那須野が原ハーモニーホール 大ホール
開演は午後3時。チケットは破格の500円。先月来たときに買っておいた。
● 破格の500円であっても,大ホールの客席は空席の方がはるかに多い。理由は言うまでもなく,コロナにある。
ホール側で入場者数(チケット販売枚数)を抑制しているはずだ。律儀に外出を控えている人も多いだろう。
総じて,都会よりも田舎,中央よりも地方の方が,コロナに対しては過剰に反応する傾向があるように感じている。よく言えば備えが厳重かつ慎重であり,マニュアルに忠実だ。悪くいえば,腰が退けている。それは,それを求める人の比率が,都会より田舎の方が高いからだろうと考えるほかはない。
どちらがいいのか,良し悪しはわからない。そもそも,良し悪しなどないのかもしれない。
● 曲目は次のとおり。
バッハ 来ませ,造り主なる精霊の神よ
バッハ フーガ ト短調(小フーガ)
バッハ 幻想曲とフーガ ト短調
フランク プレリュード,フーガと変奏
ルフェビュール=ヴェリー 演奏会用ボレロ
アイルランド民謡(混同岳編曲) ロンドンデリーの歌
デュリュフレ アランの名による前奏曲とフーガ
● 選曲の理由や曲目解説は梅千野さんから直接説明があったのだが,憶えていられるわけがない。ぼくの小さな頭(外見はデカイんだが)では無理だ。かといって,客席でメモを取るのは何か変だ。というか,かなり変だ。
憶えておかなければいけないものでもないと思う。曲目解説の部分は,ググればとりあえずは解決するだろうし。
● ただし,バッハの大フーガと小フーガの話は憶えている(つもり)。オルガン曲については(も),ぼくは何もわからない。ともかくも,バッハを聴きたいと思ってやって来た。
で,両方を聴いて,小フーガを愛でたい気持ちになった。これだけを聴いて,その余韻をそっと持って帰りたくなった。
もちろん,CDは持っているし,持っているだけではなくて聴いてもいる。が,CDでこういう気分になるよう自分を誘導するのはかなり難しい。できる人もいるとは思うのだが,ぼくは上手くできない。
● フランクやデュリュフレは初めて聴く。このホールのオルガンはフランス式だと聞いたことがあるのだが(聞いたことがあるだけで,それがどういういうことなのかは承知していない),フランス音楽とは相性がいいんだろうか。
それ以前に,ドイツとフランスの違いというのは明確にあるものなんだろうか。作曲家の個人差の方が大きかったりはしないんだろうかね。
● このホールの専属オルガニストであるジャン=フィリップ・メルカールトさんが譜めくりを担当した。たんに楽譜をめくるだけではなくて,オルガンのボタン操作もしているようだ。
オルガンの譜めくりは誰でもできるというものではなさそうだ。なまじな人には怖くて頼めないっぽい。
● 梅千野さんの挨拶を聞いて感じるのは,演奏家には陽性の人が多いということだ。彼女も間違いなくそっちの気が強いのではないか。イジイジしたりクヨクヨしたり根に持ったり,そういうことをしなさそうだ。
まったくクヨクヨしない人なんかいないだろうから,あくまで程度問題になるんだけれども,演奏家ってクヨクヨの度合いが少なそうだ。そうじゃないとやっていけない仕事なんですかねぇ。
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