すみだトリフォニーホール 大ホール
● 昨日に続いて,すみだトリフォニー。オーケストラ ディマンシュ。4月に続いて2回めの拝聴。
じつは,今日は違うところに行くことにしていた。バッハのミサ曲を演奏するところがあって,そちらを予定に入れてた。
のだが,昨日の「魁」の演奏会でもらったチラシの中にこれがあって,あっさり変更してしまった。変更した理由は,泊まっているホテルが水天宮前にあること。ここなら半蔵門線1本で来れる。予定してたところは乗り換えなきゃいけなかった。
● そうした即物的というか,言うも恥ずかし的な理由によるのだ。つまりは何でもいいのか,おまえは,と問われれば,何でもいいのだと答えるほかはないようなものなのだ。
一応言っておくと,上述のとおり,この楽団の演奏は一度聴いているわけで,聴いて後悔することはないとわかっていたってのもある。
● 開演は午後2時。チケットは1,000円。当日券を買って入場。
曲目は次のとおり。指揮は金山隆夫さん。
プロコフィエフ 交響曲第7番 嬰ハ短調
サン=サーンス 交響曲第3番 ハ短調「オルガン付き」
● プロコフィエフの7番は“青春交響曲”と呼ばれることもあるそうだ。プロコフィエフ晩年の作品。
で,そうと知って聴けばなるほどと思うとして,そういうことを知らずに聴いたら,はたしてこの曲に“青春”を感じ取れるかどうか。自分は感じ取れないだろうな。
プロコフィエフの不思議なところは,スターリン統治下のソ連にわざわざ戻っていることだ。なぜそうしたのか。プロコフィエフにしかわからない。
それをいえば,ショスタコーヴィチにも亡命のチャンスはあったはずで,それを活かさずにソ連にとどまったのはなぜかという話になる。親族に累が及ぶことを怖れたのか,そうではない理由があったのか。ショスタコーヴィチにしかわからない。ひょっとすると,ショスタコーヴィチにすらわからない。
● サン=サーンスの「オルガン付き」の前に指揮者の金山さんと奏者の髙橋光太郎さんのトークがあった。けっこう長目のトーク。
オルガンについていくつかの蒙を啓いてもらった。とはいえ,ぼくらはしょせん聴くだけの人間であって,さてここで得た知識が聴くうえでどれだけ役に立つかというと,はなはだ心許ない。ま,知識というのはもともとそういうものではあろうけれど。
髙橋さん,ボウデン「エレジー」を演奏してから,オケとの「オルガン付き」に。
● オルガンのレクチャーを聞いたあとだからか,オルガンの効果というか,ここでオルガンがこうかぶってくるのかというのが,わかりやすかった・・・・・・と思えたのは錯覚か。
しかし,この曲はあくまで管弦楽曲であって,演奏の出来不出来を決めるのは,オルガンではなくて管弦楽だ。達者な演奏で聴くと気持ちがいい。
アンコールもサン=サーンスの「糸杉と月桂樹」から“月桂樹”。オルガン付き。
● ゆえに,予定変更に後悔なし。
ただし,おそらく,予定どおりでも後悔はなかったと思う。同時に2つを聴くことはできない以上,これ以外の結論は理論的にあり得ない。
0 件のコメント:
コメントを投稿