2012年12月30日日曜日

2012.12.30 間奏24:良いお年をお迎えください


● マーラーの全交響曲を聴いてみようと思いたち,29日に実行した。なぜマーラーかというと,あまり聴くことがないから。この際,まとめて聴いてみようかと。
 「大地の歌」を含めて全10曲と,10番の「アダージェット」。作曲順に,1番から8番まで聴いて,「大地の歌」をはさんで9番を聴く,と。
 所要,約13時間。マーラーの全交響曲を1日で聴ききれるのか。聴ききれる。なぜなら,1日は24時間あるのだから。
 が,言うまでもなく,そうはいきませんでしたね。

● CDではなく,DVDを使用。指揮はバーンスタイン。管弦楽は,2番がロンドン交響楽団で,「大地の歌」がイスラエル・フィル。ほかはウィーン・フィル。
 とっ散らかった部屋で,ノートパソコンにスピーカをつないで聴いた(観た)。隣近所の迷惑になるので,大きな音は出さない。かといって,ヘッドフォンで13時間も聴き続けるのはさすがに辛い。というわけで,音量を絞って普通に。

● ちなみに,ぼくのオーディオ環境はこのノートパソコンとスピーカですべてだ。貧弱を極めている。
 ひとつにはあまりモノを持ちたくないってこと。なくてもすむものは,なしですませたい。部屋は殺風景な方がいい。東日本大震災以来,その思いが強くなった。
 重いアンプやスピーカは,場合によっては凶器に変わる。なにせ,あのときはピアノが数十センチほど動いたし,タンスも食器棚もすべて倒れた。実際,倒れる方向がちょっと変わってたら,うちのヨメは死なないまでも重傷を負っていたかもしれない。モノなど持っていていいことは何もない。最小限度にしたい。
 ふたつめには,オーディオに回せるお金がないってことだな。こっちの方が決定的な理由だね。ちなみに,普段はスマートフォン+イヤフォンで聴いている。

● 金聖響・玉木正之『マーラーの交響曲』(講談社現代新書)を曲目解説がわりに読んで,いざ。
 で,2番まで聴いたら,頭の芯がボーッとした。っていうか,しばらく立てなかった。
 長めの休憩をとって3番,4番と聴いたところで,精根尽き果てた。だめだ,こりゃ。まとめて聴くものじゃない。
 聴き方がどんどん雑になってくる。それでなくても雑にしか聴いていないのに。もはやこれを聴いたと言っていいのかどうか。
 というわけで,年の最後にバカなことを試みて,失敗。あとはゆっくりと聴いていきたい。

● どちらのご家庭でも,人さまには知られたくないと思っている問題,あるいは恥部と思いこんでいる事柄のひとつやふたつは抱えているものでしょう。ぼくにもあります。今年もありました。ここにはとうてい書けないようなこと。
 でもね,何の問題もない,文字どおりの平穏無事な人生なんてものは,望んでも得られないもののひとつだと諦めてしまえば,それなりにいい年でしたよ。

● もしよろしければ,来年もこのブログ,お読みいただければ嬉しいです。
 ただですね,ご覧いただいたとおり,このブログは音楽そのものについてはあまり語っておりません。なぜなら,語れるほどの蘊蓄を持たないからです。

● 鑑賞者としての水準を高めたいと思っている方には,それにふさわしいブログがあります。
 ぼくのわずかな知見では,「こもじゃー」さんの「八畳の視聴空間」はすばらしいものだと思います(タイトルもしゃれてますな。それにひきかえ,ぼくのこのブログのタイトルは何だかなぁ)。野に遺賢はいるものです。釈迦に説法するようで恐縮ですけれども,ぜひこうしたブログをご覧になって勉強されたらよろしいのではないかと思います。

● それでは皆さま,どうぞ良いお年をお迎えください。

4 件のコメント:

  1. はじめまして。拙ブログにコメント&貴ブログでのご紹介、本当にありがとうございます。

    今年の秋からブログを始めたばかりで、まだ設定のカスタマイズとかに慣れておらず、ご不便をお掛けしました。

    いろいろ音楽は聴いているのですが、いざ文章にするとなると気後れしてしまい、本当に時間があるにくらいしか更新できないのが本音ですが、こうして評価していただけるので励みになります。

    マーラーの交響曲マラソンですか、面白い試みですね!でも、しんどいでしょう(笑)私はマーラーでは1から6が好きです。もちろん、一度に聴いたことはないですよ(笑)

    またお邪魔しますので、それでは良いお年を。

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    1. わざわざ恐れ入ります。

      こういう言い方はどうかとも思うのですが,「八畳の視聴空間」は今程度の更新頻度だから何とか読めている,というところもありまして。
      あの水準のものを頻繁に更新されたら,私では消化できないだろうと思います。

      もちろん,だからあまり更新しないでほしいということではまったくありませんが。

      「八畳の視聴空間」は文章が清廉で,気持ちが洗われるような気がしています。ありがとうございます。

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  2. 交響曲1曲でも、オーディオに面と向かって通して聴くのは大変です。ましてや、マーラーの大作ばかりの交響曲を一日で、というのは殆ど無理、と思っていたら、やはり途中で止めたのですね。それが普通だと思います。(苦笑) ところで、面白いと思うのは、初めて聴いたとしても、他のマーラーの作品を聴いた事があると、この曲はきっとマーラーだろうな、と分かることですね。それは、ブルックナーなども同じですね。作曲家って、新しい曲を書こうと思っていても、どこかで、その作曲家の癖というか感性というものが、曲の中に現れてしまうような気がしますね、良い悪いは関係なく。

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    1. ベートーヴェンもしかり,モーツァルトもしかり,ですよね。
      ただ,マーラーやブルックナーはその度合いが強いのでしょうか。

      ブルックナーはまったく聴いたことがなかったので,最近,全交響曲をまとめて聴いてみたのですが,どれも同じに聴こえました。
      違いがわからない。聴き方も悪いのだと思うのですけど。

      マーラーについては,ライヴでいくつかを聴いたほかは,このエントリーの時点からまったく進捗がなかったのですが,これまた最近まとめ聴きをしてみました。
      正直,ブルックナーもマーラーも,私の手(耳)には負えないという印象です。

      なお,ジタバタはしてみようと思っているのですが,こういうものは男女の出会いと同じで,出会い頭が大切ですからね。

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