2014年8月4日月曜日

2014.08.03 クラシカルバレエアカデミーS.O.U 2014バレエコンサート

栃木県総合文化センター メインホール

● このバレエ学校の発表会は2年に一度。前回はバレエというものをあまり(あるいは,ほとんど)知らない状態で観させてもらうことになった。知らないというのは悪いことじゃない。驚けることがたくさんある。
 それからいくつかのアマチュア公演を観てきた。にもかかわらず,バレエについては依然として無知なままだと思うんだけど,狎れてしまった部分はあるかもね。

● もうひとつ,いくつか観てきてわかったのは,このバレエ学校の質量の充実度は相当なものだということ。観ておかないと損だという下世話な計算も働いて,またお邪魔することにした。
 開演は午後3時半。三度の休憩を含めて4時間の公演。入場無料。プログラムは別売で500円。

● バレエ学校の発表会っていうのは,生徒たちにとっては練習の集大成なんだろうけど,学校側にとって生徒はお客さんでもあるわけで,お金の出し手である父兄に,いうなら教育サービスの成果を公表するという意味合いもあるのだろう。
 そういうところに,父兄でも関係者でもないぼくのような者が紛れこむっていうのは,いうならタダ乗りライダーだな。父兄の皆さんのご負担によって,ちゃっかりとタダで良きものを観させてもらうわけだから。
 そういう意味での心苦しさって,多少ある。だから,とにかく大人しくしていないと。決まりを守って。

● この種の催し,バレエとかミュージカルとか,にオッサンが一人で入場することには気後れを感じることもあったんだけど,それもすっかり消えた。好きなものは好きで何が悪い,といった構えもない。どう思われようとべつにいっか,みたいな。

● 4部構成。第1部の華が「Love is Dance」であったのは,たぶん観客が一致して認めるところだと思う。プログラムの「ごあいさつ」によると,踊り手は高校生であるらしい。高校生だけではないと思うんだけど,メインは高校生なんでしょう。
 けれども,ステージに立って踊っている彼女たちは高校生には見えない。もっと上に見える。メイクや衣装や照明のせいもあるんだろうけど,ステージに立ってる人って大きくみえるんだよね。
 振付は篠原聖一さん。

● 表現力や演技力の前に,どうしたって運動能力が必要なんだなぁと思いましたよ。普通の意味での運動神経,あるいはリズム感。ぼくは小さい頃から運動がまったくダメだったから,この方面には抜きがたいコンプレックスを持っちゃってるんだけど,それゆえに,素直に感心できるってことはあるかもね。
 あのくらいだったら,オレも練習すればできるようになるかも,とは間違っても思わないから。単純にすごいものだなと思える。
 自分でもできるかもしれないと思うものを観たって仕方がないでしょ。自分には絶対に無理だというものだから,観る価値があるんで。

● 第2部ではくるみ割り人形も面白かったし,“パ・ド・トロワ”や“グラン・パ・ド・ドゥ”もあって高度な技も見れたんだけど,やっぱり第一は「ハイドンシンフォニー」になりますかねぇ。
 こちらは中学生らしいんだけど,とても中学生とは思えない。安定した大人に見えた。淑女の芽を内包しているっていうか。バレエの型を身につけるとそうなるんですかね。動きだけで淑女を表現できる。
 実際に話してみれば,そこはそれ,おきゃんな小娘たちに違いないんだけど,ステージに立つと“小”が消えるんだよねぇ。

● この場合の淑女っていうのは,もちろんリアルな淑女ではなく,おとぎ話(王子さまとお姫さまの世界)に登場するような200%の淑女のことですね。男性が女性に対してこうあってもらいたいという(ひょっとすると,女性もそうありたいと考える)女性の理想型。
 理想型なんだから,リアルであるはずがない。つくりものの世界だ。だから,バレエでしか表現できないもの。いや,バレエ以外にもあるのかもしれないけれども,バレエが舞台芸術の極地のひとつであることは,いくらなんでも少しはわかりかけている(と思いたい)。

● 第3部は「コッペリア」の第3幕から。軽さを表現すること。それができればだいたいOK? そんなことをちょっと思った。
 第4部は「ラ・バヤデール」の“幻影の場”。最初の場面がやはり印象的。コール・ドのダンサーの登場場面。正確に距離を刻むのと,動きを合わせるのと。どうしてそんなことができるんだよと思ったんですけど,あれって基本中の基本なの? 動きは静かなんだけど,運動量すごくない?

● 3部でも4部でも個人技の見せ場が何度もあって,その都度,客席から拍手が起こる。お客さんは正直であって,拍手の大きさは演技のすごさにほぼ比例する。
 でも,まぁ,ぼく的にはコール・ドに惹かれてしまう。たぶん,ぼくだけじゃないんだと思うんだけど。これって,日本的というか東アジア的な好みなんですかね。欧米人は個人技の方に目が行くんだろうか。

● ともあれ。こうして4時間。外は猛暑だったんだけども,涼やかさを満喫した。もちろん,ホールはエアコンが効いてるわけだけど,見た目の涼やかさも。やってる方は汗だくだろうけど。
 でも,バレエって汗をかくのはあまりよろしくないんでしょうね。水分摂取のコントロールなんかも必要になるんですかね。
 フィナーレの最後。彼女たちのはじけぶりも圧巻だった。素の中学生や高校生に戻ったようなね。でも,そこにも演出が入っていたのかと思うほど。

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