれる(ような気がする)。
そんなことを考えながら,特にコンミスから目を離せなかった。動きの美しさってやつだね。魅せてくれた。
● 演奏を聴いたあと,誰かと感想を語り合いたいと思ったことはない。こうしてブログで言いたいことを言っている。それだけでよい。
ただし,ひとりで静かにかみしめたいと思うことはある。どこか静かな場所で。ここは横浜だ。それに相応しい場所はいくらでもあるだろう。みなとみらい地区だけで立派なホテルが3つもあるのだ。そのどれかで,生ハムと赤ワインを1杯。今聴いたばかりのブルックナーの演奏を最初から思いだすように反芻する。
● が,あわただしく宇都宮に向かうことにする。そこまでのゆとり(経済的な)はない。残念ながら。いや,じつに残念なんだけど。
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