栃木県総合文化センター サブホール
● コンセール・マロニエ21が発足して,今年で20年になる。で,「これまでの上位入賞者の中から各分野で活躍中のアーティストを招き,記念の演奏会を開催します」というのが今回のコンサート。
楽しみにしてたんですよ。どのくらい楽しみにしてかといえば,チケットを二度買ってしまったほどに。早々に買ってたんですよね。それなのに,そのことを忘れてて,もう一度買ってしまった。
余ってしまったチケットは友人にもらってもらえたので,基本,損失は出さなくてすんだんですけどね。
● このコンサート,開演は午後3時で終演予定は午後6時半。普通のコンサートの約2倍の長さ。弦,ピアノ,木管,金管,声楽の各部門から「上位入賞者」を招いてプログラムを組み立てるとすれば,このくらいの長さにはなるんだろう。
これで2,000円なんだから,かなり美味しいコンサートだと思っていた。
● けど,ぼくのような者でも,時によんどころない事情に襲われる。わかっていても行けないっていうやつ。
で,いったんは諦めたんだけど,その友人からまだ間に合うからと言われて,気を取り直して出かけた。もちろんそれで正解で,ぼくが会場に到着したのは5時を過ぎていたけれども,後半を聴くことができた。
● このコンサート,3部構成だったんだけど,ぼくが聴いたのは第2部の途中から。トリオ・ラ・プラージュ(ピアノ:渚智佳,ヴァイオリン:田口美里,クラリネット:近藤千花子)の演奏からだった。
チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割人形」。全曲ではなく,トリオ・ラ・プラージュ(主には渚さんだと思うが)が編曲した圧縮版。
● それから,バルトークの「コントラスツ」。この曲はピアノ,ヴァイオリン,クラリネットの三重奏曲だから,まんまの演奏が聴けたはずだ。
この曲名のコントラスツというのは,ヴァイオリンとクラリネットの対比ってことだろうか。ピアノはちょっと退いた位置にあるようだ。
20世紀の曲だけれども,こちらが予想するような展開にはなってくれない。ジャズっぽいところもあって,変幻自在な感じもあり。そうなるとぼくにはついていくのが難しい。
● 久しぶりにお三方の演奏を聴けて嬉しかった。ぼくはライヴを聴くようになってから比較的早い時期に,田口さんの演奏でメンデルスゾーンのホ短調協奏曲を聴いて(第1楽章だけだったけど),鳥肌が立つような思いを味わったので,個人的に少しばかりの思い入れがあるんですね。
● 休憩後に第3部。シューベルトのピアノ五重奏曲「ます」。ヴァイオリンが田口さん,ヴィオラが大島亮さん,チェロが金子鈴太郎さん,コントラバスが岡本潤さん,そしてピアノが渚さん。
このメンバーでこの曲を聴くのは,今回が最初にして最後になるはずだ。ぼく的にはオールスターチームだ。奏者の5人もオールスターゲームのようにリラックスしているように思われた。
そりゃそうだね。このコンサート自体がお祭りのようなものなんだからね。
● でもね,こうなると聴けなかった前半が残念に思えてきますね。逃した魚は大きいに決まっている。
牛腸さんたちによるエワルド「金管五重奏曲第3番」があったわけだし,大貫裕子,村越大春,秋本悠希,寺田功治の4人による“乾杯の歌”もあったわけでね。
● コップの水を半分飲んで,まだ半分も残っていると思う人と,もう半分しか残っていないと思う人がいるとは,よく言われることだ。前者がポジティブ,後者がネガティブ思考の持ち主だと言われるんでしょ。ぼくははっきり後者に属するタイプ。
● まぁ,しかし,後半だけでも聴けてよかったですよ。諦めないで出かけてよかった。
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