2014年5月5日月曜日

2014.05.04 宇都宮北高等学校吹奏楽部第28回定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● 3年連続3回目の拝聴。開演は午後1時半。チケットは800円(自由席)。
 この高校の演奏会は大ホールが満員御礼になることがわかっているので,前売券を買っておくことにしている。当日券より200円安くなるし。

● 生徒は毎年入れ替わるし,指導者だって途中で交替する。にもかかわらず,北高吹奏楽部のテイストというのは連綿と維持されているのだろう(と思う)。伝統というか校風(部風?)というか。不思議なものだよなぁ。人が替わるのに変わらないものがあるって。
 そんなことを思いながら,2階席に着いた。

● 3回目ともなれば,北高クオリティーに対するこちら側の信頼は揺るがない。間違いなく満足させてもらえるはずだし,あるいは満足を超えた驚きを持って帰れるだろう。
 ついでに申せば,信頼の対象は演奏だけではない。設営や進行や案内や受付の手際もまた,賛嘆に値するものであることは,過去2回で体験済みだ。

● 第1部。バーンスタインの「キャンディード」序曲でご挨拶。印象的だったのは,顧問の先生の指揮。力がこもっていて,しかも抑制が効いていた。これなら生徒たちも走りすぎることはないだろうと思われた。
 2曲目はティケリ「シェナンドーァ」。ここでの主役は木管(特にフルート)ということになりますか。音に表情がついていた。いや,聴く人が聴けばどうなのかわからないけれども,ぼくにはそう感じられた。表情までつけてくるか,と。これは奏者の力量。
 3曲目はラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。こういう曲を高校生が取りあげるんだねぇ。これを破綻なくまとめてくる。そういう時代なんだ。

● 第2部は「スクリーン・ミュージック コレクション」。照明による演出も加わって,ブラスの本領という感じ。
 シフリン「ミッション:インポッシブル」。ドラムスも入る。ぼくなんかからすると,右手と左手を別々に動かせるのが驚異だからね。両手に鉛筆を持って別々の文字をスラスラ書くのと,ドラムを叩くのとどっちが難しいんだろう。というタワけたことを考えてしまうのが,素人の悲しさ。

● ロジャース「私のお気に入り」。「サウンド・オブ・ミュージック」に登場する曲らしい。映画はさすがに複数回見ていると思うんだけど(だいぶ,昔のことだ),この曲は記憶にない。っていうか「エーデルワイス」以外は憶えてないもんね。
 3曲目はジョン・ウィリアムズの「スター・ウォーズ」。今までバックにいた感のある金管が前面に躍りでて始まる。各パートの水準の高さが最もわかりやすかったのが,この曲。

● 第3部。今回は「眠れる森の美女」。歌のないミュージカルというか,ダンス付きの劇というか。
 ダンスの部分は,生徒たち自身も楽しんで遊んでいると思われる(そうでもないのか)。メインはあくまで吹奏楽にある。ここがしっかりしているから,彼らのダンスの動きを,こちらも楽しむことができる。
 実質的な主役は,オーロラ姫に呪いをかける悪の精カラボス。そのカラボス役の男子生徒がなかなかの健闘。デジレ王子の腕と指の動きにお色気を感じたんですけど。演じていたのは女子? じゃないよねぇ。

● オーロラ姫が100年の眠りから覚めるシーン。どうしたって,ディズニーの「ワンマンズ・ドリームⅡ」を思いだしちゃう。オーロラ姫がむっくりと起きあがるじゃないですか。何の反動もつけずに腹筋の力だけで。腹筋,すげー,って見るたびに思ってましたよ。
 それはここでも同じ。意外に簡単そうなので,自分でもやってみたんだけど,ムリ。まるでムリ。腹がつかえて起きられない。

● 終演後は部員たちが駆け足で出口に並んで,お客さんを見送るのも例年どおり。ステージでのテンションをほぼそのまま維持した状態なんでしょ。興奮さめやらぬという。
 この状態の生徒たちには,何というのか,力がある。こちらがどう出ても勝てないと思わせる力。踊る阿呆と見る阿呆の間には,天地の差がある。

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