宇都宮市文化会館 大ホール
● 昨年に続いて聴かせてもらいましたよ。前回で実力のほどはわかったつもり。前回はフラッと行ってみたんだけど,今回は期待して行った。
社会人の吹奏楽団って栃木県にはそんなにたくさんあるわけでもないんだけど,その大半をぼくは聴いたことがない。マーキュリーバンドがどの辺に位置するのか。おそらくリーダー的な存在なのだろうと思うんだけど,ま,他を聴いてないんだから,わかりようがない。わからずとも支障はないわけですが。
開演は午後2時。入場無料。
● 第1部の曲目は次のとおり。
合田佳代子 「斎太郎節」の主題による幻想
レスピーギ シバの女王ベルキス
「斎太郎節の主題による幻想」は今年度の吹奏楽コンクールの課題曲になっているらしい。「シバの女王ベルキス」も,吹奏楽ではわりと演奏されることが多いようだ。
● 管弦楽では一度も聴いたことがない。組曲版のCDは持っているけれども,恥ずかしながらそのCDすらまだ聴いていない。ので,この曲を聴きたくて出かけたようなものだ。
この曲,バレエ音楽だっていうんだけど,この音楽にどんなバレエを振り付ければいいのか見当がつかない。バレエのシーンを浮かべることは,まったくできなかった。
● 吹奏楽だからっていうわけでもないんだろう。管弦楽で聴いてみても印象は変わらないと思う。最後はバンダも登場する。大編成になる。しかも,これだけの音量だ。
音楽が主でダンスが従になったりはしないのか。Wikipedia情報では,初演は成功したらしいんだけどね。
● ストーリーは旧約聖書によっている。シバ国を統治していた女王ベルキスが,イスラエルのソロモン王を訪問。どういうわけか長期滞在になってしまって,ソロモン王とのあいだに子供までつくっちゃう。ソロモン王,たいした男だったんだな。っていうかさ,一国の女王が国をほったらかして何やってんだよ。ダメじゃん。
この曲は,その来訪の様子を描いたものだっていうんだけど,中東的というか,アラビアンナイト的なイメージを感じた。中東的といい,アラビアンナイト的といっても,こちらが勝手に作ってしまった安直なイメージだね。
● 第2部は,徹底的な観客サービス。吹奏楽に特有のもの。これはステージ側も楽しんでないと成立しないでしょ。かといって,過度に楽しんじゃうとサービスに支障をきたす。このあたりの匙加減ってけっこう難しいんだろうか。そうでもないのかな。
まずは,前回の続きで,昭和VS平成対決。アニメソング,CM曲,歌謡の3種で演奏比べ。
CM曲って記憶に残るものなんだなぁとあらためて思った。ずいぶん昔のものでもちゃんと憶えてるんだもんね。テレビばっかり見てたからなんだけど,製作する側も丹精を込めているんでしょうね。
時代というか世相を最も直截に含んでいるのは,CM曲なのかもしれない。そのときどきの流行歌じゃなくて。
● 第2部の後半は「レ・ミゼラブル」。ぼくは見なかったけれども,一昨年は映画がヒットしたんだっけ。
ジャン・バルジャンというと,一切れのパンを盗んだために19年も服役した悲劇の主人公というイメージしかなかったんだけど,市長にまでなるんですね。そこからの物語が長いんだ。初めて知りましたよ。
● 社会人の吹奏楽団がここまでの企画を立てて実行に移すのは大変だろう。これが高校生なら学校からの援助もあるだろうし,なにより時間がある。いや,時間はタイトだろうけど,団員の都合を揃えやすい。社会人はそういうわけにいかない。
それでここまでやれるのは,強力なリーダーがいるか,団員の人的ネットワークをフルに活用できているか。端倪すべからざることだと思える。
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