横浜みなとみらいホール 大ホール
● “青春18きっぷ”で横浜へ。横浜っていうか桜木町。宇都宮から湘南新宿ラインに乗れば乗り換えなしで横浜に着く。のだけれども,今回は赤羽で京浜東北線に乗り換えるつもりだった。なぜというに,横浜駅はあまりにも人が多いから。そこで乗り換えるのは田舎者には難儀というか億劫だからね。
ところが,赤羽で降りることができなかった。これまたなぜというに,居眠りをむさぼっていたからだ。
ところが,この日はスムーズに根岸線のホームに移ることができた。時間帯によっては,こういうこともあるのか。
● 自分を顧みて思うことがある。生活万般にわたってクオリティを追求する精神がない。そこが自分のいいところでもあり,どうしようもないところでもある。
書くものはもらいもののボールペンで充分。着るものはユニクロでよし。腹がへれば吉野家の牛丼か立喰いそばでいい。機能を満たしていればいい。腹がふくれればいい。
というわけなので,桜木町駅の改札を出てすぐのところにある立喰いそば屋で天ぷらそばを喰った。370円。これが昼食。
● その立喰いそば屋,川村屋っていうんですけど。味はね,ま,普通でしたよ。ぼくには充分ですけどね。
中で働いているのが高齢の女性の方々ばかり。皆さん,明るくて元気がいいんですよ。そういう人ばかりが集まったのか,そうさせる空気があるのか。
これ,たいしたものだと思いましたよ。こういう職場環境を提供できてるってのがね。指揮者はたぶん男性だと思うんですけどね。相当な人徳者に違いない。
● で,会場に向かった。これから音楽を聴くわけだけど,およそそういう恰好はしていない。下は半ズボン。素足にサンダル。上がTシャツではなく,ポロシャツを着ていたのがせめて。襟が付いてるから。
申しわけないとは思うんだけど,それじゃそれなりの恰好で行けるかっていうと,この暑さの中でそんな恰好しなけりゃならないんだとしたら,コンサートに行くのをやめるわっていうのが正直なところでね。
● 隠すべきところが隠れていればいいじゃねーかよ,とまで極端に考えているわけではないけれども,要するにクオリティを追求する精神がない。っていうか,楽な方がいい。
ともあれ。当日券を購入。1,000円。そんなやつにもイヤな顔ひとつせずに,売ってくれた。ちょっと申しわけなさが頭をよぎった。
● アウローラ管弦楽団の演奏を聴くのは,これが3回目。ロシア音楽をもっぱら手がけている楽団だってことは知っている。
今回はラフマニノフの合唱交響曲「鐘」を持ってきた。指揮者は高橋勇太さん。開演は午後1時半。
● まずは,プロコフィエフの交響曲第7番「青春」。CDは持っている。小澤征爾さんのやつ。が,聴いたことはなかったと思う。もちろん,ライヴで聴くのも初めて。
なので,こういう曲だったんですか,という冴えない感想になった。プログラムノートによれば,“ラジオの児童番組向けに作った放送音楽”ということ。
● ところで,このプログラムノートのコラムは勉強になる。社会主義ソ連におけるショスタコーヴィチとプロコフィエフの比較論。
おそらく,すでに多くの人が指摘してきたことで,ここにオリジナルはないと思うんだけど,簡潔に自分の言葉で語っているところに,好感が持てる(って,偉そうに書いてしまった)。
● さて,ラフマニノフの「鐘」。こちらはCDすら持っていない。
プログラムには歌詞の邦訳が掲載されている。「人の一生を四季になぞらえた4つの楽章」に仕立てているわけだ。
ハープはもちろん,ピアノ,チェレスタ,オルガンまで加わる大編隊のオーケストラに合唱団とテノール,ソプラノ,バリトンの独唱。全部入りだ。
● ソプラノが菅又美玲さん,テノールが辻端幹彦さん,バリトンが菅井寛太さん。
最重要の合唱団はこのために集められたプロジェクトチーム。女声に対して男声がだいぶ少なかったけれども,こういうのって数じゃないから。一騎当千の強者ならば,全然オッケーだと思った。
● この曲想を表現するのにここまでの装備が必要だったのかどうか。わからない。この時代(1913年の発表)は,こうした大編隊を志向する空気があったんですかねぇ。
CDは持ってないけど,YouTubeにいくつかあがっている。せっかく生で聴く機会を与えてもらったのだから,それで終わりしないで,まずは,ネットで聴きなおすことを試みてみたい。
● みなとみらい。バブルがはじけて以降,ひょっとしたらゴーストタウンになるのではないかと思っていた。が,人がたくさん出ていて活気があった。さすが横浜ということですか。観光地でもあるようだ。
が,一見,活気があっても,ショッピングモールに店を出して高級品を商っているところはけっこう厳しいのかも。客単価は下がっているのではないかとも思えた。流行っているのは安いところ・・・・・・。
でもないのか。景気もだいぶ持ち直しているんだし。
0 件のコメント:
コメントを投稿