2013年5月19日日曜日

2013.05.19 峰ヶ丘フィルハーモニー管弦楽団第2回演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● 峰ヶ丘フィルハーモニー管弦楽団は「愛称」だというのだが,では正式名称は何か。「宇都宮大学OB・OGオーケストラ」がそうなんだろうな,たぶん。
 ともあれ,今回はオール・ベートーヴェン。エグモント序曲,ピアノ協奏曲第3番,交響曲第7番。指揮者は前回と同じく井崎正浩さん。
 開演は午後2時。チケットは1,000円。

● 栃木県の大学オケでは宇都宮大学管弦楽団が突出した存在。そのOB・OGであれば,腕前に関してはリスペクトしていいと思っている。東京の音大を出てUターンしてきた人たちを別にすれば,県内の市民オケを支える屋台骨にもなっているはずだ。
 実際,昨年の創立演奏会で,そのことは確認済みですな。

● OB・OGといっても若い人が多いので,活きがいい。フレッシュ感がある。日本の場合,プロでもそうですよね。まぁ,若干の例外はあるにしても,プロオケでも若い人が多い。40歳定年制が敷かれているんじゃないかと思うくらい。
 プロ・アマ問わず,オーケストラは若手が担っている。

● ソリスト(ピアノ)は阿久澤政行さん。栃木県出身。彼のピアノは他のオーケストラとの共演を何度か聴いている。
 好きか嫌いかでいえば,かなり好き。どこがと問われると答えられない。それを情けないともじつは思っていない。
 手練れであることは言うまでもない。オケをおいて自分だけ好きなように走るなんてことはしなさそうな感じ(してるのか)。オケとすれば合わせやすいのじゃあるまいか。

● 第7番は,テンポに緩急をつけたようだ。もとよりぼくの耳だ,アテにはならない。ざっくり言うと,ゆっくり目だったか。
 弦にはぜんぜん不安がない。管も単調にならないように,きちんと色にメリハリをつけようと努めていたようだ。特にフルートにそれを感じた。しかし,それが完璧にできたらすごすぎるというか,並プロ以上ってことになる。
 井崎さんの指揮のよろしきをかなり受けたと思うんだけど,きちんと仕上げて客席に提供。どうですか,皆さん,という感じでね。

● 今回はプログラムに「サポートのお願い」という文書が挟まれていた。要は,参加者が減ってしまったので,会費収入が減少した。このままでは赤字になる。ゆえに,よろしければ寄付をお願いしたい,と。
 ソリストを呼んで演奏会を開くと200万円くらいかかるとあった。一大イベントだよなぁ。
 ぼくも応分の寄付をしなければならない年齢だ。

● それはそれでいいんだけど,一方で,次回の演奏会に200名様を招待するとある。こういうのをやめたらどうかっていう意見は出ないのか。ほとんどのアマオケがやっていることだとしても,決算で赤字をだしているのに,株主への配当は継続するのか,と。
 あるいは,チケットを値上げすれば,っていう意見はない? チケットの値上げってけっこう勇気がいると思うんだけど,1,000円というのも深く考えての結果でもないだろうし。
 どちらも集客に響きそうだ。でも,そのリスクは取らなくちゃしようがないんじゃないの,っていう意見はないのかなぁ。

● あとね,どうせするなら上手なおねだり。「サポートのお願い」もさ,もうちょっと寄付したくさせるような文章の書きようがあるんじゃないのかねぇ。
 文章の視点が「自分の都合」に貼りつきすぎかな,と。ここをちょっと離れてみると,かえって説得力が出るもので。

● と,偉そうに書いちゃったけど,実際,大変だろうと思うんです。
 手段を選ばずに安くあげようとすれば,方法はなくもないんだろう。でも,せっかくやる以上は,自分たちにとっても勉強になるようにしたいし,お客さんにも楽しんでもらいたい。とすれば,1回につき200万円はかかる。これは所与の前提。
 まったく寄付を受けないでやっているところなんてないんでしょ(中にはあるのか)。応分の寄付を求めうるだけの演奏はしてるしさ。

4 件のコメント:

  1. 始めまして。
    私も今回聴きに行ってきた者です。
    何度か参考にさせていただいております。

    私は既に寄付した後なのですが、聴きたいと思えるオケであればいいのではないでしょうか。
    先んじて大阪がオーケストラの支援金を廃する行政になった時、私は何も出来ない自分を恥じる事もありました。
    1月に古河フィルが一旦、活動を終了するという挨拶を見た時に危機感がありましたので今回寄付致しました。

    そもそもオーケストラは見世物でもなく、大金がはびこる訳でもない。そこを橋本市長につけ狙われた訳です。
    金にならなきゃやめちまえ、それが通用してしまっては困ることもあるのです。

    稚拙な長文失礼しました。

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    1. 申しわけありません。返信のしようがありません。
      ちなみに,私も年齢相応の(と自分が思う)金額を寄付してきました、

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  2. 匿名で失礼します。

    おっしゃる通りです。この団体の創設者の方は「自分の都合」で動いていらっしゃるようですので、出演者も減っているのではないかと思います。

    聴衆のサポートがあっても、出演者がいなくては演奏会の存続は難しいのかと思いました。

    かけ持ちしてる方もたくさんいるようですし。難しい問題ですね。

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    1. 設立するより,それを存続させる方が難しい。
      それゆえ,長く続いているアマチュアオーケストラは,それだけで称賛に値するものだと考えています。

      しかし,一方,志があって設立したのでしょうから,存続それ自体が目的になってしまってはつまらない。
      このあたりは,団員間の擦り合わせでお決めいただくしかないことですが。

      さらに,全員が同じ方向を向いているより,内部にそれなりの紛糾や対立がある方が,団体としてはかえって活力に富んでいる状態だともいえるのかも。
      そもそも,数十人もの個人の集合体が何らの対立も抱えない,という状況は想定できないことですし。

      なお,寄付について本文でいくつか書いておりますが,寄付を求めることそれ自体には,特段の問題はないと思っています。
      寄付は強制ではありませんからね。問題のあろうはずがない。
      ただ,私一個は,寄付という形ではなく,入場料を値上げしてもらった方がすっきりします。

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