宇都宮市文化会館 大ホール
● 今回はモーツァルトの35番「ハフナー」とマーラーの1番(「花の章」も)。開演は午後2時。チケット(前売券)は1,200円。
● ぼくが初めて栃響の演奏を聴いたのは,2009年6月の第87回定演だった。以後,毎回必ず聴いているわけではないけれども,特別演奏会や年末の「第九」など,栃響の演奏を聴いたのはけっこうな回数になると思う。
その中で,特に記憶に残った演奏会もあれば,そうでないのもある。曲にもよるし,こちらの体調というか態勢の問題もあるだろう。
● で,今回のマーラーは記憶に残る屈指の演奏になった。演奏する側にとっても,相当な手応えがあったのではないかと推測する。
以上である。
● であるからして,以下は基本的に蛇足だ。
これだけの大編隊を組むのだから,技量のバラツキはどうしたって出るはずで,それがもたらす細かいノイズは避けがたい。が,そういうことはほぼまったく気になることはなかった。
演奏の活性度が,ノイズを消化していたように思われる。
● 曲が奏者を乗せることがあるのだろうと思う。曲が自分の方を向けと奏者に強制するというかね。曲に没入させ,あるいは集中させるということ。
同じことは,客席にも言えるわけで,曲が聴衆をして聴くことに集中させる。それがステージに伝わる。
演奏は演奏する側だけで完結するわけではない。聴衆も聴くことを通して演奏に参加する。そこのところがうまく働いた。
● 指揮者(末廣誠さん)の功績も大きかったに違いない。
「花の章」のトランペット,第3楽章のコントラバスもさることながら,コンマスの働きが目立ったように思えた。自身も躍動しつつ,オケを引っぱっていくという。
まだお若いように見受けられる。こういうものに年齢は関係ないという見本のようなものだろう。
● アンコールはモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」序曲。大曲を終えてホッとリラックスしたところ。それが吉と出たようで,聴く側としてはお得なアンコールだった。
● 次の次は第100回になる。100回とはいえ通過点に過ぎないのも確かであって,あまり仰々しくするのも考えものだ。第一,仰々しさと演奏会は相性が悪い。
とはいえ,記念の100回なんだからな。すでに色々と考えているんだろうけど,何を持ってくるのか今から楽しみだ。
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