芳賀町民会館ホール
● 開演は午後6時。チケットは500円。当日券を購入。
● まずは,シベリウスの「フィンランディア」。荘重感あふれる「フィンランディア」だった。悲壮感と言い換えてもいい。
● 次はガラッと曲調が変わって,フォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」。生で聴くのは初めて。あまり演奏されることのない曲を入れてくるのが,真岡市民交響楽団の(最近の)特徴か。
聴く前にプログラムの曲目解説を読んでおいてよかった。元になった戯曲のあらすじを知っているのといないのとでは,聴くための手がかりに大差ができる。まずは手がかりを持たないで聴いてみるのがいいのかもしれないとも思うんだけど。
● この曲を聴いてて感じたのは,この楽団の香りのようなもの。もぎたてのリンゴを割ったときに放たれる芳香のような。
これって何なんだろうと考えながら聴いていた。オケにあるものなのか,聴いている自分がそう感じているだけなのか。
ミスはあった。一曲をノーミスで通すなんて奇跡のようなものだろうということを別にしても,そのミスを香りが包んでしまうような。なんか不思議な感じ。
● メインはチャイコフスキーの交響曲第5番。この曲を聴く機会は多い。これまでにライヴだけで11回聴いている。そのいずれもがすでに忘却の彼方に去っているんだけれども,当然,ひとつひとつが別物だった。
今回の演奏もまた,今回限りの他にはないもの。この楽団にもう一回やってみろと言ったって,同じ演奏はできないわけで。
● その一回性を強く感じたのは,入魂の演奏だったからだ。はばかりながら,団員にとっても記憶に残る演奏になったのではあるまいか。
ホルンのソロ,気配りがピッと効いたティンパニ,ヴァイオリンの厚み。要因を個々にあげていけばいくつもあげられる。けれども,そういう部分の合計を超えた演奏になったのはなぜか。
● 気が揃っていた。集中が切れなかった。守りに入らず果敢に攻め続けた。それを導いた指揮者(佐藤和男さん)の功績でもある。
が,そういう言い方でも何かが足りない。魂を込めるとこういう演奏になるのだ,こういうことも起こるのだ,と思うしかない。
● アンコールはグノー “トロイの娘たちの踊り”。
次回は面目を一新した(まだしてないけど,もうすぐする)真岡市民会館でベートーヴェンの「第九」。
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