大田区民ホールアプリコ 大ホール
● 立川から南武線で川崎へ。京浜東北線に乗り換えて,蒲田で下車。せっかく東京に出てきたんだからというわけで,久しぶりのダブルヘッダー。
これをやると,印象が散ってしまう。あんまりいいことじゃないと思うんだけど,印象なんてものは時間がたてばどうせ散る。
● 南武線はギャンブルラインでもあるようで,沿線には競馬・競輪・競艇の施設がたくさんある。競輪だと思うのであるけれど,予想紙に真剣に赤ペンを入れている中年の男性がいた。
ぼくの見るところ,こういうものに入れ込む資格のある男性はさほどにいないように思われる。だいたいは,波打ち際でチャプついている手合いだろうから,家族に害を及ぼすこともない。
が,中には深みにはまった人もいるはずだ。こうなると,失うものが大きくなりすぎて,人生とギャンブルを引き換えることになるかもしれない。
中には,そうしてもなお,人生再建をやりとげる人がいる。資格のある男だ。
ぼくは単純に臆病者だから,そういうものには近づかないことにしている。自分に博才がないこともよくわかっている。わざわざネギを背負ったカモになることもあるまい。面白味のない男である。
● 蒲田駅構内の“おむすび権米衛”でおにぎりを3個買って,腹ごしらえ。ここのおにぎりを3個も喰うということは,一合は軽く超える米を喰ったことになる。
喰いすぎだ。わかっているんだけど,“権米衛”のおにぎりはじつに旨いから困る。
● 開演は午後7時。チケットは1,000円。当然にして,当日券を購入。
指揮は小倉啓介さん。曲目は次のとおり。
フンパーディンク ヘンゼルとグレーテル序曲
ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
ドヴォルザーク 交響曲第8番 ト長調
● レイディエートは「バレエ音楽の演奏を専門とするオーケストラ」で,演奏会でもずっとバレエ音楽を手がけてきているようだ。「今回は趣向を変えたプログラムに取り組みます」とのことなんだけど,次回はハチャトゥリアン「ガイーヌ」の予定。
じつは前から名前だけは知っていた。バレエ音楽をもっぱら手がけていることも。ただ,バレエ音楽って音楽だけ聴いてもあまり面白くないっていうか。そんなふうに思っちゃってて。逆に,ストラヴィンスキーの「春の祭典」なんかになると,これにどんなバレエを振り付けるんだよとか思っちゃって。
● ドヴォルザークの8番を久しく聴いていない。CDではちょこちょこ聴いているんだけど,生では。で,聴けるんだったら聴いておこうかというくらいの感じで行ってみたんですけど。
驚かされた。かなり練られている。音大卒もけっこうな数,いるんでしょうね。
● 3楽章のスイーティーな舞曲。スラブ乙女が友だちと楽しそうに語らっていたり,小走りに走り寄ってきたり,洗濯してたり,乙女どうしが手をつないで歩いていたりっていうシーンが,ぼくの脳内に浮かんでは消えていった。男が勝手に作った乙女のイメージではあるんだけどね。
4楽章冒頭のファンファーレも決まっていた。着地もまた。
● つまるところ,今まで見過ごしていたことをちょっと悔やみたくなった。ただね,悔やもうと悔やむまいと,べらぼうな数のオーケストラがあるんだからね,東京には。
ひととおり全部聴いたうえで,どれとどれとどれを選ぶなんてことはできる相談じゃないわけでね。それこそ,ギャンブルチックに決めて行くしかないということもあってさ。こういうケースが出るのも致し方がないな。
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